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2026

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    ガソリンスタンドの倒産・廃業が過去最多ペースで急増する背景とは?「給油難民」問題と生き残りをかけた業界の未来

    ガソリンスタンドの倒産・廃業が過去最多ペースで急増する背景とは?「給油難民」問題と生き残りをかけた業界の未来

     多くの人にとって欠かせない移動手段である自動車ですが、その燃料を補給するガソリンスタンドが街から姿を消しています。日常的に利用していた最寄りの店舗が突然閉店し、遠方まで移動せざるを得なくなった人もいるかもしれません。

     本記事では、2026年9月に発表された最新のデータをもとに、減少している原因や社会的な影響、そして今後の展望についてわかりやすく解説します。

    5年連続で増加する倒産・廃業と店舗数の半減

     帝国データバンクが2026年9月に公表した調査データによると、2026年1月から8月までに発生したガソリンスタンド運営事業者の倒産および休廃業・解散は計144件に達しました。これは前年同期を1割上回るペースであり、同期間としては過去10年で最も高い水準となっています。さらに、倒産・廃業の増加は5年連続となっており、この10年間で全国から約1,700社もの事業者が姿を消しました。

     経済産業省資源エネルギー庁の統計をみても、全国のガソリンスタンド(SS:サービスステーション)数は1994年度のピーク時に約6万店存在していましたが、現在は約2万6,000店まで減少しています。ピーク時から半分以下に縮小した計算となり、現在も年間数百店規模で減少が続いています。

    撤退が加速する原因

     撤退に歯止めがかからない背景には、経営努力だけでは克服が難しい要因があります。

     まずは、ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)の普及、ならびに低燃費車の拡大による「脱炭素化と需要の減少」です。自動車1台あたりの燃料消費量が減ったことで、来店頻度と給油量がともに低下し、ガソリン販売そのもので利益を上げることが難しくなっています。

     また、店舗運営を直撃している「人件費と光熱費の高騰」もあります。運営には危険物取扱者の資格を持つスタッフの確保が不可欠ですが、深刻な人手不足に伴う人件費の上昇が経営を圧迫しています。加えて、電気代の高騰も収益性を低下させる要因となっています。

     さらに、「事業者の高齢化と後継者不足」があげられます。全国の事業者の多くは中小・個人の地場企業です。経営者の高齢化が進む中で親族や社内に後継者が見つからず、業績が破綻する前に事業を閉じる「黒字廃業」を選択するケースも増加しています。

     「設備の老朽化と莫大な改修費用」も大きな要因です。消防法の改正に伴い、設置から年数が経過した地下タンクの漏れ防止対策や改修が義務付けられました。数千万円規模にのぼる設備更新費用を捻出できず、改修期限を機に廃業を決断するケースも見られます。

    全国へ拡大する「給油難民」と災害時のリスク

     この動きは、「車への給油が不便になる」というだけではない問題を引き起こしています。

     懸念されているのが、市町村内に給油所が数店舗、あるいはゼロになってしまう「SS過疎地」の拡大です。地方部では最寄りのガソリンスタンドまで片道15〜20キロ以上走らなければならない場所もあり、移動そのものにコストと時間がかかる「給油難民」が増加しています。これは日常生活だけでなく、物流インフラの維持にも大きな打撃を与えています。

     災害時において「地域の防災拠点」としての役割を担っているため、停電時でも緊急車両や住民の車両へ優先的に燃料を供給できる社会インフラとしての対応力そのものが低下してしまうリスクも高まっています。

    変化するガソリンスタンドの未来

     厳しい環境下にある業界ですが、時代の変化に対応した新しい姿への模索も始まっています。

     これからは、「燃料を給油する場所」から「地域の生活・移動を支える総合複合拠点(マルチステーション)」へと変容していくと考えられます。具体的には、洗車・車検・中古車買取といった自動車関連サービスの強化に加え、コンビニエンスストアやカフェなどを併設し、給油以外の収益源を確保する動きも見られるかもしれません。

     また、脱炭素社会に向けて、EV急速充電器の設置や将来的な水素ステーション、合成燃料(e-fuel)の供給拠点へと設備を刷新する取り組みもあります。行政側でもSS過疎地対策として補助金制度の拡充や、自治体が施設を保有して民間に運営を委託する「公設民営方式」の導入など、インフラ維持に向けた地域ぐるみでの支援も見られます。

    終わりに

     業界や地方だけの問題ではなく、移動のあり方やエネルギー政策、災害対策の未来像を突きつけるテーマとして、ガソリンスタンドの減少は大きな影響があります。

     「いつでも・どこでも給油できる」ことが当たり前とされてきましたが、これからの時代は、エネルギーの供給基盤を社会全体でいかに維持し、共存していくかという視点が欠かせません。普段の暮らしの中で利用している店舗の価値を再認識するとともに、行政・事業者・消費者が一体となって持続可能なエネルギーインフラの形を模索していく時期に来ているのではないでしょうか。

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