株式会社ドットミー（本社：東京都千代田区、代表取締役社長：知念孝祥ジョナサン）が運営するウェルビーイングブランド「Cycle.me（以下、サイクルミー）」は、香港の地場スーパーマーケット「YATA（香港一田）」とパートナーシップを組み、香港での販売を開始しました。

香港では、健康志向の高まりと日本ブランドへの信頼感を背景に、大きな市場機会が広がっています。中でもYATAは「Japanese Lifestyle Store（日本のライフスタイルストア）」をコンセプトにしており、日本の「品質」「サービス」「ライフスタイル」を香港の消費者に届けることを目指しています。

YATAとのパートナーシップをきっかけに、当社は今後、香港でのさらなる展開とアジア各国や米国での販売も視野に入れて取り組んでまいります。

![img](https://storage.diamondv.jp/photos/inserted/8BjquWkKQuuXke42T9kLjK/1c6e479b-0b56-488f-af60-f3813ddf7b7b.jpg)

## インバウンド人気が生んだ海外展開
今回、海外進出のきっかけとなったのは、日本を訪れた海外旅行者（インバウンド）からの声。日本国内のコンビニエンスストアで手に取った旅行者から「香港でも購入したい」との声が寄せられたことで、海外展開の第一歩として香港市場に参入する運びとなりました。

また、サイクルミーは2024年、「Pentawards」や「The Dieline Awards」にてゴールド賞ほか世界的デザインアワードを複数受賞しており、「時間で選ぶ、おいしい栄養。」というユニークなコンセプトが国内外を問わず多くの生活者の共感を呼んでいます。  
世界中で健康意識が高まるなか、Cycle.meは栄養素の提案を通じて一人ひとりのライフスタイルを整え、日常をより豊かにするウェルビーイングブランドとして、今後も国内外のさらなる展開を目指してまいります。

サイクルミー、デザインアワード受賞についての
[プレスリリースはこちら](https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000086969.html)

## 食生活・健康への意識とともに時間効率を重視する香港
### YATA Andrew Chief Commercial Officerコメント
3月14日よりサイクルミー商品の販売を開始していますが、予想以上に多くのお客様に手に取っていただいています。

近年、香港でも日本と同様に健康意識は高まっており、特に体重管理を中心とした食後の身体ケアには需要を感じています。一方で、食品と栄養素の関連性はまだまだ啓蒙の余地がありますので、今後は販売マーケティングも含めドットミーと協力し、栄養素についての分かりやすい情報を香港の生活者にも伝えていきたいと思っています。

### サイクルミー担当者コメント
香港では、仕事やキャリアに対する意識が高く、多くの家庭で共働きが一般的となっており、家政婦を雇用し家事・育児を外部へ委託する家庭も多いと伺いました。こうした背景から、忙しい毎日の中で時間効率もよく、ライフスタイルの質を追求する形で栄養が摂取できるサイクルミー商品は相性が良いと考えています。香港の方々にもっと商品を受け入れていただけるよう、企画・販促に一層取り組んでまいります。

## 香港での販売概要

### 販売商品
- フルーティプロテイン（グレープ、パイナップル＆ゴールドキウイ）
![img](https://storage.diamondv.jp/photos/inserted/8BjquWkKQuuXke42T9kLjK/ee2afcd3-0de9-4365-bd10-9f9936611751.jpg)
- グアー豆食物繊維がとれるゼリープラス（ライチ、マスカット*） *今後販売予定
![img](https://storage.diamondv.jp/photos/inserted/8BjquWkKQuuXke42T9kLjK/93ad39bb-270e-4926-a065-524769e615a5.jpg)
- ムーンミルク（シナモン＆カモミール、ジンジャー＆ルイボス）
![img](https://storage.diamondv.jp/photos/inserted/8BjquWkKQuuXke42T9kLjK/09dd2d8d-553a-4c03-90a4-12a7bfad75f4.jpg)

### YATA（やった）
![img](https://storage.diamondv.jp/photos/inserted/8BjquWkKQuuXke42T9kLjK/088722f0-3d38-4771-8bac-b268011942d5.jpg)
YATA（やった）は、香港を拠点とする日本のライフスタイルストアです。高品質な日本食品や生活雑貨を豊富に取り揃え、日本の「おもてなし精神」と現代的なショッピング体験を融合させた店舗展開を行っています。新鮮な食材、こだわりの輸入商品、季節ごとのフェアなどを通じて、香港のお客様に本格的な日本のライフスタイルを提供しています。

