Diamond Visionary logo

7/10()

2026

SHARE

    「最初の3年は頭を横に置け」——JACリクルートメント 田崎社長が語る、人が介在する人材紹介の価値とプロフェッショナルの条件

    「最初の3年は頭を横に置け」——JACリクルートメント 田崎社長が語る、人が介在する人材紹介の価値とプロフェッショナルの条件

     人材紹介ビジネスの草分け的存在として、英国創業によるグローバルな視点と、プロフェッショナルなコンサルテーションを武器に成長を続けてきたJACリクルートメント。デジタルマッチングプラットフォームが普及し、採用手法が多様化する現代においても、同社は「人が介在する価値」を高く掲げ、確固たる地位を築いている。バブル崩壊やリーマンショックといった幾多の危機を乗り越え、現在約3,000人規模にまで組織を拡大させた田崎ひろみ社長。経営の根底に流れる「血の通った組織づくり」の哲学と、これからの時代を担う若者たちへの熱いエールを語っていただいた。

    「ブロッコリー方式」で専門性を極める。AI時代における人材紹介の究極の形

    AIやマッチングプラットフォームが普及する中、人が介在する人材紹介の強みと価値についてどのようにお考えですか。

     どんなにIT化が進んでも、世の中のすべての経済活動の根源は「人」にあります。企業の求める人材と候補者をつなぐ上で、私たちが提供しているのは単なるマッチングではなく、プロフェッショナルなコンサルテーションです。JACのプロフェッショナルが、企業で活躍するプロフェッショナルを紹介するために、高度な知識やノウハウを駆使して、企業に最も有力な候補者を探し出す。企業側が気づいていないニーズを汲み取り、「今、こういう人材が必要ですよね」と提案する。それが私たちプロの仕事です。これはAIやネット上のシステムに簡単に真似できるものではありません。

     その強みを支えているのが、私たちが「ブロッコリー方式」と呼ぶ独自の組織体制 です。現在、当社の組織は240強の専門チームに細分化され、現在も増え続けています。大きな一つの幹から枝分かれし、その先端すべてに花がついているブロッコリーのように、業界や職種ごとに分解されたチームには、それぞれ専門性に特化し、深い知見を有したコンサルタントが在籍しています。

    社員一人ひとりがその道のプロフェッショナルであること。この他社には真似できない、プロがプロを紹介する事業を、3,000人という事業規模で実現しているJACは、唯一無二の存在であり、それが当社の圧倒的な強み なのです。

    「選ばれる医者になれ」。危機を乗り越え培ってきた経営の信念

    長年トップとして経営をされる中で、リーダーとして大切にされてきた信念は何でしょうか。

     日々刻々と変化するマーケットの状況を分析して見極め、その中で今、自分たちにしかできない価値を見出し、スピードをもってやっていくこと です。これまでバブルの崩壊やリーマンショックなど、金融危機を発端とした大きな波をいくつも経験してきました。そのたびに、それをどうポジティブにつなげていくかを判断し、スピードをもって次のアクションへとつなげてきています。

     そのための戦略の一つが、特定の業界に偏らないセーフガード(防波堤)の構築です。かつて金融業界やIT業界が活況を呈した際も、その領域に依存するのではなく、常にさまざまな業界のプロフェッショナルを育成し、マーケットが変化しても対応できるように、全体でバランスをとってきました。その結果、環境変化への耐性を高めるとともに、多様な業界のお客さまのニーズにも応えられ、拡大し続けられる組織体制を構築することができるようになりました。

     そしてもう一つ、コンサルタントたちには常に 「患者さんに選ばれる医者になりなさい」 と伝えています。私たちは営業担当ではなく、それぞれの専門領域において、企業からも候補者からも「この人に相談したい」と頼られるプロフェッショナルになること。そのためには、コンサルタント一人ひとりが常に高みを目指し、自己研鑽を続ける必要があると考えています。

    血の通った組織を作る。2時間半の「フロアミーティング」に込める思い

    組織が3,000人規模に拡大した今、社員の方々にその思いをどのように伝えていますか。

     システムだけで会社は作れません。私たちは血の通った仕事をしているからこそ、社員とも血の通った関係を築きたい と思っています。

     そのために、全社員を対象にした「フロアミーティング」を定期的に開催しており、東京本社をはじめ、国内外の各拠点を訪れて実施しています。本社では複数階の社員を200〜300人ごとの単位に分け、フロアごとに行うので、フロアミーティングと呼んでいます。約2時間半かけて、私と取締役最高顧問が社員に直接メッセージを伝えた後、Q&Aセッションを行います。事前に集めた質問には一切の忖度がなく、「どうすれば社長になれますか」といったものから、「朝ごはんは何を食べていますか」といったパーソナルなもの、さらには会社の方針に対する意見までさまざまですが、そのすべてに本音で答えています。

     また、それとは別に、新卒社員とは入社約10ヵ月後に、1回につき8人以下の少人数で食事会を実施しています。200人以上採用しているので、2ヵ月間で約25回になりますが、一人ひとりの顔を見て、「焦らなくていい、私がいつも後ろにいるから」と直接伝えることが重要だと考えているからです。経営トップが自ら機会を設け、直接社員と対話を続けることで、信頼がある強固な企業カルチャーが醸成されている と信じています。

    最初の3年は頭を横に置け。若者たちへ贈る「プロフェッショナル」への道

    最後に、これから社会を担う若い世代に向けてメッセージをお願いします。

     亀のように手足を引っ込めず、勇気を出してチャレンジしてほしい ということです。若い人たちを見ていると、頭で考えすぎて行動に移せない人が多いように感じます。「こんなことを聞いたら恥ずかしいのではないか」「自分には向いていないのではないか」と自問自答ばかりして、手足が出なくなってしまうのです。

     だから私は新入社員に 「最初の3年間は、頭を横に置いておきなさい」 と伝えています。プライドや恥ずかしさを捨てて、まずはがむしゃらに体で仕事を覚える。スポーツでも楽器でも、最初から頭で考えて上手くなる人はいません。不格好でもいいから、反復して経験を積むしかないのです。

     そして、途中で簡単に辞めないこと 。まずは3年間、がむしゃらにやって初めて、仕事の全体像が見えてきます。そこに自分の頭脳を掛け合わせることで、6年、10年と経つうちに本物のプロフェッショナルになれるのです。仕事が楽しくなるのはそれからです。世の中には見るべきもの、経験すべきことがたくさんあります。ぜひ、大志を抱いて自分の限界に挑み続けてください。

    #JACリクルートメント#プロフェッショナル#ビジネス#人材育成#新入社員#コンサルティング#人材紹介

    あわせて読みたい

    記事サムネイル

    「全自動の生命保険」で業界の常識を覆す——ライフ...

    記事サムネイル

    「不合理」の連続が最強の武器になる——トラスコ中...

    記事サムネイル

    「察する力」から「伴走する組織」へ——AI時代に...

    記事サムネイル

    「迷ったら前へ出ろ」下り坂の靴業界を救う大逆転劇...

    Diamond AI trial

    ピックアップ

    Diamond AI
    Diamond AI