「AIを使っている」と意識しない未来へ――ラクス...
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「AIを使っている」と意識しない未来へ――ラクス中村社長が語る、労働力減少時代の“解”と「ゲームをクリアする」組織論(後編)
ビジョナリー編集部 2026/02/18
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「AIを使っている」と意識しない未来へ――ラクス中村社長が語る、労働力減少時代の“解”と「ゲームをクリアする」組織論(前編)
空中戦ではなく地上戦。SaaS企業が「営業」に投資する理由
SaaS業界ではデジタルマーケティング(空中戦)が主流ですが、御社は対面営業(地上戦)や拠点展開に注力されています。その狙いは何ですか。
「良いものを作れば売れる」というのは幻想です。良いものを作った上で、その良さを正しく伝えなければ、お客様には使っていただけません。 特にお店に行って店員さんの説明を聞いて「これいいな」と思って買うことがあるように、DXにおいても「気づき」を与える営業マンの存在は不可欠です。まだDXに一歩踏み出せていないお客様に対し、背中を押してあげること。それが私たちの営業の役割です。効率化を追求するSaaS企業だからこそ、泥臭い「伝える努力」を惜しまない。それが、結果として多くのお客様に選ばれる理由になっています。
今後はどのような成長戦略を描いていますか。
企業規模を問わず様々なお客様にご利用いただき、クロスセル(複数サービスの導入)と単価アップを進めていきます。また、これまでは自社開発にこだわってきましたが、今後はM&Aやアライアンスも積極的に活用し、規模の拡大を目指します。「楽楽精算」や「楽楽明細」といった強いプロダクトを核に、必要な機能を緩やかに連携させる「統合型ベストオブブリード」戦略で、エンタープライズ領域までカバーできる体制を整えていきます。2030年に向けて、あらゆる規模の企業に対応できるインフラのような存在を目指します。
できない理由を探すな。「ゲームをクリアする」マインドを持て
今後のラクスを牽引するために求める人物像について教えてください。
これまではSaaS市場自体が高度成長期にあり、流れに乗っていればある程度の成果が出せました。しかし、これからは労働人口減少という逆風の中で、正解のない問いに挑まなければなりません。そこで求められるのは、「できない理由」を探すのではなく、「どうやったらできるか」を常に考え、ゴールに向かって試行錯誤できる人材 です。
新卒であれ中途であれ、同じ社員として求めるマインドは変わりません。私はよく 「ゲームをクリアする感覚」 と表現するのですが、困難な状況を前にして、諦めずに攻略法を考え、一歩でも前に進めるか。今後は、そうした突破力のある人材が評価されるような組織づくりを進めていきたいと考えています。厳しい時代だからこそ、課題解決そのものを楽しめる人と共に、日本の未来を「楽に」していきたいですね。
ラクスの未来戦略。「AI変容型」より「AI実装型」がこれからのかたち
最後に、今後、“最も伸びる領域”はどこになると考えていますか。その中でAIは御社のビジネスをどのように“作り変える存在”になると思いますか。
やはり主力サービスである「楽楽精算」「楽楽明細」あたりが大きいとは思います。ただ、成長のドライバーになっていくものと言うと、「楽楽請求」「楽楽勤怠」といった新サービスのほうが、伸びは大きいと見ています。また、先ほど申し上げたように、AIは、作り変えていくものというよりは、サービスに溶け込んでいくものだと考えています。
たとえば、「楽楽精算」や「楽楽明細」をはじめ、「楽楽請求」といった製品の中にAIが実装されていって、お客様としてはその一機能としてAIを使う、という状況になるんだろうと思っています。