## 会社概要
### 株式会社ドットミー
![img](https://storage.diamondv.jp/photos/inserted/8BjquWkKQuuXke42T9kLjK/8045f851-fa8a-4bac-8507-e2366496ac82.jpg)
「自分らしく生きる、をつくる。」をミッションに、ウェルビーイングブランドの開発・運営を行う三井物産発のスタートアップ企業。ライフスタイルに寄り添った商品を通じて、すべての人の健康的な生活をサポートしています。

ホームページ：[https://dot-me.co.jp/](https://dot-me.co.jp/)

### Cycle.me
![img](https://storage.diamondv.jp/photos/inserted/8BjquWkKQuuXke42T9kLjK/289605f1-16e5-4c94-8019-2f13988366f5.jpg)
「時間で選ぶ、おいしい栄養。」を提案するウェルビーイングブランド。朝・昼・夜それぞれのライフスタイルに合わせた栄養習慣を提供します。

ブランドサイト：[https://cycle.me/](https://cycle.me/)

株式会社ドットミーが運営するウェルビーイングブランド「Cycle.me」は、香港での販売を開始しました。当社は今後、香港でのさらなる展開とアジア各国や米国での販売も視野に入れて取り組んでまいります。

【海外展開】Cycle.me、香港で販売スタート。 インバウンド人気から生まれたグローバル展開で「おいしい栄養」を世界へ。

日本の子ども服ブランドとして世界的に知られるミキハウス（三起商行株式会社、本社：大阪府八尾市、代表：木村皓一）が、アメリカ市場への本格的な展開に乗り出した。2024年10月には、ニューヨークの五番街に位置する名門ホテルであるザ・プラザホテル内に、旗艦店「ザ・プラザホテル店」をオープンし、さらにクイーンズ区の大型商業施設「タングラム」内の店舗も2025年3月にリニューアルオープンするなど、ニューヨークを新たな拠点にブランドの世界的な認知度向上を目指している。

## コロナ禍を経て、アメリカ市場に再挑戦
ミキハウスは創業以来、「子どもへの愛情」を原点に、子どものことを第一に考え、安全性やクオリティにこだわったものづくりを続けてきた。その品質は世界的から評価され、現在ではロンドンのハロッズやパリの路面店、北京のSKP、シンガポールのマリーナベイサンズなど、海外16の国と地域に108店舗（2025年4月1日現在）を展開するに至っている。

アメリカ市場においては、以前は高級百貨店・ブルーミングデールズにて5店舗を運営していたが、新型コロナウイルスの感染拡大によりすべて閉鎖。その後オンライン販売を中心に展開してきた。しかし、2022年頃から商品を実際に手に取って購入したいという消費者の声が高まり、各地でPOP UP店舗を展開したところ、顧客からは「お店があってよかった。ぜひ常設店が欲しい」と反応が非常に良く、常設店舗を求める声が多く寄せられたという。  
こうした要望を受け、ミキハウスはアメリカでの再進出を決定。今回の旗艦店ザ・プラザホテル店の開店と、タングラム店リニューアルの動きに至った。

## 世界の富裕層が集うザ・プラザホテル旗艦店
![img](https://storage.diamondv.jp/photos/inserted/4jZrLkkbNHv4yvQbGF6oVE/9df9a04f-1a27-440b-a92e-dad7f1eb9279.jpg)
![img](https://storage.diamondv.jp/photos/inserted/4jZrLkkbNHv4yvQbGF6oVE/338f3ebe-de7b-4a93-8559-357a37563c48.jpg)
＜ニューヨークの五番街に位置する名門ホテル、ザ・プラザホテルにミキハウス店舗展開＞

今回、旗艦店として選ばれたのは、ニューヨーク五番街の名門ホテル「ザ・プラザホテル」だ。このホテルは100年以上の歴史を持ち、アメリカ国内のみならず南米、中東、ヨーロッパなど世界各地から富裕層が訪れることで知られる。特にホリデーシーズンには家族連れでにぎわい、年間を通じてビジネスエグゼクティブやセレブリティが宿泊する。
![img](https://storage.diamondv.jp/photos/inserted/4jZrLkkbNHv4yvQbGF6oVE/48d06e5a-3c85-4c2c-b6ce-70c672a8da99.jpg)
＜ザ・プラザホテル＞

