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シニアにも人気のAI講座──「対話するだけ」で広がる新しいシニアライフの可能性
ビジョナリー編集部 2026/02/06
各地で開かれているAI講座をのぞくと、少し意外な光景に出会います。会場の中心にいるのは、若者ではなく、60代・70代の受講者たちです。 スマートフォンやタブレットを手に、講師の話を聞きながら、思いついたことをそのままAIに問いかけてみる。 難しい操作や専門用語よりも、「聞いてみる」「試してみる」ことが自然に行われています。
その背景には、AIの普及とともに使い方が分かりやすくなったことがあります。
会話するようにAIとつながる──「苦手意識」が追い風に
なぜ今、AI講座がシニア層に人気を集めているのでしょうか。その要因の一つは、「AIが思っていたよりもずっと身近で、親しみやすい存在」になったことにあります。たとえば、画像生成AIの講座では、参加者が「空の写真に虹をかけてみたい」とリクエストし、ほんの数十秒でその希望が画面上に描き出されます。「AIは難しそう」「パソコンやスマホは苦手」と感じていた方こそ、会話形式で使えるAIの登場によって一歩を踏み出しやすくなったのでしょう。思いついたことをそのまま話しかける、あるいは音声入力で伝えるだけで、AIが答えを返してくれる──この“敷居の低さ”が、シニア世代の新しい挑戦を後押ししています。
役立つ・楽しい・つながれる──三拍子揃った新習慣
AI講座がシニア層に定着しつつある理由は、単に「新しい技術だから」ではありません。一番の魅力は、日常生活の中で“すぐに役立つ”ことです。たとえば、「今日の献立を考えるのが面倒」と感じたとき、AIに相談すれば冷蔵庫の中身や健康状態に合わせたレシピを提案してくれます。実際、ある調査では60代以上の女性の8割以上が「献立相談は人よりAIにしたい」と答えていると答えています。他にも、回覧板の文章作成や地域活動の案内文づくり、旅行の計画や健康管理といった場面で、AIは強力な味方になります。
さらに、AI講座の現場では「学んでいて楽しい」「驚きがある」という声が絶えません。AIが返してくれる答えには、時に意外性やユーモアもあり、「こんなこともできるんだ!」と新鮮な発見が学びの継続を後押しします。講座に集まった同世代の仲間と「この機能が便利だった」「こんな使い方を見つけた」と情報交換を楽しむ様子は、まさに“新しいコミュニティの誕生”です。
どこで学ぶ?自分に合ったAI講座の選び方
シニア向けのAI講座は、自治体や公民館、シルバー人材センターなどでも盛んに開かれるようになりました。これらの公共講座は、パソコンやスマートフォンの操作が不安な方でも、基礎から丁寧に教えてもらえる安心感があります。定員が限られている場合も多いため、見つけたら早めに申込むことをお勧めします。
一方で、より実践的に学びたい方には、カルチャーセンターや民間のスクールが人気です。ここでは「ChatGPT講座」や「AIで文章作成」といった具体的な内容に加え、少人数制で質問しやすい環境や個別指導も充実しています。Zoomなどを活用したオンライン講座も増えており、「家から出るのが大変」という方でも、自分のペースで繰り返し学ぶことができます。
また、最近は「はじめてのChatGPT」「AI活用入門」といったシニア向けの解説書も書店に並び、独学で基礎を身につけたい方にも選択肢が広がっています。
実際に身につくスキル──生活・趣味・仕事まで広がる応用力
AI講座を修了した後、どんなことができるようになるのでしょうか。多くの講座では、「AIとは何か」「どんな仕組みなのか」という基礎からスタートし、実際にスマホやパソコンでAIに質問を入力する「対話体験」を重ねます。
たとえば、ChatGPTを使ってメールやお知らせ文の下書きを自動で作成したり、AI画像生成ツールでオリジナルのイラストや写真を作ったりするスキルが身につきます。これらは、自治会や趣味のサークル活動、地域のイベント企画など、日常生活のあらゆる場面で“すぐに役立つ”実用性があります。
また、AI活用は就職や副業のサポートにも広がっています。履歴書や職務経歴書の作成をAIに相談して効率化したり、地域サービスのPR文やチラシの作成をAIに任せてしまうことで、作業の負担が軽くなったという声も増えています。趣味の分野でも、旅行プランの作成や写真のキャプションづけ、ガーデニングのアドバイスをAIに求めるなど、活用の幅はどんどん広がっています。
「学び直し」から「新しい生きがい」へ──AIがひらく世代間交流
AI活用を学ぶことは、知識の習得にとどまらず、家族や孫世代と話題を共有することで、世代を超えたコミュニケーションが生まれています。「おじいちゃんすごいね!」「一緒にAIで遊ぼう」といった会話が、家族の絆を深めるきっかけになっているとの声も多く聞かれます。
また、オンラインの学習コミュニティに参加して、全国の同年代の仲間と情報交換をする方も増えています。自分の体験や学び方をブログやSNSで発信することで、「誰かの役に立てた」という実感が新しい生きがいにつながっています。
注意すべきリスクと安全な学びのためのポイント
便利なAIですが、使い方にはいくつか注意点もあります。特に個人情報の取り扱いには細心の注意が必要です。AIに氏名や住所などを入力しないよう心掛け、信頼できるサービスを選ぶことが大切です。また、AIの回答は必ずしも正確とは限らず、特に医療や法律など重要な判断が必要な場面では「AIの答えを鵜呑みにしない」姿勢が求められます。事実確認や他の情報源との照合も忘れずに行いましょう。
そして、昨今はシニア向けAI講座の人気に便乗し、高額な受講料を請求する悪質な商法も報告されています。自治体や大手カルチャーセンター、実績のある講師による講座かどうかを事前に確認し、不明瞭な契約や追加費用が発生しないか細かくチェックすることが、安心して学ぶための重要なポイントです。
AI学習を無理なく続けるコツ──「完璧」を求めず、まずは楽しむ
AIは「完璧に使いこなす」ものではなく、日常のちょっとした困りごとや興味関心に寄り添う“便利な道具”として取り入れることが長続きの秘訣です。初めから難しいことに挑戦する必要はなく、「今日はAIにおすすめの本を聞いてみる」「明日は旅行コースを相談してみる」といった小さな一歩を積み重ねていくことで、自然と使いこなせるようになります。
また、アプリやサービスの多くは無料版から試せるものが多く、まずは自分に合うものを探しながら、必要に応じて有料プランに切り替えるのがおすすめです。シニア割引を活用できる講座やサービスも増えてきているので、経済的な負担を抑えつつ学びをスタートできます。
シニアのAI活用がもたらす新しい日常──「学ぶ喜び」はいくつになっても
AI講座に集うシニアの方々の姿は、「学びに遅すぎることはない」という事実を力強く証明しています。AIは、生活を便利にするだけでなく、新しい趣味や交流をもたらし、人生の幅を大きく広げてくれます。健康管理や脳トレ、語学学習、創作活動、地域貢献──その活用範囲は想像以上に多彩で、多くの方が「毎日が新しい発見の連続」と語っています。
もちろん、最初は戸惑いや不安もあるでしょう。ですが、「できることから少しずつ」「楽しみながら続ける」ことが、最終的に大きな自信や生きがいにつながります。AIをパートナーに、新しいシニアライフを歩み始めてみてはいかがでしょうか。学び直しの先に広がるのは、きっと自分でも想像していなかった豊かな未来です。


