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2026

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    「ボールはともだち」から始まる社会変革。メディアの先駆者が描く『キャプテン翼』とスポーツビジネスの未来図(前編)

    「ボールはともだち」から始まる社会変革。メディアの先駆者が描く『キャプテン翼』とスポーツビジネスの未来図(前編)

    「ボールは友達」。

     漫画家・高橋陽一氏が生み出したこの台詞は、1981年の『キャプテン翼』の連載開始から40年以上の時を経て、今なお世界中のサッカーシーンに深く根付いている。ジダン、メッシ、イニエスタといった歴代のスーパースターたちがこの作品に触発されてボールを蹴り始めたという事実は、同作がサッカー史に与えた影響がいかに偉大であるかを如実に物語っている。

     現在、この世界的IP(知的財産)の版権マネジメントを担い、高橋氏と共に社会人サッカークラブ「南葛SC」を牽引しているのが、株式会社TSUBASAの代表取締役・岩本義弘氏である。25年以上にわたりスポーツメディアの最前線に立ち、年間300人を超えるアスリートや経営者の本音を引き出してきた岩本氏。彼が見据える、スポーツと社会が溶け合う未来の姿とはどのようなものか。

    専門メディアに求められるのは、長年積み上げた「視点」と「信頼」

     岩本氏は、昨今のスポーツ専門メディアを取り巻く環境について、冷静な分析をみせる。かつては専門誌がコアなファンを独占していたが、現在はテレビの情報番組からSNSによる選手個人の発信まで、情報の流通経路が多角化している。紙媒体の衰退に加え、社会情勢の不安定さが広告市場を直撃する構造は、依然として根深いという。

     こうした「メディアの雑誌化」が進む中で、同氏が強調するのは「専門性と取材力の再定義」だ。情報の速報性ではSNSに及ばないからこそ、長年の経験に基づいた取材者の視点や、積み重ねてきた信頼こそが、代替不可能な価値を持つ時代になると岩本氏は説く。

    閉ざされた心を開く「スポーツの力」

     コロナ禍にあっても年間300人ものインタビューを敢行した岩本氏は、その経験からある確信を得たという。それは、 「スポーツには人の心を開かせる力がある」 という事実だ。

     どれほど寡黙な人物であっても、自身が情熱を注いだスポーツの話題になれば、途端に表情が輝き出す。岩本氏にとって、インタビューやメディアの枠組みづくりはもはやライフワークであり、スポーツを介せば誰とでも繋がれる──その感覚こそが、現在の活動の原動力になっているという。

    日本サッカーの熱狂と共に歩んだキャリア、『キャプテン翼』との邂逅

     岩本氏のキャリアは、日本サッカー界の激動期と見事に重なる。1997年、「ジョホールバルの歓喜」の直後にサッカー雑誌の創刊を会社に直訴。そこからフランスW杯、中田英寿氏のセリエA挑戦といった歴史的瞬間に、編集長として、あるいはインタビュアーとして立ち会い続けてきた。中田氏への独占取材や、ロシア時代の本田圭佑選手への密着など、第一線で築き上げた人脈と経験が、後に高橋陽一氏との深い縁をたぐり寄せることになった。

    漫画の枠を超えた、普遍的な「人間描写」への驚き

     高橋氏との交流は、2001年の特集記事をきっかけに始まった。共にフットサルを楽しむ中で深まった親交は、岩本氏に『キャプテン翼』という作品の奥深さを再認識させたという。

     高橋氏が弱冠20歳で連載を開始したこの作品には、主人公・大空翼が手にする「ロベルトノート」に象徴されるような、鋭い観察力と感受性が凝縮されている。「どこからこれほどの大人な考え方が生まれるのか」と、岩本氏は作者の感性に幾度も驚かされたと語る。

    世界を席巻する「文化的インフラ」としての魅力

     特に同氏が注目するのが、 「子どもたちへの訴求力」 だ。幼少期に強烈なインパクトを与える『キャプテン翼』の「友情、努力、勝利」というテーマは、国境を越えて普遍的な価値を持つ。アルゼンチン代表のガルナチョ選手が自身の足にキャラクターのタトゥーを刻むエピソードは、この作品が単なる漫画を超え、スポーツを通じた「文化的インフラ」として機能している証左であろう。

    トップリーダーから学んだ「天日干し経営」の実践

     2016年に株式会社TSUBASAを設立した岩本氏は、メディア人としてのキャリアが経営においても大きな武器になっていると語る。トップクラスの経営者たちへのインタビューを通じて、組織の透明性や再現性のある努力、失敗の活かし方を実践的に吸収してきたからだ。

     特に指針としているのが、Jリーグ5代目チェアマン・村井満氏から教わった 「天日干し経営」 という考え方だという。組織の課題を隠さず、陽の当たる場所で解決を図る。この徹底した透明性が、南葛SCの成長を支えている。関東サッカーリーグ1部(実質5部)で5年目。着実に事業規模を拡大させる背景には、「諦めなければ失敗ではない」という、メディアの現場で培った不屈の精神がある。

    記事内画像 ▲株式会社TSUBASA 代表取締役 岩本義弘氏

     
    後編へつづく

    #キャプテン翼#南葛SC#スポーツ#サッカー#地域密着#葛飾区#サッカーワールドカップ#ワールドカップ

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