ミキハウスはこの立地を活かし、世界に向けてブランドの魅力を発信することを狙っている。店舗では旗艦店ならではの商品ラインナップを展開。特に注目されるのが、繊維の宝石と称される「海島綿」などの高級素材を使用し、日本の卓越した技術で仕上げた最高級ライン「ミキハウス ゴールドレーベル」だ。さらに、赤やピンクを基調にしたキュートなデザインで人気の「チエコサク」も同店限定で取り扱う。

![img](https://storage.diamondv.jp/photos/inserted/4jZrLkkbNHv4yvQbGF6oVE/97343556-2422-4ec5-bf86-54239083c2a7.jpg)
＜海島綿やシルク100％等の高級素材を使用したゴールドレーベルの商品を展開＞
![img](https://storage.diamondv.jp/photos/inserted/4jZrLkkbNHv4yvQbGF6oVE/ff0c535c-99c1-4122-b700-9c83f06b2140.jpg)
＜独自の世界観で、かわいらしさにこだわったチエコサクを展開＞

実際に店舗を訪れた顧客からは、「日本のブランドらしい素敵なデザイン」「肌触りの良さに驚いた」といった好意的な声が多く寄せられ、メイド・イン・ジャパンの品質とデザイン性が現地でも高く評価されていることがわかる。

## 全面リニューアルしたタングラム店
一方、クイーンズ区に位置する「タングラム」内の店舗も、2025年3月15日にリニューアルオープンした。タングラムは高級コンドミニアム、オフィス、ホテル、ショッピングモールが一体となった複合施設で、地域のファミリー層からの支持が厚い。2023年12月に同施設内でPOP UPショップを展開した際、地元の顧客層から高い評価を受け、常設店への要望が高まったことがリニューアルのきっかけとなった。
![img](https://storage.diamondv.jp/photos/inserted/4jZrLkkbNHv4yvQbGF6oVE/e631b847-4a30-4e0a-aef4-0f86036662c8.jpg)
![img](https://storage.diamondv.jp/photos/inserted/4jZrLkkbNHv4yvQbGF6oVE/29a3f132-a875-4774-9721-2900cf347d0f.jpg)
＜ミキハウス　タングラム店＞

タングラム店では、新生児や幼児の家族連れが多いことを受け、特にベビーアイテムのラインナップを充実させている。新生児用肌着や帽子、ガーゼタオルなど、新生児の生活シーンに必要な商品を幅広く取り揃え、店内にはソファやテーブルを設置し、子ども連れの家族がゆったりと買い物できる環境を整えている。
![img](https://storage.diamondv.jp/photos/inserted/4jZrLkkbNHv4yvQbGF6oVE/4627411a-a566-4fc6-bebe-b404d9548878.jpg)
＜豊富なベビーアイテムを展開＞

## ニューヨークを起点にさらなる世界展開を目指す
ミキハウスは今後、アメリカ市場においてオンライン販売と並行して実店舗展開を強化していく方針だ。ニューヨークを新たな拠点として、アメリカ国内でのブランド認知度をさらに高めるとともに、世界中の子どもとその家族に向けて、安心・安全で高品質な商品を届けることを目指している。

今回のニューヨーク進出は、パリ、ロンドン、上海、シンガポール、台北に続く世界展開の一環であり、ミキハウスが世界市場においてその存在感をさらに高めていくことが期待される。

### 店舗情報
#### ザ・プラザホテル店
- 住所：768 Fifth Avenue, New York, NY 10019, USA
- TEL: +1-917-456-2157
- 面積：30.52㎡
- 取り扱いブランド：「ミキハウス」、「ミキハウス チエコサク」
#### タングラム店
- 住所：133-33 39th Ave C floor, Flushing, NY 11354, USA
- TEL: +1-914-469-5829
- 面積：57.25㎡
- 取り扱いブランド：「ミキハウス」、「ミキハウス ダブルB」

子ども服ブランドのミキハウスが、アメリカ市場に本格的に進出。ニューヨークの名門ザ・プラザホテルに旗艦店を開設、クイーンズ区のタングラム店もリニューアルし、メイド・イン・ジャパンの品質でブランドの認知拡大を狙う。

ミキハウスがアメリカ市場に本格展開、ニューヨークに旗艦店をオープン

仕事中や昼休みに缶コーヒーを手に取り、ほっと一息ついた経験は誰もがあるはずだ。その中でも日本人になじみ深いブランドの一つが、サントリーの『BOSS』だろう。
  
1992年、「働く人の相棒」というコンセプトのもとに誕生した缶コーヒーブランド「BOSS」。その歩みは、2017年のペットボトルコーヒー「クラフトボス」の登場によって一層加速し、それまでのコーヒー業界の常識を塗り替えてきた。近年ではコーヒーだけでなく、紅茶飲料のTEAシリーズの展開もしており、さまざまな形で働く人に寄り添っている。

