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2025

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    固定電話の今と未来――防犯・信頼・コストで考える賢い選択

    固定電話の今と未来――防犯・信頼・コストで考える賢い選択

    スマートフォンが主流の現代ですが、実は固定電話の需要が再び高まっています。 背景には、増加する特殊詐欺への対策や、企業・店舗の信用獲得の必要性、そして光回線・クラウド電話の普及による“導入ハードルの低下”があります。

    本記事では、固定電話の種類、防犯効果、歴史、導入費用までをコンパクトに解説します。

    ※記事内の情報は2025年12月時点のものです。

    固定電話の種類と特徴

    NTT加入電話(アナログ回線)

    停電時でも使える場合が多く、災害時の強さとクリアな通話品質が大きな特徴です。インターネットを介さないため安定性が高く、長年同じ番号を使うことで企業の信用にもつながります。ただし月額は比較的高く、メタル回線は2035年頃に維持限界を迎える見込みです。

    光電話(IP電話)

    光ファイバーを利用する低コストな固定電話で、「ひかり電話」などが代表例です。月額500〜1,500円程度で固定番号を維持でき、個人・企業とも使いやすい選択肢です。停電時や回線混雑時に影響を受ける点には注意が必要です。

    クラウドPBX(クラウド電話)

    PBXをクラウド化した企業向けサービスで、スマホやPCから会社番号を利用できます。テレワーク・多拠点運用に強く、初期費用を抑えられるのがメリットです。ネット障害時に使えないリスクがあり、事業者により品質差があります。

    なぜ今、固定電話の需要が再び高まっているのか

    1. 防犯面での効果が高い

    特殊詐欺の多くは“携帯番号への直接連絡”から始まるため、固定電話で着信を管理することでリスクを下げられます。最新機種には迷惑電話の自動拒否や録音機能が搭載され、詐欺対策として非常に有効です。スマホより防犯機能が充実している場合もあります。

    2. 固定番号は「信用力の証明」

    企業や店舗にとって、固定番号は所在地や実在性を示す重要な情報です。固定番号の有無で、問い合わせ率や顧客の安心感が大きく変わることも少なくありません。採用活動や営業活動でも“固定番号の企業は信頼できる”という印象を得やすいため、今もビジネスの基盤として重視されています。

    3. 実はコストを抑えやすい

    IP電話やクラウドPBXの登場により、固定番号を安価で維持できる時代になりました。月額500円台〜で利用できることも多く、中古の電話加入権を使えば初期費用も抑えられます。スマホの台数を増やすより、固定番号を導入した方が安いケースもあります。

    かつて“財産”だった電話加入権の歴史

    1970年代には5〜8万円、民営化直後には7万2000円と、電話加入権は高額な「社会インフラへの出資」として扱われてきました。売買や譲渡も可能で、担保に使われることもある“財産”でした。

    しかし光回線や携帯電話・IP電話の普及により需要は激減し、現在では1,000円台で取引される程度となっています。国税庁も評価対象外としており、現在は導入費用の障壁は大きく下がっています。

    固定電話の導入費用

    アナログ回線(NTT加入電話)

    • 施設設置負担金:36,000円
    • 契約料:800円
    • 月額:2,000円台〜
    • 標準工事は無料(特殊工事のみ追加)

    光電話(IP電話)

    • 初期費用:光回線工事に準ずる(1万円前後〜)
    • 月額:500〜1,500円
    • 通話料:全国一律8.8円/3分前後

    クラウドPBX

    • 初期費用:無料〜数万円
    • 月額:1,000円台〜
    • スマホアプリ利用で追加費用のケースあり
       

    費用を抑えるなら「中古加入権の利用」や「光回線とのセット割」、工事不要の「クラウドPBX」などが有効です。

    防犯機能付き電話機は“家庭の新常識”に

    最新の防犯電話は、迷惑電話の自動ブロック、通話の自動録音、緊急時のワンタッチ通報などの機能を備えています。

    シャープ「てもたん」搭載機種は大音量や光で着信を知らせ、パナソニックの電話機は「迷惑電話相談」機能で第三者確認が可能です。

    価格帯は1〜2万円ほどで、詐欺対策としての費用対効果は高いといえます。自治体によっては補助金制度もあり、導入しやすい環境が整っています。

    固定電話を導入すべきケース・再検討すべきケース

    導入をおすすめしたい方

    • 高齢の家族を詐欺から守りたい家庭
    • 信頼性の高い連絡先が必要な企業・店舗
    • 多拠点・リモート中心の会社(クラウドPBXが有効)

    再検討してもよいケース

    • スマホのみで十分、コスト優先の個人
    • アナログ回線の将来性が気になる場合
    • 長期利用を想定しない場合

    まとめ

    固定電話は、スマホが普及した現在でも「防犯」「信頼」「コスト」の観点から再評価され、需要が高まり続けています。詐欺対策や企業の信用力向上、災害時の安心、テレワーク対応など、現代ならではのメリットが多数存在します。

    単なる“古い通信手段”ではなく、固定電話は今もなお、私たちの安心と信頼を支える重要なインフラとして進化し続けているのです。

    #固定電話#ビジネス電話#IP電話#クラウドPBX#ひかり電話#電話加入権#電話回線#防犯対策#迷惑電話

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