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10/11(土)
2025年
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ビジョナリー編集部 2025/10/10
2025年10月4日、高市早苗氏が自民党の新総裁に就任しました。自民党結党から70年、女性として初めての総裁になります。後日行われる臨時国会で首相に指名されれば、日本初の女性総理大臣が誕生する見込みです。
この記事では、高市氏の経歴や信条、どのような政策が期待されるかを紹介していきます。
奈良県出身の高市氏は、いわゆる「政治家一家」ではありません。父は会社員、母は警察官という家庭に育ち、神戸大学時代にはヘヴィメタルバンドでドラムを担当。激しい演奏でスティックを折ってしまうので、何本も持ち歩くほどの熱意で演奏に打ち込んでいました。
大学卒業後は松下政経塾で政治の基礎を学び、アメリカ下院の民主党議員事務所でインターンも経験。さらに、テレビ局のキャスターとしても活躍した異色の経歴を持ちます。
1992年、奈良選挙区から無所属で初出馬しました。しかし、このときはあえなく落選。翌年再び挑戦し、見事トップ当選を果たします。ここから高市氏の“挑戦”の物語が始まりました。
高市氏が尊敬する人物は、英国の元首相マーガレット・サッチャー。「日本のサッチャーになる」という信念を公言してきました。その姿勢は、保守本流への強い意志と、時に批判を受けるほどの一本筋の通った言動に表れています。
例えば、男系男子による皇位継承の維持を訴え、夫婦別姓や同性婚には慎重な姿勢を示しています。伝統や価値観を守る保守派として、党内外から一目置かれています。一方で、「キャリアを諦めなくても済む社会を作りたい」とも語っており、女性や家庭、介護に関する政策提言にも積極的です。
実は高市氏自身、人生で3回の看護や介護を経験しています。「だからこそ、育児や介護でキャリアを諦める人を減らしたい」と強く訴えます。自らの経験をもとにした政策提案には、現場を知る目線が活きています。
高市氏は、故・安倍晋三元首相の側近としても知られています。安倍政権下で女性初の政調会長や総務相を歴任。「積極財政」「大胆な金融緩和」「成長投資の拡大」というアベノミクスの方針を、さらに推し進める考えを明確にしています。具体的に高市氏が抱える政策の柱を見ていきましょう。
高市氏は、これまで複数の閣僚ポストを経験しました。特に総務相としての在任期間は歴代最長です。時に物議を醸す発言や、党内外との鋭い対立もありましたが、それでも一貫して「国益第一」「現場主義」を貫いてきました。
党運営においても、「全員活躍・全世代総力結集」を掲げ、世代や立場を超えたチーム作りを目指しています。そして総裁選で競った候補者や、これまで党内で異なる立場を取ってきた人材も積極的に登用する可能性を示唆しています。
また、連立与党の公明党や他党との協議も重視。「しっかり議論し、納得できる形を作る」と、現実的な連立拡大にも意欲を見せています。
高市新総裁は、バンドマンやテレビキャスターを経て政治家となるという多様な経歴を持ち、サッチャー流のリーダーシップを理想とし、保守本流の価値観を大切にしながらも、社会課題には現実的な対応を目指しています。
また、物価高や生活不安、医療・福祉といった課題に対して迅速に対応しつつ、中長期的な構造改革も視野に入れた経済政策を掲げています。党内外の多様な人材を積極的に登用し、連立や他党との協力も柔軟に進めることで、全世代・全員活躍の政権運営を目指しています。
高市新総裁の挑戦が、これからの日本社会にどんなインパクトをもたらすのか。女性初の自民党総裁が切り拓く時代を、ぜひこれからも注目していきたいと思います。