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2026

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    社会を支える献身的な足跡——人間の安全と尊厳を守る「はたらく犬たち」

    #26社会を支える献身的な足跡——人間の安全と尊厳を守る「はたらく犬たち」

    原石からダイヤへ

     現代の社会において、犬たちは単なる家族や癒やしの存在にとどまらず、人間の安全や暮らしを陰で支える大きな役割を果たしています。災害が発生した現場で被災者を懸命に捜索する災害救助犬、事件の捜査や治安維持にあたる警察犬、そして彼らを日々熱心に指導している訓練士の方々。社会のために活躍している犬たちやプロフェッショナルの存在は、私たちの安全な生活を守る上で非常に大きなものだと言えます。

     こうした治安や災害の現場で活躍する犬たちがいる一方で、人間の日常に寄り添い、生活の自立と尊厳を直接的に支えてくれているのが「補助犬」です。私は補助犬協会の理事も務めておりますが、目の不自由な方を導く盲導犬、耳の不自由な方に音を伝える聴導犬、体がうまく動かせない方の手足となる介助犬の存在は、当事者の方々にとって計り知れないほど大切なものです。しかし大変残念なことに、補助犬を必要とされている方々のニーズに対して、私たちが現在お届けできているワンちゃんはまだ「1%未満」という非常に厳しい状況にあります。

     さらに根深い課題は、補助犬に対する社会の理解不足です。法律上は、盲導犬や介助犬、聴導犬はどこの公共施設や飲食店などの商業施設にも入れると定められています。しかし現実には、お店に行った際に同伴を断られてしまうという悲しいケースがいまだに報告されているのです。これらは「困っている人たちの力になるために、正しい訓練を受けた補助犬が一緒にいるのだ」という正しい知識が、まだ社会に浸透していないことが原因です。人間だけで良い生活ができるわけではありません。ワンちゃんたちに助けられ、支えられて生活できている方々がいるという事実を、私たちは正しく理解していかなければならないのです。

     こうした人と動物の共生、そして補助犬に関する教育を、今の日本の学校では先生方が全く教えていないという現実は非常に大きな問題です。世界に目を向ければ、ドイツでは1841年というはるか昔から、学校の先生がしっかりとした教科書を用いて「人とペットの共生の授業」を行っています。過去の歴史を振り返れば、日本でも徳川綱吉の時代に命を大切にするような法律が作られたことがありました。当時はまだ現代的な共生というレベルには達していませんでしたが、あの時代を起点に日本も独自の進化を遂げていればよかったものの、残念ながら教育や文化の面で大きな進化が見られなかったことは非常に悔やまれます。

     実はかつて、ドイツの素晴らしい教科書が日本に持ち込まれ、環境省が一度翻訳したことがありました。私はそこから日本の学校でも授業が行われるようになるのではないかと大いに期待したのですが、結局は翻訳されただけで、そこから先は何も動いていません。本来であれば、環境省と文科省が積極的に話し合いを重ねて教育現場へ落とし込むべきですが、日本の行政はどうしても自分の省のことにフォーカスしがちで、縦割りの予算配分や省庁間の横の連携、コラボレーションがうまくいっていないのが正直な現状です。

     こうした縦割りの壁を打破し、政治の世界において欠けている横の連携をうまく図るためには、総理大臣がリーダーシップを発揮してきっちりと主導していくことが求められます。各省庁が手を取り合い、国全体でしっかりと連携を進めることができれば、もっとより良い社会が実現できるはずです。学校教育の中で子どもたちが命の共生を学び、補助犬を伴う方々が何不自由なくお店や施設を利用できる社会インフラを整えていくこと。人間と犬たちが手を取り合い、互いに助け合って生きていく真の共生社会の実現へ向けて、国や地域が一体となった働きかけが今こそ必要なのです。

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