
「経営は下りのエスカレーターだ」――赤字牧場を再...
9/30(火)
2025年
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ビジョナリー編集部 2025/09/25
DIY初心者からプロの職人まで、あらゆる層の顧客を魅了し、2024年にはグループ600店舗を突破したホームセンター大手・コーナン商事株式会社(本社:大阪府大阪市)。日用品から建築資材まで、その圧倒的な品揃えの裏には、どのような秘密が隠されているのだろうか。
その答えの一端を解き明かす一冊の本が、2025年6月26日(木)に発刊された。タイトルは『コーナンの心、コーナンの仲間たち―お客さまをワクワクさせる魔法のつくりかた』。著者は、大学時代に1号店のオープニングスタッフとして参加し、45年以上をかけて現在のコーナンを築き上げた代表取締役社長・疋田直太郎氏だ。本書は、疋田氏の「心」と、約2万人の「仲間たち」の思いを通して、コーナンの強さの神髄に迫る内容となっている。
「お客様から商品の問い合わせを受けた際、一人からの要望であっても真摯に対応します。さらに、複数の要望が重なった時は、ほぼ確実にその商品を取り扱うようにしています」。 コーナンが創業以来、意識している基本姿勢について、疋田社長はこう語る。このような理念を掲げる企業は少なくないかもしれないが、徹底して実践し続けている企業は稀だろう。ここにこそ、コーナンの凄みがある。
1970年代後半のDIYブームを追い風に、同社は顧客のニーズを組織的に吸い上げる体制を構築。イレギュラーな要望にも柔軟に応え、ノウハウを蓄積してきた。その結果が、幅広いラインナップを誇るPB商品の開発や、プロユースに特化した「コーナンPRO」といった専門業態の成功につながっているのだ。
一見非効率にも思える「断らない」姿勢。しかし、試行錯誤を繰り返しながらも、その柔軟な顧客対応を貫き通したことこそが、コーナンを唯一無二の存在へと押し上げた。本書では、その発展の歴史と未来への展望が多角的に描かれているという。第1部では企業哲学と事業展開の全貌が詳細に紹介され、第2部ではグループ会社の社長や現場で活躍する社員へのインタビューを通して、企業理念が現場でいかに具現化されているかに迫っている。「どうやったらお客様をワクワクさせることができるのか」。多くの店舗経営者や従業員が抱えるであろうこの問いに、本書は一つの答えを示してくれるかもしれない。あらゆる要望に応え、「暮らしの総合企業」へと進化を遂げた最強ホームセンターの歩みの中に、そのヒントが隠されている。
『コーナンの心、コーナンの仲間たち』
ISBN:978-4-911540-02-2
定価:1,600円(税別)
判型:A5判変形/並製
発行・発売:ダイヤモンド・ビジネス企画
発刊日:2025年6月26日
【Contents】
第1部 コーナンの心
第2部 コーナンの仲間たち
疋田 直太郎(ひきだ・なおたろう)
1956年大阪府生まれ。78年、大学4年の時にコーナン1号店・泉北店のオープニングスタッフとして参加。翌79年、コーナン商事株式会社入社。取締役店舗運営部長などを経て、91年に副社長就任。店舗開発や営業統括、すべての業務に携わる。2013年、代表取締役社長に就任。21年からは、業界団体の日本DIY・ホームセンター協会の副会長。