「挑戦者の事業成長パートナーへ」――マクアケ社長...
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日本の経営者と私の違い――4つの外資系企業で培った視点
浅見 隆 2025/11/07
私のキャリアの軸は、最初から一貫していました。それは特定の職種に就きたいというよりも、「国際的な業務をやりたい」という強い想いです。
新卒で入社したコダックでは、最初に配属されたのは購買部門でした。これは本社から製品を輸入するための管理業務であり、当時のテレックスや手書きのファックスを使って、毎日のように英語での交渉ややり取りが発生する仕事でした。日本の国内購買であれば、それほど英語を活かす機会はなかったでしょう。
その後、マーケティング部門に移りました。当時のコダックはテレビコマーシャルに何十億円も投じており、カラーフィルムやカメラの広告担当として、非常にエキサイティングで面白い経験をさせていただきました。ただ、私にとってのベースは、やはり「国際的なビジネスに関与する」ことでした。
その想いは、4つの外資系企業すべてで貫くことができました。スポルディングでは、日本法人の社長と兼任で、東南アジアのジェネラルマネジャーも務めました。日本に子会社はないものの、シンガポール、タイ、香港、韓国などにある代理店をマネジメントする仕事です。国際的な仕事にどっぷりと浸かる日々で、非常に学ぶことが多く、私の考え方の基盤になっています。
こうした経験があるからか、私は、日本の大きな会社に長く勤めて偉くなった方々とは、正直なところ、感覚の違いを感じることがあります。もちろん皆さん優秀で、その世界でトップになられた方々です。しかし、私の持つグローバルな視点から見ると、少し違うなと感じてしまうのです。
私の仕事のやり方は、典型的な外資系かもしれません。とにかく何でもドキュメントにします。日本能率協会で20年近くにわたり役員や部長クラスに送ってきたメッセージ、あるいは3つの会社で社長業として実践してきた内容など、今も手元には膨大なパワーポイントの資料があります。日本の企業では、これほどドキュメンテーションを徹底していないかもしれませんが、私にとってはこの資料こそが財産です。
今でも顧問先などでお話しするのですが、時代によって経営者に求められる資質は全く異なっています。ある調査によれば、15年か20年前の経営者に求められたのは、「統率力」「強烈な意思」「人心掌握力」「胆力」といったものでした。
しかし、これからの経営者に求められる資質は、「イノベーションへの気概」「変化への柔軟性」「ビジョンを掲げる力」、そして「過去からの脱却」です。ドメスティックな価値観にとどまらず、グローバルな視点で変化に対応し、過去を捨ててイノベーションを起こせるか。それが今、問われているのだと思います。


