「ゼクシオ」を育て、松山英樹をサポートした男。ダ...
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「ゼクシオ」を育て、松山英樹をサポートした男。ダンロップスポーツマーケティング新社長が語る、ヒットの秘訣と未来への熱い想い(後編)
ビジョナリー編集部 2025/10/29
担当はプロから若手育成まで。成績好調な時にかけられたひと言
プロ担当としては、松山英樹プロや山下美夢有プロなど、トッププロとの契約も手がけられていますね。
松山英樹プロや山下美夢有プロ、岩井姉妹プロもそうですが、ボール契約を結んでいただきました。海外のプロに関しては、アメリカの担当者と連携しながら、契約金などの交渉に関する指示を出していました。実力のあるプロは当然ながら各メーカーによる争奪戦となるため、時には親御さんに直接お会いし、「ぜひお願いできないか」と粘り強く交渉することもありました。
松山英樹プロへの主なサポートとしては、プロが求める性能を備えたクラブやボール、用品類の提供を継続的に行ってきました。私が担当していた際は、現場担当者と開発・技術部門との橋渡し役を担い、松山プロがより注目され、人気が高まるような仕掛けや販促物の企画にも取り組みました。たとえば、販促物では松山プロの見え方に工夫を凝らし、ブランド価値の向上を図りました。
契約交渉においては、松山プロのご要望を丁寧にすり合わせ、可能な限り反映させることで、信頼関係の構築に努めました。
プロ担当の仕事は、日本のトップアマチュアやジュニアの有望選手にも及びます。ジュニア時代から見守ってきた選手がプロとなり、私たちのクラブやボールで優勝してくれる瞬間は、本当に嬉しく、大きなやりがいを感じる瞬間です。
同時に、主催トーナメントの担当も兼任していました。例えば、日本で最も規模の大きい男子トーナメントである「ダンロップフェニックストーナメント」や、「ミヤギテレビ杯 ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント」などです。前者では、大会の実行委員長を3年間務めさせていただきました。ちょうど2023年が記念すべき第50回大会で、それが最後の担当となりました。さまざまなイベントの調整や、少々わがままな方々の対応など(笑)、あの1週間は本当に大変でしたが、やりきったという達成感がありました。大成功でしたね。
私がプロ担当をしていた時期は、たまたまかもしれませんが、プロの成績が非常に好調で、日本の人気女子プロの優勝の半分以上が、私たちの契約プロという状況でした。それにもかかわらず、国内の販売実績は思うように伸びませんでした。「これだけプロが活躍しているのに、なぜ売上が上がらないんだ。おかしいじゃないか」と私が言っていたところ、「じゃあ、お前がやれ」と(笑)。それがきっかけで、昨年4月に株式会社ダンロップスポーツマーケティングに移り、今年9月からは全体を見る立場として、株式会社ダンロップスポーツマーケティング社長に就任いたしました。
「スポーツを通じて日本を元気に」
社長として、今後の展望と世界戦略における貴社の役割をどうお考えですか。
まず、私はこれまでも、そしてこれからも、与えられた仕事を目いっぱい取り組むということをモットーにしています。そこでしっかり結果を残すということが私の主義で、その姿勢は、今後も変わることはありません。
また、私たち株式会社ダンロップスポーツマーケティングは、住友ゴム工業株式会社スポーツ事業本部の日本国内市場を担う販売会社です。世界各国のマーケティングは、神戸にある住友ゴム工業株式会社スポーツ事業本部が統括し、アメリカ、中国、タイ、マレーシア、オーストラリアなど、各地の販売会社がそれぞれの国を担当しています。
その上で、日本国内の責任者として私が目指すのは、「スポーツを通じて、日本の国民に元気になってほしい」 ということです。少子高齢化が進む中、スポーツビジネスを取り巻く環境はますます厳しくなっていくでしょう。しかし、だからこそ私たちは、優れた製品とサービスを提供することで、一人でも多くの方にスポーツを楽しんでいただき、心も体も健康になっていただく。そのお手伝いを広げていきたいと考えています。
当社の企業理念は、「スポーツを愛する人のココロを動かし、笑顔をつくる」 です。まずはこの理念を社員一人ひとりに深く浸透させ、そして取引先様、エンドユーザーの皆様へと広げていく。それが、社長としての私の最も重要な取り組みだと考えています。
与えられた仕事に全力で取り組み、結果を残す。そのモットーを胸に、これからも挑戦を続けていきます。

