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9/27(日)

2026年

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    【独自レポ】天皇御一家も御出席された第28回日本臨床獣医学フォーラム(JBVP)年次大会。人と動物の共生を目指す2日間

    【独自レポ】天皇御一家も御出席された第28回日本臨床獣医学フォーラム(JBVP)年次大会。人と動物の共生を目指す2日間

     一般社団法人日本臨床獣医学フォーラム(JBVP)が主催する「第28回年次大会2026」が、2026年9月26日(土)、ホテルニューオータニ東京(東京都千代田区紀尾井町)にて開幕した。

     26日、27日の2日間にわたり開催される今大会のテーマは、 「心震わす、出会いと学びを —もっと考えよう 伴侶動物との暮らし どうぶつにやさしい医療—」 。会場には、全国から多くの獣医師、愛玩動物看護師、アニマル・ケア・スタッフ(ACS)、獣医学生、そして一般来場者たちが集い、最新の獣医療技術や人と動物の共生社会に向けた熱い議論が交わされた。本記事では、初日に行われた注目のプログラムについて詳報する。

    開会式と天皇御一家の御出席:動物愛護と共生社会への高まる期待

     初日の午前11時45分、宴会場階「鶴」の展示会場中央にて開会式が執り行われ、2日間に及ぶ学術と市民交流のビッグイベントがスタートした。

     本大会において大変印象的であったのが、天皇御一家のお姿があったことである。日頃より動物愛護や人と伴侶動物の絆に深い関心をお寄せになられている天皇皇后両陛下、ならびに敬宮愛子内親王殿下は、会場で真剣な眼差しで講演に耳を傾けられていた。そのお姿からは、獣医療の発展や動物福祉の向上が、単なる専門領域にとどまらず、豊かな社会づくりに向けた大切なテーマであることが改めて窺えた。

    重点レポート:市民プログラム「愛犬と街に出よう! ペットパスポート・プロジェクト」

     26日午後に開催された市民プログラムの中で、会場の注目を集めたのが 「愛犬と街に出よう!人とペットが、もっと一緒に暮らせる社会へ —ペットパスポート・プロジェクト—」 と題された講演セッションである。

     本セッションには、公益財団法人日本ヘルスケア協会(JAHI)で「人とペットの共生によるワンヘルス部会」の部会長を務める越村義雄氏、共立製薬株式会社の福島正晴氏、ヤマザキ動物看護大学准教授の秋山順子氏が登壇した。冒頭、越村氏は欧米のように愛犬とレストランや商業施設、交通機関へ当たり前に同伴できる社会の実現に向け、同協会が商標登録を持つ「ペットパスポート」を活用した取り組みの構想を力強く提示した。

    【越村氏講演】社会目標と産業目標の提示

     越村氏は、自身が率いる部会の目標として大きく2つの軸を挙げた。

     (1)社会目標:ペットと安心して暮らせる環境を整備するとともに、介護費の抑制や認知症リスクの低下といったペット飼育がもたらす健康効果の社会啓発を行う。フィンランドでは認知症患者が動物と暮らすことでQOL低下が緩やかになるデータも発表されているという。

     (2)産業目標:減少傾向にある犬の飼育頭数を増加に転じさせ、人の健康維持に不可欠なヘルスケア産業としてペット関連市場の周知と振興を図る。

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    「入れる」から「安心して利用できる」場所へ

     制度発足の背景について、越村氏は施設側と飼い主側双方の不安要素を分析した。施設側には「衛生面」や「無駄吠え・噛み付き」への懸念があり、飼い主側には「愛犬が適切に行動できるか」「安心して利用できるか」という不安が存在する。

     越村氏は、「単に『入れる』という段階から、人とワンちゃんが『安心して利用できる』段階へ持っていきたい」と強調。共通ルールを設けて信頼関係を構築するため、愛犬の健康管理や社会性・マナー、飼い主の適正飼育と周囲への配慮を求めていく姿勢を示した。さらに、最も信頼の置ける専門家として日本動物病院協会(JAHA)やしつけ・トレーニングの専門家と連携し、プロジェクトを推進する方針を明かした。

    認定制度から「社会運動」への発展を目指す

     越村氏が描くロードマップは、レストランやホテル、観光施設、公園などの受入促進から始まり、最終的に「共生社会」の実現を目指すものである。

      「受け入れる社会と、責任ある飼い主を同時に作っていくのがペットパスポート制度」 と語った越村氏。獣医師、愛玩動物看護師、トレーナー、ペット関連企業、飲食・宿泊・観光業者、行政、そして飼い主が一体となり、単なる認定制度にとどまらない大きな「社会運動」へ発展させていきたいと強く訴えかけた。

