
13歳少年が命を落とした“生ラーメンチャレンジ”...
9/6(土)
2025年
SHARE
ビジョナリー編集部 2025/09/05
夏のレジャーといえば、海水浴を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。しかし、海での楽しいひとときが、クラゲに刺されることで一転、痛みやかゆみ、時には命に関わる事態になるケースもあります。
ある調査では、海水浴客の約3人に1人がクラゲに刺された経験があることが明らかになっています。特に、家族や友人と過ごす貴重な夏の思い出を守るためにも、正しい対処法と予防策を身につけておくことは非常に重要です。
本記事では、クラゲに刺された際の応急処置から、症状の見極め方、そして刺されないための具体的な予防策まで、知っておきたいポイントを解説いたします。
海で突然クラゲに刺されると、パニックに陥りがちです。しかし、最も大切なのは慌てず冷静に行動することです。刺されたと感じたら、すぐに海から上がり、波打ち際や砂浜などの安全な場所に移動してください。
刺された直後は、ショック症状やめまいを起こすこともあり、水中にいると溺れる危険性が高まります。
刺された部分を無意識にこすったり、触ったりしてしまう方が多いですが、これはNG行動です。
クラゲの触手に残る「刺胞(しほう)」という毒針が、こすることで破裂し、さらに多くの毒素が体内に入り込む可能性があります。
応急処置として、患部は必ず「海水」で優しく洗い流しましょう。真水(飲料水や水道水)で洗うと、浸透圧の違いで刺胞が刺激され、逆に毒素を放出しやすくなります。
砂や異物が付着している場合も、こすらずに海水で丁寧に洗い流してください。
皮膚にクラゲの触手や刺胞が残っている場合は、ピンセットやゴム手袋を使い、そっと取り除きます。素手で触れるのは絶対に避けましょう。
もしピンセット等がない場合は、無理に取ろうとせず、海水で洗い流すだけにとどめ、速やかに医療機関を受診してください。
炎症やかゆみを和らげるためには、海水を入れたビニール袋や氷で15分程度冷やすのが効果的です。
一部のクラゲ(例:ハブクラゲ)の毒は40~45℃程度の熱湯で分解されるため、専門家の指示があれば温める方法もありますが、やけどに注意し、種類が分からない場合や熱源が確保できない場合は冷やす方が安全です。
「どのクラゲに刺されたか」で症状や対処が大きく変わります。日本近海でよく見られる代表的なクラゲの特徴を整理します。
日本の海で最も多く見られるクラゲ。透明な傘と、中央のクローバー状模様が特徴。毒性は弱く、子どもや敏感肌の方以外は軽いかゆみ程度で済むケースがほとんどです。
日本海沿岸を中心に8月ごろ多発。無色透明な体と長い触手が特徴。ビリビリとした痛みがあり、複数回刺されるとアナフィラキシーショックのリスクも。
本州太平洋沿岸で春から夏にかけて出現。青紫色の浮き袋が特徴的で、見た目は美しいですが猛毒を持ちます。死骸やちぎれた触手にも毒があるため、絶対に触れないでください。
沖縄全域に5月〜10月に出現。強力な毒を持ち、刺されると激痛、腫れ、時に命に関わる重症例も。沖縄での海水浴時は特に警戒が必要です。
赤い縞模様が特徴。強い痛みを伴い、特に乾燥した触手が風で舞い上がって「ハクションクラゲ」とも呼ばれることも。
触手の先が鉤状。時間差で痛みやしびれが現れ、重症例では呼吸障害や痙攣も報告されています。
以下の症状が見られた場合は、速やかに医療機関を受診してください。
特に顔や口周りの腫れ、全身症状はアレルギー反応やショックのサイン。救急車を呼ぶなど迅速な対応が必要です。
軽症の場合、かゆみや炎症を抑えるために抗ヒスタミン成分配合の塗り薬や内服薬が有効です。腫れや赤みが強い場合は低用量のステロイド外用薬も選択肢となりますが、使用前に薬剤師や登録販売者に相談してください。
ただし、自己判断で長期間市販薬を使い続けるのは避け、症状が改善しない場合は必ず病院を受診しましょう。
クラゲが多発する時期(梅雨明け〜夏)や地域では、海水浴場がクラゲ注意報を出していることがあります。
ラッシュガードやウェットスーツなど、肌の露出を最小限に抑える衣類を着用しましょう。特に小さなお子さんには、全身を覆うタイプの水着が効果的です。
市販のクラゲ除けクリームを肌に塗ることで、クラゲの毒が浸透しにくくなります。使用方法や効果は商品によって異なるため、説明書をよく読んで正しく使いましょう。
SNSや海水浴場の公式情報、現地のライフセーバーから最新のクラゲ出現状況を確認することも重要です。
目視できない透明なクラゲ(アンドンクラゲなど)が増える夏場は、特に注意が必要です。「今日は大丈夫だろう」と油断せず、常に警戒心を持って海に入ることが大切です。
知識があれば、海はもっと楽しく、もっと安全な場所になります。
今年の夏は、しっかりと対策をして、思いっきり海のレジャーを満喫してください。