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2026

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    「検討はやめて、まずやってみろ」——開業25周年を迎えた埼玉高速鉄道・平野社長が語る、組織の壁を壊すリーダーシップと「延伸」への果てなき情熱

    「検討はやめて、まずやってみろ」——開業25周年を迎えた埼玉高速鉄道・平野社長が語る、組織の壁を壊すリーダーシップと「延伸」への果てなき情熱

     鉄道業界において、異彩を放つトップがいる。現場のヘルメット姿から信託銀行への出向、さらには東京駅や渋谷駅の巨大再開発プロジェクトを牽引してきたキャリアを持つ平野邦彦氏だ。同氏は、開業25周年という大きな節目を迎えた埼玉高速鉄道株式会社の代表取締役社長を務める。就任以降、若手社員の抜擢やフルフレックス、フリーアドレスの導入など、次々と組織改革を断行。長年の悲願である「延伸」構想が本格的に動き出す中、安全安定輸送という使命と、デジタル化の波をいかに両立させるのか。これからの時代に求められるリーダーシップや、若手ビジネスパーソンに贈る「5つの実践」など、興味深いお話を伺った。

    縦割りの壁を越えよ。若手タスクフォースが手作りで1万人を集めた25周年イベント

    先日開催された25周年記念イベントは大きな反響を呼びました。イベントを振り返って、どのような思いをお持ちですか。

     今回の25周年イベントは、単なる記念行事ではなく、組織のあり方を変えるための大きな挑戦でした。鉄道会社は安全を担保するために、どうしても上意下達で系統ごとの縦割り組織になりがちです。しかし、それでは新しいものは生まれません。そこで、横断的に串を刺すためのタスクフォースを作り、選出したリーダーの下、自ら手を挙げた11人に1年がかりのプロジェクトを任せました。

     結果として、社員の手作りでありながら約1万人ものお客様にご来場いただくことができました。日頃から社員が地域の皆さまと築いてきた関係値の賜物です。イベントでは、沿線のゆるキャラを「25周年だから」という理由で全25体集結させました。「神は細部に宿る」と言うように、やるからには徹底的にこだわり、背景にストーリーを持たせることが大切です。 「お客様への感謝」という明確な思いが原動力となり、自分たちで考えた企画が具現化する喜びを社員も感じてくれたはずです。このようなワクワクする成功体験こそが、会社を前に進める力になると信じています。

    「還暦前の人間ドック」と長年の悲願である「延伸」。会社が迎える2つの大きな節目

    25年という節目を迎えた今、経営トップとして最も強く感じている課題は何ですか。

     大きく分けて2つのテーマがあります。1つは、設備のメンテナンス です。人間で言えば還暦の手前、そろそろ体のきしみが出てくる時期です。人間ドックに入るように、安全安定輸送のための大型機器や車両の更新をきっちり行っていくステージに来ています。

     もう1つは、長年の悲願である路線の「延伸」 です。国や自治体との綿密な検討を経て、ついに事業実施要請を受けるという大きな節目を迎えました。今は終点で他の路線と接続しない、いわゆる「盲腸線」であっても、将来の人口減少や超高齢化を見据えれば、他路線である東武線と岩槻で繋いで人の流れを生み出すことが絶対に必要です。延伸によってアクセスが格段に良くなり、沿線価値は飛躍的に上がり、新しい街づくりへのトリガーになります。

     こうした次なるステージに向かうには、今のままの組織風土では対応できません。そこで、経営企画本部を新設する大幅な組織改編を行い、本社オフィスのリニューアルも実施しました。フルフレックスやフリーアドレスを導入し、部署の垣根を越えてコミュニケーションが生まれる環境 に作り変えました。環境を変え、意識を変えなければ、新しいチャレンジは生まれません。

    「検討はやめて、やってみる」。正解のない時代を切り拓くリーダーの条件

    「挑戦」という言葉が出ましたが、組織を動かす上で社長が最も大切にしている視点は何でしょうか。

     鉄道事業はサービス業です。常に使っていただくお客様の視点に立ち、自らの仕事や現場を客観的に見直す姿勢 が欠かせません。私はよく社員に「検討はやめてくれ」と言っています。会議で「今検討しています」と言っても何も生まれません。会社である以上、やるかやらないかしかなく、とりあえずやってみて、失敗しそうならすぐに改善すればいい のです。勝算が5割でもあるなら、まずは動き出すスピード感が何よりも重要です。

     私自身、東日本旅客鉄道(JR東日本)在籍時代には現場からいきなり信託銀行へ出向したり、東京駅や渋谷駅の巨大な再開発プロジェクトを任されたりしました。白紙のキャンバスに絵を描き、異なる思惑を持つ企業や行政と調整を重ねる日々でした。そこで学んだのは、自らが「どうしたいのか」という強い思いを持ち、自ら描かなければ人は寄ってこない ということです。正解がない中でプロジェクトを進めるためには、自分なりに考え抜き、分からなければ謙虚に外へ出て教えを乞う。そうしてチームで成し遂げていくしかありません。

    大手から貪欲に学ぶ。デジタルの効率化と「リアルな移動」の価値

    デジタル化が急速に進む中で、リアルのインフラである鉄道は今後どのように進化していくべきとお考えですか。

     リモートワークが普及した一方で、音楽のライブやイベントなど、リアルな体験への需要は爆発的に伸びています。鉄道は単に人を運ぶだけでなく、「人の思い」を乗せて走り、そこでの出会いや感動を生み出す手段 です。このリアルの価値がなくなることは決してありません。

     一方で、業務の効率化や安全性向上のためのデジタル化は急速に進める必要があります。例えば、直通他社の車両に搭載されているモニタリング装置を借用することでタイムリーに軌道の状態を把握しメンテンナンス行うといった「CBM(Condition Based Maintenance)」を推進し効率化を図っています。我々のような規模の会社は、自前で大規模な投資をするよりも、大手企業が開発した優れた技術にアンテナを張って、いち早く取り入れるスピード感こそが最大の武器 になります。

    障子を開け、外を見よ。これからの未来を担う若手ビジネスパーソンへ

    今後の「次なる挑戦」と、これからの時代を牽引する若手ビジネスパーソンへのメッセージをお願いします。

     今後の挑戦としては、やはり延伸構想の実現と、社員一人ひとりが自立したプロフェッショナルになるための「スキルアッププログラム(SUP)」の定着です。面談を通じて目標を明確にし、変化の激しい時代に対応できる人材を育成していきます。

     若い方々に伝えたいのは、 「5つの実践」 です。すなわち、自らを磨くこと、自らを変えること、自らやってみること、目を外に向けること、そして事実(ファクト)を知ること です。豊田佐吉翁の「障子を開けてみよ、外は広いぞ」という言葉があるように、内側だけに目を向けるのではなく、どんどん外へ出て様々な人から学んでください。私自身、今でも気になるお店やプロジェクトがあれば、ためらわずに裏側まで視察に行き、人に話を聞きに行きます。

     そして何より、強い「思い」を持ち、最後まで「やり切る」こと。 思いがなければ、すべては「やらされ仕事」になってしまいます。たとえ失敗しても、強い思いを持って挑んだ失敗は必ず大きな糧になります。謙虚に学び、ためらわずに動き出す。そうした姿勢が、自らの未来を切り拓く力になるはずです。

    #埼玉高速鉄道株式会社#組織改革#経営哲学#マネジメント#働き方改革#鉄道#インフラ#DX#キャリア#挑戦#ビジネス#地域活性化#街づくり

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