そんな日本のコーヒー市場を牽引してきた「BOSS」だが、ここ数年、海外展開を拡大している。現在は世界7ヵ国で展開しているが、日本とは文化も風習も異なる海外で、BOSSはどのようにして現地市場にアプローチしているのか。その戦略を探った。

## 日本生まれの「BOSS」が海外進出した背景とは  
近年、世界的にコーヒーの需要が高まっているなか、とりわけ目覚ましい消費量の伸びを見せているのが、タイだ。中でも缶やペットボトル入りのRTD（Ready to Drink）コーヒー市場が急拡大している背景には、カフェやショップコーヒーなどの店舗が増加していることや、商品ラインナップの拡充により消費者の選択肢が広がったことがあるという。
![img](https://storage.diamondv.jp/photos/inserted/7WPqRAmc8dPp3kNtS98Vma/0203a1b2-0e78-40af-923e-ef61b05246e4.jpg)

従来タイ市場では、苦みが強く、いわゆる“気付け”として飲用されるコーヒーが主流だった。しかし、カフェ文化の浸透や、新規参入ブランドなどの増加によって市場が活性化し、カフェで展開されるような「なめらかで香り豊かな豆本来の味わい」への需要が高まり、高価格・高品質なコーヒーへのニーズが拡大している。

まだこれから市場としても文化としても発展していく余地があり、チャンスの芽があるタイ市場。そんな市場の変化をいち早く捉えた「BOSS」は2021年、タイでの挑戦に乗り出したのである。
## 現地に合わせて大胆な変更。中味とパッケージが日本とまるで違う理由
実は日本で販売されている「BOSS」と海外で販売されているものとでは、味わいやパッケージが大きく異なる。「働く人の相棒」というブランドコンセプトこそ同じだが、各国の働く人のニーズや嗜好に合わせ、商品設計そのものを変えているという。タイで販売されている商品も、例外ではない。
![img](https://storage.diamondv.jp/photos/inserted/7WPqRAmc8dPp3kNtS98Vma/9c6775fb-a339-4d4f-b297-3cf4dbead673.jpg)

一般的にブランドを海外展開する場合、ブランドの世界観を画一的に打ち出すのがグローバル展開に多く見られるパターンだ。商品の味わいやパッケージなどはほぼ同じ設計のまま、世界中で同じ飲用体験ができるようになっている事例がほとんどである。しかし、「BOSS」はこの手法とは反対に、現地のユーザーの価値観に合わせてブランド自体をローカライズした、独自のマーケティング手法を展開した。この手法は手間も時間もかかるが、各国でコーヒーに求められる価値や文化が異なるため、あえてサントリー流を貫いているという。

日本は、多様なコーヒー需要に応えるブランドや商品がひしめく、コーヒー文化の成熟市場だと言われている。一方タイは、今後さらなる多様化が進み、発展が期待される市場だ。日本で培ってきた知見がある「BOSS」だからこそ、RTDコーヒーで強みを活かし、タイならではの市場を創造するチャレンジができるのかもしれない。

### 「BOSSを飲めば自信に繋がる？」現地で掴んだ意外なニーズ
タイでの「BOSS」は、発売当初こそ「カフェ品質のプレミアムコーヒーを手軽に飲みたい」というニーズを捉え、一定の支持を獲得することができた。しかし、コーヒーの多様化が進む中で、ユーザーはプレミアムRTDコーヒーに対して「品質やおいしさ」だけではない、新たな価値を見出していることが明らかとなった。

例えば、『大事な会議の前に飲むと自信が持てる』『結果を出さないといけない商談に持っていく』など、気持ちの支えや自信の源としてプレミアムRTDコーヒーが選ばれる場面が増えているという。

これは日本にはない、タイ特有の社会的背景も影響しているようだ。社会的な所得格差が激しいタイでは、プレミアムコーヒーを持つことで“面子”が保たれ、ビジネスシーンでの成功を手に入れやすい、という価値観があるという。「BOSS」はこうした現地の気持ちに寄り添うためにも、味覚の受容性も考慮し、日本とは異なる設計で商品開発を進めてきた。  

