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2025

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    「学びが人生を変える」パスメイクHD社長が語る、教育を通じた社会課題解決への挑戦

    「学びが人生を変える」パスメイクHD社長が語る、教育を通じた社会課題解決への挑戦

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    国際資格専門校「アビタス」と日本語学校「TCJグローバル」を運営するパスメイクホールディングスは、現在日本が直面する重要な2つの社会的課題、「労働生産性の低下」と「生産年齢人口の減少」に挑戦している。

    同社が注力するのは、教育を通じて世界で活躍できる真の「グローバル人材」を生み出すことだ。特に、主力のアビタスが手掛けるのは、国境を越えて通用する専門人材の育成。同校では米国公認会計士(U.S.CPA)や公認内部監査人(CIA)といった国際資格の講座をはじめ、米国MBAなどの学位および修了証資格プログラムを提供している。また、法人向けの研修やキャリア支援としての人材紹介事業も行っており、日本企業の国際競争力の底上げを目指している。

    そんなパスメイクホールディングス、および株式会社アビタスの代表取締役社長として、グループを牽引する宇坂純氏。宇坂氏が一貫して大切にする理念とは。そして、いかにしてその理念にたどり着いたのか。その道程を伺った。

    宇坂社長が教育事業を志されたのには、どのような原点があるのでしょうか?

    私が教育事業を手掛ける原点は、大学時代まで遡ります。学生時代、東北大学で東洋史を専攻し、特に19世紀後半の中国の政治思想史に強く惹かれました。アヘン戦争以降、欧米列強の圧力と影響の中で、中国が西洋からの知識をいかにして吸収し、国家を強くしようと試みたのか。その事実を追い、500冊以上の書籍を読む中で、「人の意識とはいかに学びによって変化し成長するのか」ということへ関心を深めていきました。この経験が、のちに教育事業を志すきっかけとなっています。

    大学時代の研究がご自身の成長に繋がり、そこから教育事業に関心を抱いたのですね。卒業後はやはり教育業界へ進まれたのでしょうか?

    はい。大学卒業後は、新卒でベネッセに入社しました。はじめに担当したのが、学校支援事業です。山形県を担当する中、学校独自のアンケート調査を考案し、生徒の変化や学力状況を可視化することを、高等学校および本社へ提案、実現しました。この取組みは、のちに「スタディサポート」という、全国展開する教材の新機能として採用されることとなりました。

    つづいて、新規事業の国際教育事業部へ配属され、GTEC(スコア型英語4技能検定)やベルリッツ、およびJTBとのアライアンスによる海外研修事業や語学ビジネスを推進しました。そこで日中韓の高校生の英語力国際比較調査プロジェクトを主導し、その成果は、文部科学省の英語教育政策策定にも活用されました。

    日本に留まらずグローバルな教育事業を手掛けたのですね。その後はどのようなキャリアを歩まれたのでしょうか。

    先のさまざまな国際プロジェクトを経験する中で、海外市場への展開を強く意識し、そのためには「グローバルな経営スキル」が必要だと実感するようになりました。そこで、留学を決意し渡米、ミシガン大学でMBAを取得しました。幸運なことに企業戦略論の研究者としてアメリカでもっとも影響力の高い思想家・C.K.プラハラード教授に師事しました。そのご指導を通して、

    「ビジネスを通じて社会課題を解決する。そして、教育を通じて国境を超えて活躍するグローバル人材を創出する」

    という、自身のビジョンを明確にしました。

    アメリカでのご経験が現在の理念を形づくったのですね。卒業後もアメリカで仕事をされたのでしょうか。

    MBA取得後は、ベルリッツ社のニュージャージー州プリンストン本社に勤務し、経営戦略を担当しました。そこで経営幹部として、世界30カ国に展開するキッズ&ティーンズ部門で、6年連続の増収を達成しました。その後、同社が買収したテスト開発会社の社長として陣頭指揮を執りました。組織改革に注力し、AIを活用した自動採点テストの開発を推進することで、ターンアラウンド(経営再建)を実現しました。

    その後、ベルリッツジャパン株式会社取締役を経て、PEファンド投資先のプロ経営者としてパスメイク・アビタスに取締役CSO・COOとして参画し、創業者からの事業承継を受け、両社の代表取締役社長となりました。

    以降、パスメイクグループ全体の売上利益を成長させ、教育事業を通じて日本人の国際競争力を支え、グローバルスタンダード人材の育成に尽力し続けています。

    素晴らしいご活躍ですね。最後に、今後のビジョンについてお聞かせください。

    今後は、世界標準のルールを理解したマネジメント人材が、ビジネス現場で活躍できる社会づくりに力を入れていきたいと考えています。そのため、そうした人材の転職支援、成長産業へのマッチングをサポートしています。この事業は、お客様の人生の選択肢を広げ、日本社会のグローバル化と国際競争力向上に繋がり、日本の労働生産性を高めることにも貢献できると確信しています。

    また、日本が抱えるもう1つの大きな課題は、生産年齢人口の減少です。日本人の人口は減少していますが、一方で在日外国人は350万人超に達し、年々増加しています。こうした外国人人材を適切に受け入れ活かすことは、今後ますます重要となってきます。

    そこで、当社は日本語学校・TCJグローバルの事業を通じて、外国人への日本語教育と日本文化の理解、社会参画への支援を行い、生産年齢人口の減少という社会課題の解決に向け、貢献していきたいと考えています。

    私たちパスメイクグループは、

    「学びのチカラと学びの支援で、輝く人生を 豊かな社会を」

    というパーパスを掲げています。

    学びを通して将来の選択肢を広げ、学んだことを活かす夢を目標へと具体化し、その目標達成までをトータル支援するのが、パスメイクらしさだと思っています。そしてその支援を行うためには、何よりも私たち自身が、お客様のために学び、そして変えることができる「人財」であるべきだと考えています。

    現在私たちは、社会課題の解決に向け強い関心や使命感をもち、他者を巻き込み、結果を出すまで諦めない 「変える人財」 を、積極的に採用しています。そして、挑戦の機会や人財登用を通して、こうした人財が組織のあらゆるフェーズで活躍できるよう、取り組んでいる最中です。

    今はまだ道半ばかもしれませんが、教育業界における次世代リーダーを生み出し続ける企業グループへと、力強く成長していきたいと考えています。

    #グローバル人材#教育#国際資格#日本語学校#労働生産性向上#人材教育事業

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