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9/30(火)
2025年
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ビジョナリー編集部 2025/09/25
海や川辺で過ごす時間が増えるにつれ、水難事故のニュースが後を絶ちません。いざというとき、どんな泳ぎ方で自分の命を守れるのでしょうか。
「水難事故に遭ったときは背浮きで救助を待つ」
そう教わったことがある方も多いのではないでしょうか。
しかし近年、救助のプロや専門家の間では、「背浮き」だけでは十分ではないという声が高まっています。
たとえば、日本水難救済会と日本ライフセービング協会が2023年に横浜海上防災基地で行った実証実験では、泳ぎに自信のあるライフセーバーでさえ、波や風のある海で「背浮き」を維持することが困難であることがわかりました。
波が顔にかかって呼吸がしづらくなり、結果的にパニックを引き起こすリスクが高まる。これは、あまり知られていなかった事実です。
「自分は泳げるから大丈夫」「浅い場所だから安心」と思い込んでいませんか?
実は、川や海は一見穏やかに見えても、急に深くなったり、流れが速くなったりすることが多々あります。実際、川では足が突然つかなくなり、そのまま流されてしまう事故が毎年起きています。
人は1秒で溺れるとも言われており、とっさの状況では、精神的なパニックに陥り、何もできなくなってしまいます。
この「油断」の先にこそ、重大な事故が潜んでいるのです。
そこで今、専門家たちが推奨するのが「イカ泳ぎ」です。この泳ぎ方は、従来の「背浮き」の課題を克服し、誰でも比較的簡単に実践できるのが特徴です。
参考動画はこちら
「イカ泳ぎ」は正式には「エレメンタリーバックストローク」と呼ばれ、水上で体を安定させ、呼吸を確保しやすいという点で、命を守る上で理にかなった方法です。
また、声を出して助けを呼んだり、片手を振ってアピールできるのも大きなメリットです。
水難事故の現場では、浮き輪やライフジャケットがないこともしばしばです。しかし、身近なものでも「浮力体」として活用できることをご存じでしょうか。
ただし、これらはあくまで「緊急時の一時的な対処法」です。本当に大切なのは、ライフジャケットの着用です。最近は腰巻きタイプなどもあり、手軽に持ち運びできるものも増えています。
水難事故は「起きてから」対応するより、「起きる前」の備えこそが最も重要です。ここでは、事故を防ぐためのチェックリストを紹介します。
もし、目の前で誰かが溺れていたら――
パニックにならず、以下の3つを冷静に分担してください。
決して自分が無理に助けに飛び込まないこと。救助者が二次被害に遭う事故も後を絶ちません。
水辺の事故は、誰にでも起こり得るものです。しかし、「イカ泳ぎ」をはじめとした正しい知識と備えがあれば、助かる命は格段に増えます。
あなたやご家族、友人の安全な夏の思い出のために、「備えること」「知ること」が何よりも大切です。