
子どもの未来を変える「食育」の力──今こそ見直し...
9/9(火)
2025年
SHARE
ビジョナリー編集部 2025/08/19
「10年以上も学校で英語を勉強したのに、外国人と話すと何も言えない……」
あなたも、そんな経験をしたことはありませんか?
あるいは、「英語が話せたら世界が広がるのに」「子どもには英語で苦労させたくない」と願っているかもしれません。
なぜ、日本人はこれほどまでに英語の習得が難しいのでしょうか?
ヨーロッパやアジアの他国では、多くの人が複数の言語を自在に使いこなしています。
その違いは、一体どこから生まれているのでしょうか。
本記事では、日本の英語教育の実情とその課題を整理し、海外での言語学習の実態も交えながら、「明日からの学び方」を提案します。
ぜひ、あなた自身やご家族の英語学習のヒントにしてください。
まずは、現状を数字で見てみましょう。
2019年、IIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)が全国の20〜50代のビジネスパーソン500人に「英語学習の実態と意欲」を調査したところ、53.6%が「英語が好き」と答えた一方で、**69.0%が「英語が苦手」**と回答しています※1。
また、日本人のTOEICスコアや英語能力指数は、アジア24カ国中14位、世界111カ国中80位と、決して高いとは言えません。
中学・高校で10年近く英語を学んでも、日常会話すら苦手と感じる人が大半なのです。
この現実に直面すると、「やっぱり日本人は英語が苦手な民族なのか」と感じてしまうかもしれません。
しかし、そもそもなぜここまで英語が身につかないのか、理由を探ってみましょう。
日本の英語教育は、「読み書き偏重」「文法中心」が長年のスタイルです。
リスニングやスピーキングの機会が圧倒的に少なく、「頭ではわかるけど聞き取れない」「話せない」状態に陥りやすいのです。
その結果、カタカナ英語しか発音できない、ネイティブの話す英語には太刀打ちできない……という人が多くなっています。
英語を学ぶ目的が「入試の点を取るため」になりがちです。
授業は文法・単語・長文読解が中心で、コミュニケーションツールとして英語を使う訓練がほとんどありません。そのため、受験が終わると英語に興味を失う人も多く、「話す」英語に結びつきません。
英語の文章を見たらまず日本語に訳す、という習慣が根付いています。
しかし、実際の会話では、英語を英語のまま理解する「英語脳」が不可欠。
和訳を介すると、反応が遅れたり、スムーズな会話が難しくなります。
言語学習には「量」が欠かせません。
英語習得には2,000~3,000時間が必要とも言われていますが、日本の小中高の必修英語授業を合計しても、せいぜい500時間程度。圧倒的に学習時間が足りていません。
日本社会では、英語を使わずに一生を終えることも珍しくありません。日常生活で英語を話す必要がなく、学校の外で英語に触れる機会もごくわずかです。
英語教師の中にも「自信がない」「海外経験がない」方が多い現実もあります。本場の英語に触れたことがない先生から、実践的な英語力を学ぶのは簡単ではありません。
せっかくネイティブのALTがいても、授業の一部でしか活用されていない学校が多いです。「生きた英語」に触れるチャンスが、十分に活かされていないのです。
日本人が英語を苦手とする理由は、教育環境だけではありません。
日本語と英語は、構造や発音、リズムなどが大きく異なるため、そもそも習得の難易度が高いのです。
このように、英語と日本語は言語的に「遠い」存在です。
英語と似た構造を持つヨーロッパ諸国の言語話者に比べ、どうしてもハンデがあるのは事実です。
では、世界の国々はどうやって英語や他言語を身につけているのでしょうか?
例えばオランダや北欧諸国では、小学校低学年から英語教育が始まります。しかも、教科書や教材は学校が独自に工夫し、「楽しい」「自分のため」の学びが重視されています。
ヨーロッパは国々が近く、移民も多いため「多言語環境」が当たり前。親世代も英語が得意なので、家庭でも英語に触れる機会が多いです。
また、授業では「会話」「ディスカッション」「プレゼンテーション」など、実践的なコミュニケーション重視。間違えることを恐れるより、積極的に話すことが評価されます。
韓国では、小学3年生から英語が義務教育に組み込まれ、週3回の英語授業が当たり前。ディベートやプレゼンなど「使う英語」が重視されています。
中国でも、都市部では小学1年生から英語教育が始まり、週4回以上の授業がある地域も。
「聞く・話す」のトレーニングが積極的に取り入れられています。
ここまでで、「なぜ日本人は英語が苦手なのか?」の理由が見えてきました。では、どうすればこの壁を乗り越えられるのでしょうか?
言語の「音」を聞き分ける能力(リスニングや発音の基礎)は、7歳くらいまでが最も伸びやすいとされています。
家庭でも英語の歌やアニメ、絵本を積極的に取り入れると良いでしょう。
英語は「受験のための知識」ではなく、「意思や情報を伝える道具」です。ディスカッションやプレゼン、実際に話す場を増やすことで、自然と“使える”英語が身につきます。
学習時間の不足を補うためにも、英会話教室やオンライン英会話、YouTubeや海外ドラマの活用など、「自宅で実践的に学ぶ」習慣を持ちましょう。
シャドーイング(英語音声の後をそっくり真似して発音する)は、リスニング・スピーキング力の両方を鍛えます。
また、英語版マンガや小説を読むのも、楽しみながら語彙や表現を増やせる方法です。
日本人は「失敗を怖がりすぎる」傾向があります。
でも、英語は間違いながら身につくもの。「通じればOK」「どんどん話してみよう」という気持ちで、積極的にチャレンジすることが上達への近道です。
日本人が英語の習得に苦労するのは、
が重なっているためです。
しかし、世界の学び方を参考に、「音」「会話」「実践」「楽しさ」を重視した方法に切り替えれば、誰でも確実にレベルアップできます。
最初は小さな一歩で十分です。「英語は苦手」と思い込むのではなく、「英語は使ってみるもの」と考えてみませんか?
これからの時代、英語力は大きな武器になります。ぜひご自身やご家族の未来の可能性を広げるため、“日本流”から“世界流”への小さな変化を始めてみてください。