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40周年を迎えた「ねるねるねるね」――子どもの遊び心を今も動かし続ける理由
ビジョナリー編集部 2026/06/02
誕生から40年目の節目を迎え、限定商品やアニバーサリープロジェクトが話題を集める「ねるねるねるね」。かつて夢中になった子どもたちが大人となり、今や親子二世代で楽しむ姿も珍しくありません。なぜこの知育菓子は、世代を超えて愛され続けているのでしょうか?
周年プロジェクトと限定コラボが生む再燃の理由
40周年を迎える2026年、記念プロジェクトが次々に打ち出されています。歴代のパッケージをモチーフにしたキラキラシール付き限定版や、初代の味を再現した「復刻メロンの味」など、ファンの心をくすぐる企画が目白押しです。SNSでは「懐かしい」「親子で一緒に作った」という投稿があふれています。
新しいフレーバーの開発に子どもやファンの声を積極的に取り入れる姿勢が、今のトレンドとマッチし、世代を超えて新たなファン層を取り込んでいます。開発元のクラシエでは「みんなでつくる」プロジェクトを始動し、味やトッピングのアイデア募集を実施。こうした双方向のコミュニケーションが、40年経ってもフレッシュな魅力となっているのです。
意外な開発ストーリーと誕生の舞台裏
誕生のヒントは、子どもたちが砂場で泥を混ぜて遊ぶ姿にありました。1986年、開発担当者がふと目にした「夢中で泥を練る」子どもの手つきから、「混ぜる楽しさ」をお菓子にできないかと着想が膨らみました。当時は駄菓子が20円、30円で買えた時代。そんな中、100円という高価格で登場し、社内でも「売れないのでは」と懸念されたそうです。
ところが、発売直後から子どもたちの心をつかみ、瞬く間にヒット商品へ。粉を水と混ぜると色が変わり、ふわっと膨らむ不思議さが「魔法のお菓子」として話題に。伝説となった魔女のCMも人気を後押ししました。「作る」「遊ぶ」「食べる」すべてを体験できる新しいジャンルの菓子として、知育菓子ブームの先駆けとなりました。
最大の逆境を越えて――“怪しさ”から“安心”への大転換
1990年代から2000年代にかけて、「ねるねるねるね」は大きな壁に直面しました。売り上げがピーク時の半分近くまで落ち込み、「体に悪そう」「食べ物で遊んではいけない」といったネガティブなイメージが保護者の間で定着しつつありました。さらには、子どもたちの味覚の変化にも対応しきれず、「すっぱすぎる」「よく分からない」といった声も増加。“怪しさ”が時代の変化とともに不安材料に変わっていったのです。
この危機を乗り越えるため、2011年に大規模なリニューアルが実施されました。パッケージには保存料・合成着色料を使っていないことを明記し、裏面で「なぜ色が変わるのか」「どうして膨らむのか」という科学的な解説も添えられるようになりました。味も時代に合わせて酸味を抑え、より親しみやすい甘さに改良。こうした施策が功を奏し、V字回復を実現。知育菓子としての地位を再び確固たるものにしました。
色が変わり膨らむ仕組み
今も昔も変わらない、商品の最大の特徴は、粉を水で練るだけで色が変わり、ふんわりと膨らむ不思議な変化です。この現象、紫キャベツにも含まれる「アントシアニン」という色素が、酸性・アルカリ性によって色を変える性質を利用しています。子どもだけでなく大人も「理科の実験みたい」とワクワクするこの仕組みは、科学の基礎的な現象を自分の手で体感できるものなのです。
膨らむ理由は重曹とクエン酸の化学反応によるもの。水を加えて混ぜると二酸化炭素が発生し、その泡が生地をふわふわに膨らませます。実際に自分で作って食べてみることで、科学やものづくりへの興味が自然と芽生えていきます。親子で学びながら楽しめる知育菓子として、教育現場でも注目を集める存在となっています。
大人も虜――多様化とグローバルな広がり
「ねるねるねるね」は、子どもだけのものではありません。かつてのファンが大人になり、「大人のねるねるねるね」シリーズもヒットしています。ワインをイメージしたぶどう味や、プレミアム感のあるスイーツ風フレーバーなど、20〜30代の世代を中心に人気が拡大しています。友人や家族と一緒に楽しめる大容量タイプ「DXねるねる」も登場し、ホームパーティーやイベントでの需要も高まっています。
また、日本のポップカルチャーを象徴する商品として、海外でも注目度が上昇。観光客の“お土産”としても人気を誇り、現在はアジアや欧米を中心に14カ国以上で展開されています。ご当地限定フレーバーも続々と登場し、北海道の「ミラクルメロン味」や沖縄の「パイン味」など、地域の特色を活かした商品開発も進んでいます。
未来を見据えて――知育菓子の新しい役割
クラシエが掲げる新たな知育菓子のブランドメッセージは、「らしく、のびていく。」。子ども一人ひとりの個性を大切にし、失敗も楽しみながら違いを認め合う力を育むことを目指しています。正解のないお菓子づくりを通じて、小さな達成感や自己肯定感を養う体験は、現代の子育てにおいてますます重要性を増しています。
実際、教育現場での活用も進んでおり、「知育菓子先生®」による実践授業では、子どもたちが自ら混ぜて変化を観察し、科学への興味や創造性を高める取り組みが行われています。さらに、服薬補助食品「おくすりパクッとねるねる」の開発など、医療や福祉のシーンへもその価値は広がりを見せています。
40年という長い歴史の中で、時代や保護者の価値観の変化に柔軟に対応し、世代を超えて愛され続けてきた「ねるねるねるね」。これからも、お菓子という枠を超えた新たな知育体験を社会に届けていくことでしょう。


