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世界的スターが選んだ300円ガチャ──話題の「コーン約指輪」の正体
ビジョナリー編集部 2025/12/15
2025年12月、幕張メッセで開催された「東京コミックコンベンション2025」。ジョニー・デップの大幅な遅刻もニュースになりましたが、思わぬ注目を集めたのが、俳優ジョニー・デップの指元でした。
「コーン約指輪」とは一体何なのでしょうか?そして、そのデザインを手がけたカナイガさんとはどんな人物なのでしょうか。さらに、大人や外国人観光客からも愛されるカプセルトイ市場の進化についても掘り下げていきます。
ジョニー・デップが選んだ「コーン約指輪」の正体
“コーン約指輪”という名前を初めて聞いたとき、その語感の可笑しさに思わず微笑んでしまう方も多いはずです。実はこの指輪、とうもろこし(コーン)と婚約指輪(エンゲージリング)をかけたダジャレから生まれたカプセルトイ。黄色いコーンや粒のチャームがついたデザインで、ユーモラスでありながら、どこか愛らしさを感じさせます。
ジョニー・デップが着用していたのは“ヤングコーン婚約指輪”と呼ばれるバリエーション。300円で販売されていたカプセルトイですが、彼が着用したことで一気にプレミアがつき、フリマサイトでは5,000円以上の高値で出品される現象も起こりました。
実際にこの指輪で本当に婚約したカップルも10組以上いるというから驚きです。SNSでは「世界的スターが、たった数百円のガチャガチャ商品を選ぶなんて!」と大きな反響が広がり、そのユーモアと意外性が多くの人々の心をつかみました。
コーン約指輪をデザインしたのは、食べ物とダジャレをテーマに独自の作品を生み出し続けるアーティスト・カナイガさんです。彼女の創作活動の軸には、「くすっと笑えて、お腹がすくっ」というコンセプトがあります。食材や料理をモチーフにした作品やイラストを得意とし話題を集めています。
たとえば、将棋棋士・加藤一二三棋士もSNSで注文したいと言った、将棋の駒とイチゴのケーキをかけあわせた「いちごの将【ショー】トケー棋【キ】」や、新庄剛志がテレビ番組で紹介したことで「ビッグボス=日ハムバージョン」のコーン約指輪が誕生したエピソードもあります。
カプセルトイ市場は“子どもの遊び”から“大人の文化”へ
日本独自のカプセルトイ文化は今、かつてない盛り上がりを見せています。以前は子どもが駄菓子屋やショッピングモールで楽しむものでしたが、現在は大人や外国人観光客もターゲットになっています。
カプセルトイの最大の魅力は、何が出るかわからない“偶然性”と、手のひらサイズで集めやすい“コレクション性”にあります。日本カプセルトイ協会の調査によれば、市場規模は2024年度に1,410億円(製造元出荷ベース)に達し、前年比20%超の成長を記録しました。コロナ禍で空き店舗に専門店が急増したこと、SNSでの拡散、そしてインバウンド需要が、市場拡大の原動力となっています。
カプセルトイの平均価格も年々上昇し、現在は400円前後が主流。中には1,000円を超える高価格帯商品も登場しています。精巧なフィギュアやアクセサリー、企業コラボ商品、全国の“ご当地ガチャ”など、バリエーションも広がる一方です。近年では、企業が自社製品をカプセルトイ化することでPRやブランド認知拡大を狙うケースも増加しています。
“コーン約指輪”が示したカプセルトイの新たな可能性
「コーン約指輪」は、2021年に発売された当時も注目を集めていましたが、ジョニー・デップの着用によってSNSや若い世代を中心に再び脚光を浴びました。カプセルトイの枠を超え、“日常の中のちょっとした幸せ”や“ユーモアの共有”という新しい価値を体現した事例ともいえるでしょう。
SNSでは再販を求めるリクエストが殺到しています。製造元のブライトリンク社も、「過去の商品が再び注目され、スタッフ一同とても励みになっています」とコメント。今後の再販についても前向きな検討が進められています。
「コーン約指輪」だけでなく、カナイガさんが手がける他のカプセルトイも、ユニークな発想とクオリティの高さで多くのファンを獲得しています。今やカプセルトイは、単なる“おもちゃ”ではなく、世代や国境を超えて愛される日本発の“アート”や“コミュニケーションツール”へと進化しています。
まとめ
「コーン約指輪」のようなカプセルトイの魅力は、日常をほんの少し明るく、楽しくしてくれるところにあります。たとえ数百円の小さなカプセルでも、そこに込められた発想やストーリーが、世界的なスターの心をつかむこともあるのです。
もし街でカプセルトイ販売機を見かけたら、“何が出るかわからない”ワクワク感に身を委ねてみてはいかがでしょうか。あなたの手のひらにも、思いがけない物語が転がり込んでくるかもしれません。


