
相手に響く話し方「PREP法」を身につけよう
8/29(金)
2025年
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ビジョナリー編集部 2025/08/25
社会人になり、数年経つとふと「自分はもうこれ以上成長しないのでは?」と感じたことはありませんか?実はこの考えこそが、あなたの可能性を狭めてしまっているかもしれません。
「人は成人すると心の成長が止まる」──この常識が今、覆されつつあります。
いま、ビジネスパーソンの間で注目を集めているのが「成人発達理論」です。この理論を知ることで、あなた自身も、そして組織も、今まで想像していなかった新たな成長の扉を開くことができるかもしれません。
本記事では、「成人発達理論とは何か」から、「ビジネスでどう活かすべきか」まで、具体例を交えながら分かりやすく解説します。
成人発達理論は、ハーバード大学のロバート・キーガン教授らが提唱した理論です。
その核心は、「人は成人後も、生涯にわたり心や知性、意識を発達させ続けることができる」というシンプルなものです。
かつては「大人になったら成長は止まる」という固定観念が根強くありました。しかし、脳科学や心理学の進歩により「人は何歳になっても成長可能」と科学的にも裏付けられています。
成人発達理論は、社員研修、チームビルディング、リーダー育成など、ビジネスの現場で存在感を増しています。
「成長」と聞くと「知識が増える」や「スキルが上がる」といったイメージが強いかもしれません。しかし、成人発達理論では「成長」を2つの軸で捉えます。
「人間としての器」が大きくなるイメージです。例えば、若い頃は受け入れられなかった意見や価値観が、年齢や経験を重ねることで自然に受け入れられるようになる──こうした質的な変化が「垂直的成長」です。
ポイントは、「どちらか一方」ではなく「両方の成長」が必要だということです。
成人発達理論では、人の知性は心の成長とともに変化し、3段階に分類されるとしています。
多くの企業では知識やスキルの向上(=水平的成長)に力を入れがちです。たとえば、資格取得やOJT、セミナー受講などがそれにあたります。しかし、知識やスキルをつけるだけでなく、器の大きさや物事の多面的な捉え方を伸ばすこと(=垂直的成長)も大切です。
例えば、同じ営業スキルを持っていても、「異なる価値観を尊重できる」「失敗も成長の糧にできる」人材は、組織の中核を担う人材として、より期待ができます。成長には、「水平」と「垂直」の両輪が不可欠です。
人は誰しも、思い込みや固定観念に縛られがちです。成人発達理論では成長を妨げてしまう考え方を以下のように定義しています。
自分の潜在意識にある固定観念に気付き内省することが、成長のきっかけとなります。
批判的内省は、必ずしも一人で行う必要はありません。例えば、上司と部下の1on1ミーティングは、内省を深める絶好の場です。
成人発達理論では、人の成長・発達には「5つの段階」があると提唱しています。
成人発達理論の段階には優劣はありません。それぞれの段階に、その段階なりの強みがあり、役割があります。
重要なのは「今の自分(または部下)がどの段階にいるか」を把握し、その特性を活かしつつ、次の成長を促すことです。
成人発達理論の「段階」は、短期間で簡単に飛び越えられるものではありません。 たとえば、他者依存型の社員が、いきなり自己変容型のリーダーに成長することは簡単なことではありません。
地道にやり続けることが、実は一番の近道です。
知識やスキル(水平的成長)は「資格」「成果」として可視化しやすいですが、器の大きさや認識の変化(垂直的成長)は、数字で測れません。
段階や成長には個人差があります。同じ年齢や役職でも、成長のスピードや特性は人それぞれです。
個人が成長しても、組織に「変化を受け入れる文化」がなければ活かされません。経営層やマネジメント層が率先して成人発達理論を学び、実践することが重要です。
成人発達理論は、「大人になっても人は成長できる」ことを示した理論です。知識やスキル(水平的成長)だけでなく、器の大きさや認識の変化(垂直的成長)を磨くことが、これからのビジネスパーソンには不可欠です。
この成長のマインドセットが、あなたのキャリアも、組織の未来も、大きく変えていきます。
今日から一歩、新しい自分へ。変わり続ける力を、あなた自身の武器にしてみませんか?