
「研修は“やった気”で終わっていませんか?」――...
8/21(木)
2025年
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ビジョナリー編集部 2025/08/20
「今月も数字が足りない」「なぜ自分ばかり頑張っているのか」――そんな焦燥感や疲弊を感じたことはありませんか?
成果を出すために全力投球しているはずなのに、なぜか組織の空気は重くなり、誰もが口をつぐみがち。その結果、業績も思うように伸びない。このような悪循環に心当たりがある方は、決して少なくないでしょう。
このような問題の根本には「成果至上主義」の落とし穴があります。そこでビジネスシーンで注目を集めているのが「成功循環モデル」です。
このモデルは、単なる仕事術ではなく、組織やチーム全体のパフォーマンスを持続的に高めるための本質を突いた理論です。
この記事では、成功循環モデルとは何か、そしてビジネスで活用する際に押さえておきたいポイントと注意点を解説します。
成功循環モデルは、MIT組織学習センターの共同創始者であるダニエル・キム教授が提唱した理論です。特徴的なのは、結果だけを追いかけても、本当の意味での成長や持続的な成功を得ることは難しいと説いたことです。成功循環モデルは、組織やチームの状態を「4つの質」で捉えます。
成功循環モデルの「グッドサイクル」とは、「関係の質」から始まる好循環です。
一方で、結果だけを求めてしまうと「結果の質」から悪循環が生まれます。
成果を求めれば求めるほど、成果が遠ざかる――まさにバッドサイクルです。
どんなに優秀な人材が集まっても、信頼や心理的安全性がなければ、力は発揮されません。Googleの研究でも「生産性の高いチーム」の最大要因は心理的安全性であることが明らかになっています。
ビジョンや目標を明確にし、チーム内で共有しましょう。
思考の質を高めた後は、行動の質を高めて成功循環モデルを改善していきましょう。
結果の質が向上しても、正しく認識できなければ成功循環モデルは改善されません。プロセスと結果を正しく評価していきましょう。
「やればやるほど報われる」という実感が、グッドサイクルを加速させます。
「関係の質を高める」と聞くと、
“みんな仲良く、叱るのはNG”
“対立や意見の衝突は避けるべき”
と思いがちですが、それは大きな誤解です。
本当の心理的安全性とは、間違いは指摘し合い、意見の違いを率直にぶつけ合える関係です。
“言いたいことも言えずに流されるだけ”の組織は、単なる「ぬるま湯」に過ぎません。逆に、結果だけを追い「ミスしたら即叱責」「失敗は許さない」という組織も、イノベーションや成長は生まれません。
この挑戦には価値があると納得することで、自然とチャレンジ意欲が高まります。
成果を出すために成果だけを追い続けるのは、実は最も成果から遠ざかる方法です。
関係の質を高めることから始まり、思考→行動→結果の好循環を生み出す――これが、持続的に強い組織をつくる王道です。
そして、注意したいのは「関係が良い=甘やかす」ではないということです。
心理的安全性と適度なストレッチ目標を意識して、「安心して挑戦できる緊張感のある職場」こそが、真に成果の出せるチームをつくります。
あなたの職場でも、ぜひ「成功循環モデル」のサイクルを回し始めてみてはいかがでしょうか。