稲盛和夫氏から学んだ誠実さと、リーダーの要諦
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#17ドイツに学んだ真の共生社会と、生涯現役で果たすコンサルティングの使命
越村 義雄 2026/07/17
前回述べた、人口減少と学校飼育の崩壊という日本の厳しい現状を打破するためには、次世代のリーダーたちが世界に目を向け、新しいビジネスモデルを主体的に構築していく必要があります。
今年5月、私は10日間の日程でドイツへ赴いていました。目的は、イオンペットの元社長・会長を歴任され、一般社団法人スペシャルワンクルーアソシエーションを立ち上げた小川明宏理事長さんから「これからの日本のペット業界を引っ張る若い次世代のリーダーたちを育てたい。何度も欧州を訪れている越村さんに、ぜひ現地を案内してほしい」と要請されたことです。私は喜んで引き受け、また、昔からお世話になっており、ドイツで活躍されている獣医師の先生と打ち合わせ、ドイツ語の通訳を兼ねた同行をお願いしました。参加者は、若手経営者や現役で活躍している企業の幹部候補生を含めた総勢10名ほどをご案内する目的で、ドイツで隔年開催されるヨーロッパ最大の展示会「インターズー」視察を含めて、様々な動物関連施設の視察ツアーをコーディネートしました。また、各施設における事前の詳細な質問事項も作成させていただきました。さらに、現在の日本の状況に同じく危機感を持っていた東京都獣医師会の上野弘道会長や、日本動物病院協会(JAHA)の宗像俊太郎会長からも「私たちも勉強のために連れて行ってくれ」と頼まれ、お二人も急遽この視察に加わることになりました。
ドイツでの視察は、参加した全員にとって目から鱗が落ちるような強烈な体験となりました。私たちが理想とする「人とペットの真の共生社会」が、そこには当たり前の日常として存在していたからです。
欧米の社会、とりわけ今回訪れたドイツでは、人とペットが完全に同じ空間を共有しています。飛行機に乗れば、国内線国際線ともに、犬たちはケージに閉じ込められることなく、オーナーの足元で静かに「伏せ」の姿勢のまま客室(キャビン)に入ることができます。但し、米国では大型犬も乗れますが、ドイツの場合はキャリーの重さを含めて8kgまでの動物と規定されています。街中のレストラン、カフェ、あらゆるブティックや用品店にも、当然のように犬たちが一緒に入店していきます。極めつけは広大な森の中です。そこではすべての犬たちがノーリード(リードを外した状態)で、オーナーと並んで自由に自然を楽しんでいました。もちろん、それを可能にしているのは、社会全体の高いマナー意識と動物に対する深い理解、そして徹底されたしつけの文化です。日本のリーダーたちにこの光景を直接肌で感じてもらい、そのエッセンスを日本に持ち帰って新たな事業づくりに活かしてもらうこと。それこそが、現在の私に課せられた重要な役割だと考えています。
私は2015年6月に長年勤めたヒルズの職を完全に退任しました。そして翌7月には、即座に「一般社団法人人とペットの幸せ創造協会」と、自身の会社である「国際ビジネスコンサルティング株式会社」の2つを立ち上げ、新たなスタートを切りました。
現役時代は競合関係にあったため、他社のサポートをすることは当然できませんでしたが、退任から1年間の競業避止義務の期間が明けてからは、多くの日本の著名企業からアドバイスを求められるようになりました。ユニ・チャームさんやライオンさんからは特定の重要なプロジェクトにおけるコンサルティングを要請され、ペット関連の卸会社として国内トップを誇るジャペルさんからは、請われて長年にわたり顧問を務めさせていただきました。かつてのライバルたちも含め、私が培ってきた経験や外資系の挑戦的な思考のプロセスを、惜しみなく日本の企業へ注入し、業界の健全な発展に貢献できることは、コンサルタントとして、そして一人の人間として、これ以上ない大きな喜びです。


