韓国の果敢な挑戦に学ぶアジア戦略と、民間が果たす...
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#19桁違いの巨大市場・中国の胎動と、「日中ペット産業振興会」が繋ぐ学術の架け橋
越村 義雄 2026/07/19
日本国内においてペットフード協会の改革や資格制度の創設に奔走する一方で、私の視線は常に、海の向こうで爆発的な変革を遂げつつあるアジアの巨大市場、とりわけ中国へと向けられていました。現在、私は「一般社団法人 日中ペット産業振興会」の会長を務めていますが、そこで日々目の当たりにする中国のペット市場の熱量とスケールは、文字通り桁違いです。
日本の犬猫の飼育頭数が現在1,600万頭弱であるのに対し、中国にはすでに1億5,000万頭ものペットが暮らしています。市場規模で見ても、富士経済の最新データによる日本の約1兆5,000億円という数字に対して、中国はすでに8兆円規模に達しており、間もなく10兆円の大台を突破しようとしています。私が訪れている中国市場の代表的な展示会「ペットフェアアジア」を例に挙げても、日本の「インターペット」の来場者数が約8万人であるのに対し、上海では実に30万人以上が押し寄せます。もちろん人口そのものの違いはありますが、海外企業も多く出展しており、業界全体の成長スピードとエネルギーには圧倒されるものがあります。
この爆発的な市場拡大に伴い、現地の獣医療の世界も急速な進化を遂げています。私は、中国の東西部小動物臨床獣医師大会のトップである賴(ライ)会長と深く交流し、様々な共同ビジネスやプロジェクトを仕掛けてきました。この賴会長が束ねている獣医師のネットワークは凄まじく、彼らが主催する学会が開催されると、一堂に約2万人もの獣医師の先生方が中国を始めアジアおよび欧米から集結します。日本では、いかに大きな学会であっても参加者が2,000人に達すれば大成功と言われる世界ですから、実質10倍の規模です。学会後のレセプションパーティーを開くにしても、現地の一番大きなホテルの大会場でも全員が入りきらず、急遽2つの会場に分散させて同時進行で行うほどです。それほどまでに、中国の獣医療の現場は活気と需要に満ちあふれています。
現在の中国では、不動産セクターなどを中心に経済的な停滞が一部で報じられていますが、ことペット産業に関しては何の影響も受けておらず、非常に順調かつ健全な右肩上がりの成長を続けています。
そして何より特筆すべきは、これほど急成長を遂げている中国の獣医師の先生方が、「日本の優れた知見や最先端の技術から、貪欲に学びたい」と強く願っているという事実です。私はヒルズ時代、日本の獣医師の先生方とともに「日本ペット栄養学会」の立ち上げに関わったほか、元・東京大学教授の辻本元先生(現・日本動物高度医療センター(JARMeC)東京病院院長)らとともに「日本獣医内科学アカデミー(JCVIM)」の創設にも尽力しました。これらは今や、2,000人以上が集まる日本屈指の主要学会へと育っています。
私はこれらの組織をゼロから立ち上げのサポートをしてきた自身の経験を活かし、中国の賴会長とともに、新たな国際プラットフォームとして「アジア小動物臨床栄養学会」を設立することを決めました。今後はこの学術団体をベースにして、アジア全域における小動物の臨床栄養学を体系化し、次世代のスタンダードをこちらから仕掛けていこうと考えています。