そのマーケティング判断が間違っていなかったことは、見事に実際の市場の反応によって裏付けられている。
![img](https://storage.diamondv.jp/photos/inserted/7WPqRAmc8dPp3kNtS98Vma/ea527d5f-e5ee-4a77-8082-30517cb78403.jpg)

## 徹底した「生活者」視点で勝機を探る
サントリーでは「生活者」という考え方が大事にされている。それは人を単に「消費者」としてではなく、それぞれの考え・感情を持ち、日々の生活を送る「生活者」として、あらゆる側面から捉えるということだ。だが、海外においてはこの生活者の感覚を養うことが、非常に難しい。

現地でマーケティングの陣頭指揮を執る高田潤一郎氏も、タイに駐在員として赴任した際、「まず現地の生活者の感覚をつかもうと、多くの人々の行動を観察しました。そして、その裏にある動機に対して仮説を立て、現地の同僚などに一つひとつ確認しながら、理解を深めていきました」と語る。
![img](https://storage.diamondv.jp/photos/inserted/7WPqRAmc8dPp3kNtS98Vma/6ac487cb-c067-4091-a253-7e5a61bc1516.jpg)

国民性や文化的背景、都市部と郊外に住む人の違い、嗜好の差異など、現地ならではの要素を把握することも欠かせない。缶コーヒーのメインユーザーであり肉体的活力や集中力を求める技能労働者や、プレミアムコーヒーのユーザーであるオフィスワーカーなど、ターゲット層の生の声を直接聞きに行くことは、日常だ。コンビニなどの売り場で商品を手に取っている人に声をかけ、話を聞くこともあるという。  

「BOSS」のさらなる認知拡大に加え、飲用経験の機会創出のためにも、街頭サンプリングを行い、初めて飲んだ人の声を集めながら現地のリアルな反応を丹念に拾いあげてきた。
![img](https://storage.diamondv.jp/photos/inserted/7WPqRAmc8dPp3kNtS98Vma/b815d61f-fdac-4c09-b2e9-43e032434429.jpg)
![img](https://storage.diamondv.jp/photos/inserted/7WPqRAmc8dPp3kNtS98Vma/8b9adbae-946f-4b93-8343-3f6dac129993.jpg)
![img](https://storage.diamondv.jp/photos/inserted/7WPqRAmc8dPp3kNtS98Vma/4e42c46d-233f-400e-bce1-603b54642b9a.jpg)

こうして現地の生活に溶け込み、生の声に耳を傾けることが、「生活者インサイト」を掴む近道になっているという。

### サントリー流「ブランドの定期点検」
サントリー流のマーケティングの中核には、「コアブランドイノベーション」と呼ばれる独自の手法がある。年に一度、必ずブランドとお客様の関係性を点検し、そこで浮かび上がった課題や潜在的ニーズに合わせて、ブランドの方向性を軌道修正する。そうして商品の中味やパッケージを改良し続けることで、より価値のあるものに仕上げるという取り組みだ。

海外では、製品の改良は数年に一度というのが一般的だが、サントリーは年単位で改良し続けている。さらに、この姿勢を現地に根付かせるため、駐在員という形で海外に人材が送り込まれ、現地のニーズを徹底的に拾い上げる。高田氏もその責務を担ってタイへと赴任した一人だ。

生活者とブランドの関係性、それを踏まえた製品の課題点について、生活者の生の声を聞きながら点検し、どうすればもっと良い価値を提供できるのかを突き詰めていく。その繰り返しが、生活者とブランドの関係性を強固なものにしていくのだが、この手法は時間も労力もかかり、結果が一朝一夕で出るものではないことから、海外の現地メンバーに理解してもらうのにはかなり苦労したという。しかし、地道な積み重ねを続け、徐々に結果が見えてくることで、現地メンバーの共感とリスペクトが深まり、今ではチーム一丸となって「サントリー流」を粘り強く実践できる体制が整ってきた。これも、高田氏の“やってみなはれ”精神と、マーケティングチームのブランド愛があったからこその結果だろう。

日本生まれのサントリー「BOSS」の世界に挑む物語はまだ始まったばかり。市場に寄り添った商品開発と生活者インサイトを追究する姿勢からは、他の日本ブランドも学ぶべき点が多い。
サントリーの“現地密着”の戦略が、海外の生活者とブランドの新たな関係をどう築いていくのか、引き続き注目したい。

日本でおなじみの缶コーヒーブランド『BOSS』が世界7ヵ国で展開中！ その知られざる戦略と、海外市場進出で「働く人」の心を掴んだその成功の秘訣に迫る。