    【福島氏講演】データで見る日本の課題と「ペットパスポート」がもたらす具体的ソリューション

    続いて登壇した共立製薬株式会社の福島正晴氏は、日本のペット業界が直面する現状データと、課題解決に向けた具体的な制度設計について解説した。

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    犬の飼育頭数「約半減」の危機と「3つの不安」

     福島氏は、2025年時点の国内の犬の飼育頭数が20年前からほぼ半減している厳しい現実に言及。価格高騰に加え、公共スペースや移動手段など「社会参加できる環境の不足」が大きな要因だと指摘した。

     欧米と比べて一律禁止や個別判断が多く一貫性を欠く日本の現状を変えるため、同氏は「ペットパスポート」を通じた仕組みづくりを提案。推進にあたっては、以下の「3つの不安」への配慮が不可欠だと語った。

    1. 店舗側の不安:アレルギー・衛生面や事故発生時の責任。

    2. 飼い主側の不安:愛犬の興奮やマナー、入店拒否のプレッシャー。

    3. 一般客(非飼育者)の不安:毛の飛散や過去の恐怖体験、マナー違反への不快感。

     福島氏は 、「ペットパスポート」は、単なるしつけの点数化ではなく、ワクチンの接種状況、公共の場での行動、飼い主のマナー意識を総合的・客観的に評価する仕組みである と語る。

     提携病院やしつけ教室での検定を経て「認定ペア」を増やし、受け入れ店舗や自治体と好循環を生み出していく構想を説明。講演の最後には、2030年までに「16市区町村」「取得者数1万5000名」「パートナー店舗3200店」という具体的な数値目標を掲げ、業界を超えた支援を呼びかけた。

    【秋山氏講演】現場視点から探る「ペットパスポート」の判定基準と実証実験

     続いて登壇したヤマザキ動物看護大学准教授の秋山順子氏は、人と動物の関係学やアニマルセラピー研究の専門的見地から、ペットパスポートの具体的な「認定基準」や「評価の考え方」、そして実際の飲食店を想定したデモンストレーションについて解説した。

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     秋山氏は、飲食店などで求められるのは「犬が指示に従えるか」だけではなく、「店内で落ち着いて過ごせるか」「飼い主が犬の状態やストレスサインを把握して適切に対応できるか」であると説明。見かけ上静かにしていても、緊張で体が硬くなったり周囲を警戒したりする変化に飼い主が気づき、適切に距離を取るなどの配慮ができるかが極めて重要となる。そのため、ペットパスポートでは犬単体ではなく「人と犬双方のペア」を一体として認定する方針を示した。

    飲食店を想定したデモンストレーション

     講演後半では、JAHA(日本動物病院協会)のCAPP活動(動物介在活動)で認定を受けている2組のペア(小型犬・中型犬)が登壇し、実際の飲食店利用を想定したデモンストレーションが実施された。

     実演では、「入店時に一歩立ち止まって周囲を確認する」「犬同士を無闇に近づけず距離を保つ」「リードを通路に出さないよう足元や椅子の上(敷物を使用)に居場所を作る」「店舗スタッフは正面から近づかず飼い主に声をかけて安全な距離で接する」「退店時は入り口での鉢合わせを避けるため交差を回避する」といった、具体的かつ実践的なマナーや環境づくりのポイントが提示された。

     秋山氏は 「認定証を発行すること自体がゴールではない。犬を同伴したい人、受け入れる施設、一般の利用者、そして犬自身にとって、誰もが無理なく安心して社会参加できる環境を作ることが真の目的である」 と結び、今後の実証実験に向けた力強い展望を語った。

    獣医療の最前線から市民講座まで:多様なニーズに応える多角的なプログラム構成

     本大会は、獣医師向けの高度な専門講座から、愛玩動物看護師の技術向上、一般市民向けの知識啓発まで、極めて多層的なプログラムで構成されている点も特徴だ。

     専門領域においては、皮膚病学、救急医療、軟部外科学、画像診断学、腫瘍学、神経病学など多岐にわたるセッションが実施された。特に、グローバルな視点を取り入れたプログラムが盛況となり、また、愛玩動物看護師やアニマル・ケア・スタッフ(ACS)向けの実習講座や、「高齢犬に必要な入院看護ケア」「アセスメント思考の基礎と実践」などの看護・ケア現場に直結する講義も充実しており、チーム獣医療の底上げを目指す熱気が会場全体に満ちていた。

    まとめ

     「第28回JBVP年次大会」は、単なる学術集会の枠を超え、天皇御一家の御出席にも見られる社会的な関心の高まりと、「ペットパスポート」のような未来志向の社会提案が交錯する、極めて意義深い場となった。伴侶動物が人間の暮らしや健康に与える恩恵を科学的に捉え直し、病院から街中まで「どうぶつにやさしい」環境をどのように構築していくのか――27日まで続く本大会の議論は、これからの日本における人と動物の共生社会のあり方に明確な道筋を示すものとなりそうだ。

    #JBVP#JBVP年次大会#日本臨床獣医学フォーラム#越村義雄#日本ヘルスケア協会#ペット共生社会

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