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2026

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    天下の隈研吾先生に挑んだ「価値」へのこだわりと、次世代に遺す本物の資産

    #17天下の隈研吾先生に挑んだ「価値」へのこだわりと、次世代に遺す本物の資産

    原石からダイヤへ

     ニューメディア課長、メディア事業室長を務めたのち、2004年4月からは、東急の子会社でケーブルテレビを運営するイッツ・コミュニケーションズの社長に就任しました。16年に及ぶメディア事業での経験から、「これからの街づくりには、メディアと情報技術が必要だ」と声を挙げていたところ、2007年6月、取締役 開発事業本部長として東急へ帰任することとなりました。そこで陣頭指揮を執ることになった巨大プロジェクトの一つが、永田町にあるかつての「キャピトル東急ホテル」(現「ザ・キャピトルホテル 東急」)の建て替えです。

     ホテルの建て替えにあたり設計を手掛けてくださったのは、今や世界的な建築家である隈研吾(くま けんご)先生でした。先生の事務所が作成した計画に対して意見を述べるのは恐れ多いことのようにも思いましたが、それでも私は気になった点について、真摯にお伝えするようにしました。

     「外壁の構造が複雑で、これでは余分なコストがかかる」「中2階のバーから、ロビーの天井装飾の裏側が見えて、まるで屋根裏のようだ」

     そのようにストレートに伝えたのは、現場に何度も足を運び、細部にわたり計画を確認し、「もっとこうすれば、お客様にとって便利になる」「ビルの価値が上がる」という確信を持ったからです。

     その結果、隈先生は私の率直な意見を真剣に聞いてくださり、想像を上回る素晴らしい代案を生み出してくださったのです。地下鉄の国会議事堂前駅や溜池山王駅と直結させ、スムーズな動線を確保したことで、ホテルだけでなくオフィス部分の資産価値も飛躍的に向上しました。テナント誘致にも尽力しましたが、交通利便性と機能性が非常に高まったビルとして、市場から高く評価されることとなりました。

     「なぜそこまでこだわったのか」と問われれば、企業経営とはいかに「資産を築き、守り、次世代へ遺すか」が根底になければならないと思っていたからです。

     不動産開発によって生み出された建築物は、その後何十年にもわたってその場所に存在し続けます。それゆえ、目先の利益だけを優先して妥協をしてしまえば、数十年後には時代遅れの負債になりかねないのです。

     巨匠・隈先生との議論の積み重ねの結果、建て替え後のザ・キャピトルホテル 東急はまさに、「未来に誇れる本物の資産」になったのではないかと自負しています。

     今、私たちが果たすべき責務は、次世代を担う若者たちが誇りを持って働き、豊かな生活を送れるような強固な基盤をしっかりと築き上げることです。30年後、50年後の未来を見据え、自分たちの世代で「本物の資産」を一つでも多く遺していく。それこそが、街づくりを担う私たちの使命なのだと確信しています。

     
    写真提供:ザ・キャピトルホテル 東急

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