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2025

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    あなたの番号が狙われている?巧妙化する迷惑電話の手口と最新対策

    あなたの番号が狙われている?巧妙化する迷惑電話の手口と最新対策

    「突然、見知らぬ番号から電話がかかってくる。出てみると無言のまま切れてしまう──」 こうした経験は、いまや決して珍しいものではありません。迷惑電話や詐欺を目的とした電話は年々増加しており、特別な知識がなくても、誰もが思いがけず巻き込まれてしまう身近なリスクとなっています。

    情報化が進む現代では、私たちの電話番号が知らないうちに第三者の手に渡り、悪用されるケースも少なくありません。個人だけでなく、家族や職場、企業や自治体にまで影響が及ぶこともあります。

    では、私たちはどのようにして迷惑電話のリスクから身を守ればよいのでしょうか。本記事では、迷惑電話が増えている背景や巧妙化する手口を整理しながら、今日から実践できる具体的な対策や、万が一の際の相談先までをわかりやすく解説します。

    増え続ける迷惑電話

    トレンドマイクロ(サイバーセキュリティ対策を手がける大手企業)の調査によれば、スマートフォンに登録されていない番号からの着信のうち、実に4件に1件が迷惑電話や詐欺電話だったというデータもあります。なぜこれほどまでに迷惑電話が増えているのでしょうか。

    その一因は、情報社会の進展とともに私たちの電話番号が以前よりも簡単に“見つかりやすく”なっていることにあります。ダークウェブや人名検索サイト、SNSへの登録情報の公開、さらには企業やサービスからの情報漏洩――こうした経路を通じて、気付かぬうちに自分の番号が悪用されていることも珍しくありません。

    また、過去に迷惑電話に出てしまったことがあると、その番号は「ターゲットにしやすい番号」として共有され、さらなる迷惑電話の標的になるリスクも高まります。

    迷惑電話の“多様化”と巧妙な手口

    迷惑電話の種類や手口は年々多様化・巧妙化しています。単なる営業や勧誘電話だけでなく、架空料金請求や還付金詐欺、個人情報の聞き出しを狙った調査詐欺、ワン切りによる高額通話料詐欺、無言や暴言を伴ういたずら電話まで枚挙にいとまがありません。

    また、近年急増しているのが国際電話を使った手口です。「+1」「+44」「+86」など国番号が付いた着信や、「0800」「050」といったIP電話やフリーダイヤルを悪用した詐欺電話が目立ちます。たとえば、アメリカやイギリス、中国からの着信を装い、「未納料金がある」「このままではサービスが止まる」と脅迫的な自動音声ガイダンスを流し、個人情報や金銭をだまし取ろうとする事例も増えています。

    実際に、「+」から始まる国際電話に応答したところ、無言で切られたり、身に覚えのない会社を名乗り高額な支払いを要求されたりした相談が、消費生活センターや警察に数多く寄せられています。特に高齢者や日中自宅にいることが多い方は、こうした犯罪の標的になりやすいという統計も出ています。

    企業にも広がる迷惑電話のリスク

    迷惑電話の脅威は個人だけではなく、企業や自治体にも被害が広がっています。例えば、ニュースがきっかけとなり、海外から大量の嫌がらせ電話が企業や公的機関に殺到するケースが実際に起きています。これにより、業務の生産性が著しく低下したり、顧客対応ができなくなったりするだけでなく、従業員の精神的負担やモチベーション低下も無視できません。

    また、行政機関や取引先を装い、巧妙に従業員や企業情報を聞き出そうとする詐欺も増えています。一度でも情報が漏洩すれば、その後の取引や会社の信用に大きなダメージを与えるリスクも高まります。

    迷惑電話に巻き込まれないための対策

    では、こうした迷惑電話のリスクから自分や家族、そして組織を守るにはどうしたらよいのでしょうか。

    知らない番号には“出ない・折り返さない”

    迷惑電話対策の基本は、見知らぬ番号からの着信には安易に応答しないことです。たとえ留守電にメッセージが残っていても、すぐに折り返さず、その番号をネットで検索してみましょう。多くの場合、同じ番号から迷惑電話を受けたという報告や口コミが見つかります。

