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#16震災の苦難を越えたインターペット第1回開催
越村 義雄 2026/07/16
異業種を巻き込むという全く新しいコンセプトで舵を切った「インターペット」ですが、2011年の第1回開催を迎えるにあたり、私たちは日本全体を揺るがす未曾有の試練に直面することになりました。それは言うまでもなく、東日本大震災の発生です。
震災直後の混乱と自粛ムードの中で、産業界全体が新しい試みをストップさせ、イベントの開催自体の中止や延期を求める声が各所から湧き起こりました。「このような大変な時期に、新しく華やかな展示会を強行すべきではない」という慎重論もありました。
しかし、私は「今だからこそ、絶対に開催すべきだ」という強い決断を下しました。もしここで私たちが萎縮して立ち止まってしまえば、ペット産業の活力は失われ、ひいては日本経済の復興を支えることすらできなくなってしまう。企業や団体が健全に発展し、しっかりと利益を生み出していなければ、困っている人々を長期的に支えるための支援ファンドのための原資を創出することなど到底できないと考えたのです。
私は長年「ライオンズクラブ」に所属しており、これまで2度にわたって会長を仰せつかってきました。実はこの7月からも、昨年度から連続して3回目の会長を務めてくれと要請されて引き受けたばかりなのですが、こうした奉仕活動を通じて痛感しているのは、持続的なサポートの裏には必ず強固な事業基盤が必要だということです。私たちは「事業は事業として毅然と成功させ、その力をもって社会を全力でサポートしていく」という姿勢を崩しませんでした。
そうして2011年、幕張メッセで第1回「インターペット」が幕を開けました。未曾有の緊張感に包まれる中、「果たしてこの状況で、どれほどの人が会場に足を運んでくれるだろうか」と、大きな不安を抱えていました。しかし、ゲートが開くと、私たちの予想をはるかに超える多くの動員を記録したのです。あの時の熱気と、ペットとともに笑顔を取り戻していく人々の姿を見たときの感動は、今でも忘れることができません。それ以来、インターペットは年々その規模を拡大し、今やアジアを代表する巨大な見本市へと成長を遂げました。
しかし、展示会が華やかに発展を続ける一方で、現在の日本のペットを取り巻く市場環境には非常に強い危機感を抱いています。現在、富士経済のデータでは、日本のペット関連市場全体は約1兆5,000億円という規模に達していますが、飼育頭数そのものは減少の一途をたどっています。日本は毎年、人口が約60万人減少し、約160万人が亡くなり、65歳以上の高齢者は29.4%となる超高齢社会です。生まれてくる子供の数は年間70万人を割り込んでいます。
この人口減少に伴う頭数減少の背景には、もう一つ大きな要因があります。それは、全国の小学校や中学校から「学校飼育動物」がほとんど姿を消してしまったことです。かつてはほとんどの小学校にもいたウサギや鶏などの世話を通じて、子供たちは幼少期に命の尊さや動物と触れ合う喜びを学んでいました。しかし今では、管理の負担やアレルギーの問題などから飼育が廃止され、動物の扱い方を子供たちに教えられる教員もいなくなってしまいました。この「幼少期における動物との原体験の喪失」こそが、将来的にペットを家族として迎えようと考える人を減らしている最大の構造的課題なのです。


