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「100年に一度」の変革!渋谷再開発で生まれ変わる未来都市の全貌
ビジョナリー編集部 2025/10/31
「渋谷」と聞いて、どんなイメージが思い浮かびますか?
若者文化の発信地、スクランブル交差点、最新ファッション、エンタメの街。
その渋谷は今、“100年に一度”といわれる大規模な再開発の真っ只中にあります。この再開発プロジェクトは、単なる駅ビルの建て替えや商業施設の新設にとどまらず、渋谷の街全体の交通動線、安全、国際性、そして文化や自然との共生まで、これまでの常識を覆すスケールで、未来の渋谷像を形にしようとしています。
「いったい、いつまで工事が続くのか?」
「どんな新しい施設ができるの?」
「私たちの生活やビジネスに、どんな影響があるの?」
そんな疑問にお答えしながら、渋谷再開発の全体像と今後の展望を、わかりやすく解説していきます。
※ 記事内の情報は2025年10月時点のものです。
渋谷再開発の背景――「日本一訪れたい街」を目指して
渋谷駅は1885年の開業以来、鉄道・バス路線が複雑に交差する東京屈指のターミナル駅として進化してきました。
一方、駅を中心に商業施設やオフィスビルが次々と誕生し、若者文化やIT企業の集積地としても発展しています。しかし、駅周辺の構造が複雑化し、「乗り換え動線がわかりづらい」「駅の東西南北が分断されている」といった課題も浮き彫りになっていました。
この課題を解決し、「日本一訪れたい街」を目指すべく、2010年代から官民連携で大規模再開発がスタートしました。
そのゴールは単なる建て替えではなく、
- 鉄道・道路・坂をまたぐ“歩行者デッキ”の拡充
- 快適な“アーバン・コア”(縦移動空間)の整備
- 災害に強い都市基盤の構築(巨大雨水貯留施設や耐震ビル)
- 国際空港直結のバスターミナル、観光案内所
- 都心に緑と水辺を取り戻す渋谷川再生
- クリエイティブ産業やスタートアップ支援の拠点化
- 環境負荷の低減とサステナビリティ推進
など、多岐にわたります。
30年以上に及ぶ長期計画
- 2000年:副都心線と東横線の相互直通運転方針が決定
- 2012年:渋谷ヒカリエ開業で再開発本格始動
- 2018年:渋谷ストリーム、2019年:渋谷スクランブルスクエア東棟など続々竣工
- 2024年:桜丘エリア「渋谷サクラステージ」全面開業
- 2030年度:歩行者ネットワーク・駅改良が完成
- 2031年度:「渋谷スクランブルスクエア中央棟・西棟」竣工
- 2034年度:ハチ公広場を含む5つの広場空間が整備される渋谷駅街区の“最終章”
このように、全体の完成は2034年度が目安であり再開発のスタートから完結まで、実に30年以上を要する壮大な計画です。
大型プロジェクトとその全貌
ここからは、既に開業していたり、これから完成を迎える主な大型施設や都市基盤をご紹介します。
渋谷スクランブルスクエア第Ⅱ期(中央棟・西棟)【2031年度完成予定】
2019年に開業した“東棟”に続き、今まさに建設が進む渋谷再開発の中核プロジェクト。
- 中央棟・西棟が完成すると、東棟と合わせて首都圏最大級・1フロア約6,000㎡の商業施設に
- 10階には国際的な文化交流施設(各国大使館と連携したイベントスペース等)
- 4階には最先端技術を体感できるコンテンツ施設が新設
- 設計は、世界的な建築家チーム(日建設計、隈研吾建築都市設計事務所、SANAA)が参画
注目ポイント
“遊び”も“仕事”も“交流”も叶える新たな都市空間。オフィス、商業、イベント、国際交流がシームレスにつながります。
東口4階スカイウェイ(仮称)【2030年度供用開始予定】
「ヒカリエ4階」から「銀座線渋谷駅上空」を経由し、「JR渋谷駅」「渋谷マークシティ」までを一直線につなぐ空中歩行者ネットワーク。
- 雨天でも快適な移動を実現
- 新宿方面・恵比寿方面を見渡せる絶景スポットにも
- 既存の歩行者デッキと接続し、渋谷駅の“ダンジョン化”に終止符を打つ動線革命