    また、海外からの着信で心当たりがない場合は、詐欺の可能性が非常に高いので特に注意が必要です。国番号が「+1」(アメリカ・カナダ)や「+44」(イギリス)、「+81」(日本国内からのなりすまし)などの場合でも、安易に応答しないことが肝心です。

    個人情報は“絶対に伝えない”

    万が一電話に出てしまった場合でも、名前や住所、生年月日、銀行口座などの個人情報は絶対に伝えないようにしてください。自動音声によるガイダンスで「○番を押してください」と指示されても、従わずにすぐ切ることが大切です。

    スマホや固定電話の“ブロック機能”を活用

    最近のスマートフォンには、知らない番号からの着信を自動的に留守番電話に転送したり、着信拒否できる機能が標準搭載されています。iPhoneであれば「不明な発信者を消音」や「通話スクリーニング機能」、Androidでも迷惑電話ブロック機能が利用可能です。また、通話内容を自動文字起こししてくれる「ライブ留守番電話」も便利です。

    加えて、各キャリアが提供する「あんしんセキュリティ」「迷惑電話撃退サービス」などのアプリを活用すれば、最新の迷惑電話番号データベースをもとに着信時に警告を表示してくれます。警察庁の「デジポリス」アプリには、2025年から国際電話ブロック機能も追加されていて、国際電話経由の詐欺にも有効です。

    固定電話の場合は、常時留守番電話に設定する、ナンバー・ディスプレイサービスを活用して着信番号を確認する、迷惑電話対策機能付きの電話機を導入するといった方法が有効です。さらに、国際電話の利用を休止する手続きも無料で可能です。必要であれば「国際電話不取扱受付センター」に連絡してみてください。

    SNSやネット上での“情報公開”にも注意

    自分の電話番号がダークウェブや検索サイトに出回ってしまうと、迷惑電話の被害リスクは飛躍的に高まります。特にSNSで電話番号を公開したり、インターネット上のプロフィールに記載したりすることは避けましょう。

    電話番号を“変更”する

    どうしても迷惑電話が止まらない場合は、電話番号を変更することも一つの選択肢です。ただし、新しい番号を知人や関係者に周知する手間がかかるため、他の対策を講じても効果がないときの最終手段として検討するとよいでしょう。

    迷惑電話対策を“家族や職場”で共有しよう

    迷惑電話のリスクと対策は、個人だけでなく家族や職場全体で共有しておくことが大切です。特に高齢者やスマートフォンに不慣れな方には、迷惑電話の特徴や対策方法を丁寧に伝え、実際に着信があった場合の対応方法を一緒に確認しておくと安心です。

    企業の場合は、従業員向けに不審な電話への対応マニュアルを整備し、金銭や情報提供を求められた場合のルールを徹底しましょう。不審な電話があれば必ず管理者に報告する体制を整え、被害の拡大を未然に防ぐことが重要です。

    万が一、被害に遭ってしまったら

    もし迷惑電話に応答して個人情報を伝えてしまったり、金銭をだまし取られたりした場合は、すぐに消費生活センターや警察に相談してください。消費者ホットライン「188」や警察相談専用電話「#9110」、迷惑電話対策相談センターなど、相談窓口を活用しましょう。早めの相談が被害の拡大防止につながります。

    まとめ

    迷惑電話のリスクは、テクノロジーの進化とともにますます巧妙化・多様化しています。しかし、私たち自身が最新の対策や情報を身につけ、「知らない番号には出ない」「個人情報は伝えない」「ブロック機能やアプリをフル活用する」などの対策をとることで、多くの被害を未然に防ぐことができます。

    「うちは大丈夫」「自分はだまされない」と考えるのではなく、日々のちょっとした注意と備えが、あなた自身と大切な人、そして組織や職場を守る最大の防御策となるのです。ぜひ今日から、最新の知識で防犯意識を高めてみてはいかがでしょうか。

    #迷惑電話#詐欺電話#電話詐欺#迷惑電話対策#詐欺対策#スマホセキュリティ#個人情報保護#情報漏洩

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