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在宅医療の盲点「テープ選び」で看護師の8割が負担増。患者・家族が陥る“選択迷子”の解決策とは
ビジョナリー編集部 2026/09/14
在宅医療が広がる中で、見過ごされがちな問題が浮上している。ニチバン株式会社が実施した訪問看護師および在宅医療を受ける患者・家族を対象にした調査で、医療用テープ(サージカルテープ)の選択が患者・家族の悩みとなり、訪問看護師の大きな負担となっている実態が明らかになった。
在宅患者訪問診療の算定患者数が100万人を超えるなど、自宅で医療ケアを受けることが当たり前になる一方、現場では新たな課題が生まれているようだ。
在宅ケアのテープ選びで重視するのは「かぶれや痛みの少なさ」。一方、ドラッグストア等では「種類が多すぎて選べない(50.0%)」「病院と同じテープがわからない(38.5%)」と“選択迷子”が発生しているという。
訪問看護師の80.0%が、家族が用意したテープによる「皮ふトラブル(かぶれ・剥離など)」の処置に負担を感じていると回答。
病院で使用されている品質のテープが身近なドラッグストアで買えるようになれば、訪問看護師の96.4%が「家族へ推奨しやすくなる」と答えた。
理想と現実のギャップ。半数が「どのテープを選べばいいか分からない」
在宅医療を受ける患者・家族104名を対象にした調査によると、医療用テープを選ぶ際に重視するポイントとして、86.5%が「皮ふのかぶれや、剥がす時に痛みが少ないこと」を挙げた。肌への優しさを求める声が圧倒的に多いことがわかる。

しかし、実際にドラッグストアなどでテープを購入する際には困難に直面しているようだ。困ったこととして「価格が高い(58.7%)」に次いで、「種類が多すぎてどれを選べばいいかわからない」が50.0%、「病院で処置してもらった時と『同じテープ』がどれなのかわからない」が38.5%と続く。多くの人が店頭で判断基準を持てず、最適な製品を選べない「選択迷子」の状態にあることがうかがえる。

訪問看護師の8割が悲鳴。不適切なテープ選びが招く皮ふトラブルと増える業務負担
不適切なテープ選びは、患者のQOLを損なうだけでなく、医療従事者の負担増にも直結している。
訪問看護師110名への調査では、家族が用意したテープによる皮ふトラブル(かぶれ・はく離など)の処置に負担を感じるかという問いに対し、「頻繁にある(9.1%)」「たまにある(70.9%)」を合わせると、実に80%が負担を感じていると回答した。

適切なテープが選ばれないことで起こるかぶれやかゆみは、在宅療養中の患者にとって大きなストレスとなる。それだけでなく、本来不要な処置に時間を取られるなど、ケアを提供する看護師の負担をも増大させているのが現状だ。
「医療現場で使われている品質×ドラッグストア」が双方の負担を軽減する鍵か
では、どうすればこの負の連鎖を断ち切れるのか。そのヒントも調査結果に示されている。
訪問看護師に「病院で使用されている品質」かつ「近くのドラッグストアで手軽に買える」テープがあれば、家族への推奨しやすさは変化するかと質問したところ、「非常にしやすくなる(70.9%)」「ややしやすくなる(25.5%)」を合わせ、96.4%という圧倒的多数が推奨しやすくなると回答した。
病院と同じ品質のテープを身近な場所で購入できる環境が、患者と看護師、双方の負担を減らす鍵となりそうだ。

調査概要
調査期間:2026年4月15日~4月19日
調査方法:インターネット
調査会社:ディアケア株式会社
調査対象者:在宅医療に関わる訪問看護師110名、在宅医療を受ける患者・家族104名
皮膚科医に聞く、テープによるかぶれ予防法と選び方
調査結果で明らかになったテープによる皮ふトラブルは、どのようにすれば防げるのだろうか。新百合ヶ丘総合病院 皮膚科部長の秋山真志先生に、その予防法と選び方のポイントを聞いた。 医療用テープは、ガーゼやチューブの固定で使う機会が多く、テープで皮ふがかぶれることも珍しくないという。その原因は、粘着剤や素材による刺激、剥がすときの皮ふへの障害、汗の刺激や蒸れによる負担など多岐にわたる。
「もともと肌が弱い人や、同じ場所に繰り返し貼る人は注意が必要です。また、テープがうまく付かないと何度も貼り直す手間が増え、本人もケアする側もストレスになります」と秋山先生は指摘する。
テープを貼る前に
手指や貼る部位を清潔に洗う: 汚れた状態でテープを貼ると、皮ふトラブルが起こりやすくなる。
濡れていたら水分を拭き取る: 濡れているとテープがつきにくくなる。
乾燥していたら保湿を!: 乾燥している皮ふはトラブルが起こりやすいため、保湿後は十分に乾いたことを確認してから貼る。
テープを貼る部位に赤みや傷はないか確認: 炎症がある部位に貼ると、状態が悪化する可能性がある。
正しいテープの貼り方とは
あらかじめ必要な長さに切ったテープを引っ張らずに、中央からそっと貼るのがコツ。テープを引っ張って貼ると、テープの端に元に戻ろうとする力がかかり、赤みや水ぶくれの原因になるからだ。
テープを指の腹で10秒間やさしく押さえることで、粘着剤が皮ふの凹凸になじみ、はがれにくくなる。

注意が必要なテープのはがし方
はがす時にも注意が必要だ。テープの端を少しめくり、皮ふを指でやさしく押さえながら、体毛の流れにそってゆっくりはがす。テープだけを引っ張ってはがすと皮ふが一緒に持ち上がり、痛みにつながる。
※テープがはがしにくい場合は、ぬるま湯で濡らしたガーゼなどでテープの端を濡らすか、専用のはがし液を使用してください。
※文房具などのモノに貼るテープは皮ふを傷める原因となります。絶対に皮ふに貼らないでください。
参考: 在宅ケアでの医療用テープ使い方ガイドブック~知っておきたい!テープの基礎知識~
秋山真志(あきやま・まさし)先生
新百合ヶ丘総合病院(神奈川県川崎市)皮膚科部長/皮膚疾患研究所所長。
慶應義塾大学医学部卒業。北海道大学を経て、2010年より名古屋大学大学院医学系研究科 皮膚科学分野 教授を15年半務め、2026年3月に退任。
2026年4月より現職。専門は皮膚科一般、遺伝性皮膚疾患、とくに遺伝性角化症。

ドラッグストアで手軽に買える。病院で使われている医療用テープ
こうした課題に応える選択肢として、病院でも使用実績のある医療用テープがドラッグストアなどで購入可能になっている。ニチバンの「スキナゲート(TM)」もその一つだ。ムレが少なくかぶれにくいことから、子どもや肌の敏感な人にも適しているという。
製品特長
肌にやさしい低刺激設計:
皮ふに優しい粘着力とムレにくい構造で角質を保護し、剥がすときの痛みも軽減する。
柔軟性の高いテープ素材
テープ基材に柔軟性の高いポリオレフィン系フィルム※を採用。小さい力でもよく伸びるため、皮ふの小さな動きにも追従する。
※紙おむつの防水材にも使用されている、赤ちゃんの敏感肌でも蒸れにくい素材です。
高い透湿性:
粘着剤、テープ基材とも高い透湿性があるため、ムレを防ぎ、かぶれにくい。
安定した固定力:
高い透湿性がムレを防ぐことで、テープと皮ふの間に汗が溜まりにくく、長時間貼ってもしっかり付着する。

(TMは商標です)


