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2026

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    ふるさと納税で「赤字」の自治体と「黒字」の自治体──その違いや地域間格差とは

    ふるさと納税で「赤字」の自治体と「黒字」の自治体──その違いや地域間格差とは

     「応援したい自治体に寄附をして、返礼品ももらえる」──魅力的な制度として定着したふるさと納税ですが、「儲かる自治体」と「損する自治体」に二極化している現状があります。

     本記事では、ふるさと納税で自治体に赤字や黒字が発生する仕組みや、その背後にある地域間格差について解説します。

    ふるさと納税の仕組み

     納税者がふるさと納税を行うと、2,000円の自己負担額を除いた額が、翌年の住民税や所得税から控除されます。ここでのポイントは、「寄附した金額の大部分は、本来自分が住んでいる自治体に納めるはずだった税金である」という点です。

     自治体目線で考えると、収支は次の要素で決まります。

    • 流入(プラス):全国から集まった寄附金 = 受入額
    • 流出(マイナス):住民が他地域に寄附したことで減った税金 = 控除額(減収)
    • 経費(マイナス):返礼品の調達費やポータルサイトの手数料など = 募集経費

    なぜ「赤字の自治体」が生まれるのか

     2025年度の収支試算では、東京都をはじめ、神奈川県や大阪府、埼玉県といった都市部を中心に19都府県が赤字となったことが報じられました。大きな要因は2つあります。

    人口集中の都市部ほど「税収の流出」が膨れ上がる

     横浜市や東京23区などの大都市圏は、納税者の絶対数が非常に多いため、他地域へ寄附する住民の割合がわずかであっても、流出する税金の総額は大きくなります。

     さらに、都市部には全国的な知名度を持つ農水産物などの特産品が少なく、返礼品で寄附を集めにくいという弱点があります。結果として、入ってくるお金より出ていくお金が多くなってしまうのです。

    地方交付税の「補填ルール」による差

     税収が流出した場合、通常の自治体であれば、減収分の75%が国の「地方交付税」として補填されます。つまり、実質的なダメージは流出額の25%程度に抑えられます。

     しかし、東京都などの「不交付団体」には、この補填制度が適用されません。そのため、流出した分が100%そのまま純減となって跳ね返ってきます。大都市圏で巨額の赤字が発生する理由は、ここにあります。

    「黒字自治体」に共通するパターンの特徴

     一方で、大きな黒字を出している自治体も存在します。黒字額トップの北海道(約709億円のプラス)をはじめ、宮崎県や山梨県などが上位を占めています。黒字化に成功している自治体には、以下のような特徴があります。

    • 強固な「地域ブランド品」の存在:高級ブランド肉、新鮮な海産物、高級フルーツ、米など、全国の消費者に選ばれやすい返礼品を自前で確保できる地域です。
    • 高いマーケティング力と効率化:ポータルサイトへの出稿やSNSでのプロモーションに注力し、大量の受注を獲得することで配送費や調達コストの割合を下げています。

    新たな「地域間格差」と課題

     「地方の税収を増やす」という当初の理念で始まったふるさと納税ですが、現状では新たな地域間格差や歪みを生み出していると指摘されています。

    地方同士の二極化

     寄附が集まるのは、魅力的で豊富な特産品を持つ「強い自治体」に偏る傾向があります。地方でありながら特産品に乏しい自治体は、都市部と同様に税収が奪われる事態に直面しており、「地方対都市」だけでなく「地方対地方」の格差も拡大しています。

    行政サービスの維持費低下リスク

     都市部での巨額の税収流出は、巡り巡って住民自身の生活に影響を及ぼします。実際に、流出した税金が「小中学校の改築費数校分に相当する」と公表し、公共施設の修繕や子育て支援策の財源不足に苦慮する自治体も現れています。

    経費ルールと制度の相次ぐ見直し

     寄附金の約半分が返礼品業者やポータルサイトの手数料として消費されている実態を受け、2023年の「経費5割ルールの厳格化」をはじめ、2025年秋からの「ポイント還元付与の禁止」、2026年秋に見込まれる制度改正など、行き過ぎた返礼品競争を抑制するためのルール変更が順次進められています。

    終わりに:制度の背景を知り、納得感のある利用を

     お得な返礼品を受け取れる利便性の裏側で、私たちが住む地域の行政サービスを支える税金がどのように動いているのかを知ることは、健全な自治体支援の第一歩となります。

     制度のルール改正が続く今だからこそ、「寄附金の使い道」や「応援したい地域の取り組み」に注目して寄附先を選んでみてはいかがでしょうか。

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