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2026

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    「スポーツの力で日本を元気に」——アルペン水野敦之社長が語る、挑戦のDNAと「体験」が創る未来

    「スポーツの力で日本を元気に」——アルペン水野敦之社長が語る、挑戦のDNAと「体験」が創る未来

     全国に400店舗を展開し、日本のスポーツ小売市場を牽引し続ける株式会社アルペン。創業50周年という節目に掲げた「スポーツをもっと身近に」というパーパスは、単なるスローガンにとどまらない。競技スキーに情熱を注いだ学生時代から、スポーツの本質的な価値を知る水野敦之代表取締役社長。同氏は、現在の市場をどのように見つめ、未来へ向けた戦略を描いているのか。「価格競争」という旧来のモデルから新たな「価値創造」へ。圧倒的な顧客体験を生み出す店舗戦略、そして同社に根づく「挑戦のDNA」について話を伺った。

    競技スキーと創業者の背中。原体験が育んだ「挑戦のスピリット」

    社長ご自身のキャリアの中で、経営観の原点となったご経験についてお聞かせください。

     幼少期から大学卒業まで打ち込んだ競技スキーの経験が、私の原点です。両親の影響でスキーを始め、大学卒業まで競技スキー漬けの日々を送りました。雪山という過酷な自然環境の中で、心・技・体を研鑽し、自己管理を徹底する。同時に合宿等を通じて「個の力を最大化させるチームワーク」の重要性を学びました。この経験で培った精神と組織観が、現在の経営理念にも反映されています。さらに、国内外の豊かな自然環境に身を置いた経験は、サステナビリティ活動への想いにも繋がっています。

     また、創業者である父(水野泰三氏のこと。現・代表取締役会長)の存在も欠かせません。常に現状に甘んじることなく、未知の領域へ挑み続ける背中を見て育ちました。「挑戦することが当たり前」という環境こそが、私の経営観の礎にあります 。

    価格競争から価値を足していく戦略へ。スポーツ小売における「体験」の重要性

    業界のトップランナーとして、スポーツ小売業の魅力と難しさをどうお考えでしょうか。

     最大の魅力は、私たちが「スポーツへの玄関口」となり、未経験者からトップアスリートまで、スポーツの魅力や価値を直接伝えられる点です。これは我々の使命でもあります。単一ブランドの直営店とは異なり、多種多様なカテゴリーやブランドを横断し、お客様一人ひとりのライフスタイルに合わせて最適なご提案ができるのは、私たちならではの介在価値です。偶然の出会いや発見から「ランニングを始めてみよう」と思っていただけるような提案ができるのも、面白さの一つですね。

     一方で、難しさはどうしても価格競争に陥りやすい点にあります。この課題を乗り越えるため、私たちが最も注力しているのは、「価格優位性」に依存せず、「体験という付加価値」を最大化することです。ECが普及した今だからこそ、リアル店舗には「高揚感のある体験」が求められます。店舗でのワクワクするような体験、一人ひとりに寄り添った専門性の高い接客、自分に最適な道具と出会う喜び、そして機能とデザインを両立させたプライベートブランドの開発など、多角的なアプローチで独自の顧客体験を創造していくことが、選ばれる理由になると考えています。

    「健康・自己表現・コミュニティ」。変化する市場とリアル店舗の意義

    日本のスポーツ市場は今、どのような変化を迎えているとお考えですか。また、その中でリアル店舗はどのような役割を担うのでしょうか。

     一昔前は、スポーツといえば「勝敗を競うもの」というシリアスなイメージがあり、未経験者には少し入りにくい部分がありましたが、最近は、「健康・自己表現・コミュニティ」といった3つのキーワードへニーズがシフトしています。ストイックな勝負の世界だけでなく、純粋に健康になりたい、美しくなりたいといった思いや、自己表現、共通の価値観を持つ仲間とのつながり、人生をより豊かにしたいといったニーズが高まっています。私自身も昨年フルマラソンに挑戦したことで、こうした新しい層が求めるサポートの在り方や必要性を身をもって実感しました。

     そうした中でリアル店舗の役割も、「モノを買う場」だけでなく「コトを体験する場」へ進化させています。10年ほど前から、体感や体験を重視する店舗づくりを進め、国立競技場と同じトラック素材の採用や、デジタルサイネージによる臨場感あふれる情報発信など、「ワクワクする」仕掛けを強化しています。

     そして、その体験価値の要となるのが「人の力」です。今期から「フルマラソン1,000人チャレンジ」を始動しました。私を含む社員の約4割がフルマラソン完走に挑戦することで、スポーツの醍醐味を知るとともに、練習の苦労や大会の熱量、サプリメントや道具の重要性や性能を体感し、「生きた体験」として語れるようになります。「実体験に基づく言葉」こそが、お客様の心を動かす最大の武器になります。体験に勝る提案はありません。

    PB開発と人の力。アルペンを支える絶対的な競争力

    貴社が持つ本質的な競争力とは何でしょうか。

     一つは、商品力です。ナショナルブランドの圧倒的な品揃えと、そこで拾いきれないお客様の細かな悩みを解決するPB開発力の両輪にあります。中でもプライベートブランドは創業当時から大切にしており、全国400店舗から吸い上げた顧客ニーズを即座にモノづくりへ反映できる体制は、他社にはない強みです。実は、スキーブームの最盛期には、オリンピックの金メダリストに用具を提供するほどの高度な開発力を持っていました。現在はエントリー層に向けた商品が中心ですが、かつての技術と情熱を現代に継承し、ゆくゆくは幅広いスポーツ領域において世界中のトップ層をも熱狂させ、愛用してもらえるようなブランドへと育てていきたいと考えています。

     もう一つの強みは、人の力の中でも創業時から流れる「挑戦のスピリット」です。業績が絶好調な時こそ、次なる新業態を構想するといったように、挑戦のDNAは社内に深く浸透しています。この攻めの姿勢を維持するためにも、私は社長就任以来、現場との対話を大切にしてきました。年に2回は全国を回り、現場の社員と直接意見を交わしていますし、役職ではなく「『さん』付け」で呼び合うフラットな組織文化も定着させてきました。「現場に足を運び、お客様の声に耳を傾ける」。そうして経営の解像度を上げることが、新しい挑戦を成功に導く最大の秘訣だと痛感しています。

    失敗を恐れず、自分がワクワクする道を。スポーツの力で日本を元気に

    経営判断において大切にしている価値観や、10年後の理想の姿、そしてビジネスパーソンへのメッセージをお願いします。

     経営判断において最も大切にしているのは、「自分たち自身が楽しいか、ワクワクするか」という非常にシンプルな問いです。自分たちが本当に行きたいと思える店、自分たちでお金を出してでも欲しいと思える商品やサービスでなければ、お客様をワクワクさせることはできません。常にこの原点に立ち返って判断を下しています。

     10年後には、それぞれの価値観でスポーツを楽しみ、心身ともにイキイキと過ごす人たちが日本に増え、スポーツが今より身近な状態になっていることが理想です。アルペンがそのための信頼されるパートナーとして、一人ひとりの挑戦や健康を支える存在であり続けること。スポーツの力で、日本中を元気にしていくことが、私の願いです。

     ビジネスの世界に身を置く皆さんも、ぜひ失敗を恐れずに挑戦を楽しんでほしいです。共により良い未来、ワクワクする日本を作っていきましょう。

    #アルペン#スポーツ#プライベートブランド#ウェルネス#健康

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