
ビジネスマンこそ要注意!「生存者バイアス」に潜む...
7/24(木)
2025年
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ビジョナリー編集部 2025/07/23
あなたは、初対面の相手を数秒で「できる人」だと感じた経験はありませんか?
あるいは、清潔感あふれる営業マンの提案を、何となく「信頼できそう」と思ったことはないでしょうか。
実は、こうした直感的な評価の多くには、ある心理現象が深く関わっています。
それが「ハロー効果」。
ビジネスパーソンにとって、知っているか知らないかで「評価」も「成果」も大きく変える力を持ったこの心理現象について、事例を交えながら解説します。
ハロー効果とは、ひとつの目立つ特徴や印象が、その人やモノ全体の評価に強い影響を及ぼす心理的バイアスのことです。心理学者エドワード・ソーンダイクが1920年に提唱し、「halo(後光)=聖人の頭上を彩る光輪」になぞらえて名づけられました。
このように、一部の目立つ特徴や実績が、他の要素まで照らすように全体の評価を左右するのが、ハロー効果の正体です。
ハロー効果には2つの側面があります。
このように、ハロー効果は良い方向にも悪い方向にも働きます。 つまり、印象ひとつであなたや組織の評価が大きく変わる可能性があるのです。
ハロー効果はビジネスにも密接に関係しています。うまく活用することで、企業や商品のマーケティング戦略が有利に働きます。
たとえば、商談時にきちんとした服装と笑顔、ハキハキした挨拶を心がけることで、相手に「信頼できる人だ」というハロー効果を与えられます。
第一印象のインパクトは、その後の評価を長く左右します(=「初頭効果」)。
肩書きや実績、受賞歴、専門家の認定などは、ハロー効果を引き出す強力な武器になります。
個人だけでなく、企業や商品にもハロー効果は有効です。
ハロー効果は便利な一方で、思わぬ逆風を呼ぶリスクも潜んでいます。
いかに好印象な人でも、「本当に求める能力やスキルがあるか」を多面的に見極める必要があります。採用や評価では、複数の評価者や具体的な評価基準を設けることも有効です。
「肩書きが立派だから…」「話し方が堂々としているから…」といった印象に流されず、実績や行動を客観的にチェックしましょう。
ハロー効果は感情に強く作用します。「好き」「嫌い」だけでなく、数字や成果、実際の経験をもとに評価するクセをつけることが重要です。
ハロー効果は、誰もが無意識に影響を受けてしまう認知バイアスです。しかし、その仕組みを知り、意識的に活用・コントロールすることで、ビジネスのさまざまな場面で役立てることができます。
この2つを意識するだけで、あなたの評価も、組織の成果も、ひと味違ったものになるはずです。
「印象の力」を武器にできるか――。それが、ビジネスで勝ち抜くカギとなるのです。