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2025

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    空港から地方を体感!体験型ショップ&カフェ・和蔵場~Wakuraba~とは

    空港から地方を体感!体験型ショップ&カフェ・和蔵場~Wakuraba~とは

    羽田空港が、日本の地方創生を担うべく新たな挑戦をしている。

    空港から地方創生への挑戦

    地域課題が深刻化する中、全国各地で「地方創生」への取り組みが活発化している。そうした中、羽田空港という日本の空の玄関口を活用し、地域の魅力や産品を、国内外へ多様なかたちで発信し続けているのが、羽田空港のシンクタンク

    羽田未来総合研究所(Haneda Future Reserch Insititute : HFRI)

    である。 記事内画像

    なぜ地方創生に取り組むのか

    2023年の日本の名目GDPは、ドイツに抜かれ、世界第4位に転落し、国力の低下が現実のものとなりつつある。

    少子高齢化や生産性の低迷、優秀な人材の海外流出が続く中、国内経済の再活性化は、目下の課題となっている。

    羽田未来総合研究所は、羽田空港を単なる交通拠点ではなく

    『国際的なハブ』
    『地域の情報発信拠点』

    と捉え、ここに地方創生への可能性を見出した。

    同社の代表取締役社長執行役員・大西氏は

    「空港から日本各地に根ざすものづくりや生活文化を発信し、生活文化や観光を産業化することで、新たな経済循環を創出することができるのではないか」

    「地方発の成長モデルを構築し、持続可能な国づくりへ貢献することが当社の目指すところである」

    と語る。

    参考記事:「空港を最終目的地に」HANEDAから創る日本の未来

    地方の魅力を世界へ発信する「和蔵場~Wakuraba~」

    羽田未来総合研究所の取り組みは、単なる物産展や観光誘致にとどまらない。

    空港を情報と交流のハブと捉え、地域とのパートナーシップを築きながら、新たな事業や販路を生み出していく──そのような角度から、地方と都市をつなぐアプローチを進めている。

    その取り組みを象徴する場所が、羽田空港第2ターミナル1階に展開する地方創生をテーマにした

    体験型ショップ&カフェ【和蔵場~Wakuraba~】

    である。

    ・羽田空港の和蔵場~Wakuraba~ 記事内画像

    「都市で地方の魅力に触れる」 ──和蔵場は、まさにその実践例だ。

    和蔵場では、日本各地の特産品や文化、食の魅力を発信している。それは単なる物販ではなく、年間を通じて、地方自治体と連携したさまざまなイベントやプロモーションを展開し、地方の生産者と都市の生活者が出会う“共創の場”を提供しているのだ。

    一つの例が、かごしま農業女子による、販売イベントおよび鹿児島フェアである。

    記事内画像

    生産者とお客様を直接結びたいという和蔵場のコンセプトから、農林水産省が取り組む農業女子プロジェクトへのサポートという形で和蔵場での取り組みがスタートした。

    中でも、鹿児島県の農業女子プロジェクトがすべての活動の中で主導的かつ積極的な役割を果たしていたこと、また、羽田未来総研が鹿児島県と包括連携協定を締結したこともあり、まずは鹿児島農業女子とのコラボレーションを積極的に進めることになった。

    和蔵場では、2022年12月から現在にかけて、全国各地の女性農業従事者による生鮮品や加工品の販売イベントを累計18回実施している。参加地域は鹿児島・山形・愛知・岐阜・青森・栃木・千葉など多岐にわたり、和蔵場を通じて、生産者とお客様が直接対話し、商品や地域の魅力をリアルに伝える場を提供している。

    中でも最も多く開催したのが、「かごしま農業女子プロジェクト」である。同プロジェクトは、農林水産省が2013年にスタートした「農業女子プロジェクト」に参画する、鹿児島県在住の女性農業者による情報発信・販路開拓の取り組みである。和蔵場ではこれまでに、同プロジェクトとのコラボイベントを累計10回開催し、空港利用者や観光客などの来場者が相次いだ。

    イベントでは、鹿児島県産の新鮮な柑橘類や伝統野菜、無添加の加工食品などが並び、空港利用者や観光客から「現地の食をその場で体験できる」「生産者の声が直接聞けて信頼できる」といった好評の声が多数寄せられた。

    また、2025年5月16日~18日の3日間、鹿児島・知覧でお茶農家を営む「さくら知覧」の若松氏を講師に迎え、店舗内で参加者が実際に新茶をブレンドしてみるワークショップを開催した。

    お茶にあまり馴染みのない人にも、その奥深さや魅力を知ってもらいたいという思いから、一般向けの企画として行ったものだ。参加者からは「こんなに種類があるとは思わなかった」「自分だけのブレンドティーが作れるのは楽しい」といった声が多く寄せられた。

    和蔵場では、今後も全国各地の産品をテーマにしたワークショップを今後も積極的に開催し、実際に現地を訪れてもらえるような仕組みづくりを進めていく予定だという。そして、羽田空港という国際的な交流拠点を活かし、女性農業者のチャレンジや地域資源の魅力を発信していく。

    進化する地方創生

    和蔵場では、前述の取り組みのほかにも、数多くのユニークなイベントを実施している。次回以降もその様子を取り上げていく。

    羽田空港というハブから地方の魅力を発信することで、新たな経済の循環と人の流れを生み出す挑戦。

    都市と地方、国内と海外を結ぶ“交差点”として、空港の価値がますます注目されていくことだろう。

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