西口3階上空施設(仮称)【2030年度以降供用開始】
- JR渋谷駅の新改札と直結し、「渋谷中央街」「桜丘方面」へ南北をスムーズに接続
- 約3,000㎡の大規模デッキが広がります
2本の東西自由通路【2030年度以降整備】
- JRハチ公改札前(最大幅22m)と南改札前(最大幅23m)に、幅広の東西通路
- 宮益坂方面(東側)と道玄坂方面(西側)を、地上・空中・地下で自在に行き来できるように
ハチ公広場を含む5つの新広場【2034年度までに整備】
- 「ハチ公広場」も大規模リニューアル
- 「東口地上広場」「中央棟4階広場(JR線路上空)」「西口3階上空施設」「中央棟10階広場」など
- 合計約20,000㎡の憩い・非常時避難スペースとしても機能
渋谷サクラステージ【2024年7月開業】

- 桜丘エリアの再開発を牽引する新拠点
- オフィス、ショップ、イベントスペース、そして渋谷駅周辺唯一のマンションも誕生
- 「働く・遊ぶ・住む」が融合し、渋谷の新しい都市型ライフスタイルを提案
渋谷アクシュ【2024年7月開業】
- ヒカリエ裏手の傾斜地に完成したオフィス&商業施設
- ヒカリエやクロスタワーと歩行者デッキでつながり、渋谷~青山間のアクセスを向上
渋谷駅の“未来”を支える都市基盤整備
歩行者デッキ&アーバン・コアの拡充
- スリバチ地形の渋谷で“上下左右”に動きやすい立体動線を実現
- エレベーター・エスカレーターの増設で、バリアフリー化も着々
災害に強いインフラ
- **巨大雨水貯留施設(約4,000トン)**が駅地下に完成
- ヒカリエなど新ビルは高度な耐震性・帰宅困難者の一時滞在スペース・備蓄倉庫を確保
- 大規模災害時も「渋谷は安全」と言えるまちへ
渋谷川再生・緑化推進
- 官民連携で渋谷川の“水辺空間”を再生
- 川沿い600mの遊歩道、壁泉(ウォーターフォール)、緑地広場も整備
- 都心のオアシスが生まれ、ヒートアイランド対策にも貢献
環境・サステナビリティへの挑戦
- 太陽光発電や地域冷暖房、ヒカリエでの自然換気など、最先端の省エネ技術を導入
- 建物ごとのCO2排出削減、街全体として約18,000㎡の緑化
- 「AEMS」(エリア・エネルギー・マネジメント・システム)でエネルギー運用を最適化
再開発で“働く・遊ぶ・暮らす”が融合する街へ
かつて「遊ぶ街」「若者の街」としての印象が強かった渋谷。
今や、日本を代表するIT企業やグローバル企業の本社、フレキシブルオフィスやコワーキングスペースも続々と誕生しています。
再開発を通じて、「遊び」「働き」「暮らす」をシームレスに選べる新しい都市ライフのモデルケースになりつつあります。
- 日々通勤・通学で渋谷を利用する方へ:駅の動線が劇的に改善し、乗り換えもスムーズに
- 観光やビジネスで訪れる方へ:空港リムジンバス発着や案内所充実で国際都市としての利便性UP
- 地元住民の方へ:災害対策や緑地拡充で安全・安心な暮らしが実現
- 企業・スタートアップ・クリエイターの方へ:オフィス・起業支援・イベントスペースが拡充し、交流とイノベーションのハブに
再開発が渋谷の「不動産価値」にもたらすインパクト
大規模再開発によって、渋谷の不動産価値も大きく変わりつつあります。
- 交通・生活利便性が向上し、オフィス・住宅・商業施設の資産価値が上昇傾向
- 駅直結エリアや桜丘など、かつてアクセスが悪かった地域も再開発で“価値あるエリア”へ
- 渋谷駅近隣の高級住宅地(松濤・南平台)も、その魅力がさらに高まる
まとめ
渋谷の再開発は、新しいビルや商業施設を増やすだけの計画ではありません。交通、文化、ビジネス、防災、環境、あらゆる側面から“未来の都市像”を問い直し、“世界一訪れたくなる街”を目指した挑戦です。
2034年度まで続くこの大プロジェクトが完成したとき、あなたが体験する渋谷は、これまで以上に便利で、創造的なエネルギーに満ちているでしょう。
ぜひ、進化し続ける渋谷の街を歩き、その変貌を肌で感じてみてください。


