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2026

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    「ボールはともだち」から始まる社会変革。メディアの先駆者が描く『キャプテン翼』とスポーツビジネスの未来図(後編)

    「ボールはともだち」から始まる社会変革。メディアの先駆者が描く『キャプテン翼』とスポーツビジネスの未来図(後編)

     「ボールはともだち」という名言を生み出した、サッカー少年のバイブル的存在である『キャプテン翼』。今やその影響は、日本全国のみならず世界のトッププレイヤーたちにまで広がっている。原作者の高橋陽一氏と共に『キャプテン翼』の世界的IP(知的財産)の版権マネジメントを担い、南葛SCを経営する株式会社TSUBASAの代表取締役・岩本義弘氏。

     後編では、名将・風間八宏監督を南葛SCへ招聘したエピソードや、同氏のサッカー専用スタジアムの建設構想、そしてサッカーファンの誰もが一度は夢見た『キャプテン翼』ミュージアム構想をも打ち立てる同氏の尽きないアイデアを伺った。

    前編はこちら>>

    「ボールはともだち」から始まる社会変革。メディアの先駆者が描く『キャプテン翼』とスポーツビジネスの未来図(前編)

    『キャプテン翼』という圧倒的な求心力

     現場のクオリティ向上についても、岩本氏は手応えを感じている。名将・風間八宏監督の招聘に成功したのも、作品が持つ求心力があってこそだという。2025年シーズン、関東サッカーリーグ1部で2位という好成績を収め、ベストイレブンに7名が選出されるなど、戦力は充実の一途をたどる。「数字では表せない何かを引き寄せる力」が、このクラブには宿っているのだ。

    地域を「横串」にする、スポーツによるコミュニティ創出

     ホームタウンである葛飾区との連携において、岩本氏は「地域密着」を徹底している。現在、南葛SCには400社を超えるパートナー企業が名を連ね、その約75%が地元の企業だという。

     特筆すべきは、スポーツクラブが媒介となることで、それまで接点のなかった地元企業同士が繋がり、新たなコミュニティが形成されている点だ。高橋氏が地元・葛飾の名誉区民であることも象徴となり、スポーツが地域社会を「横串」にする稀有な成功例となりつつある。

    スタジアム建設がもたらす「新しい社会インフラ」

     さらに、東京都区部初となるJリーグ基準を満たすサッカー専用スタジアムの建設構想も進展している。1万5,000人規模のスタンドに加え、『キャプテン翼』のミュージアム併設も検討されており、スポーツと文化、そして地域が一体となった次世代の社会インフラ創出を目指している。

     岩本氏は、 「地域に愛されることが、すべての起点」 だと断言する。勝敗に一喜一憂するだけでなく、勝っても負けても地域の誇りであり続ける存在。同氏は、日本のスポーツ界に根強い「勝利至上主義」の空気を塗り替えようとしている。

    日本の勤勉性とテクノロジーが拓く、グローバルな勝機

     グローバルなスポーツビジネスにおいて、岩本氏は日本の「底力」に期待を寄せる。外来の文化を磨き上げ、独自の価値に昇華させる日本人の勤勉性は、世界に誇れる武器になるという確信だ。

     課題は、現場の若手が持つグローバルな視点を、経営層が理解しきれていない点や、旧態依然とした組織体質にある。岩本氏は、属人的なノウハウや非効率な慣習を生成AIなどのテクノロジーで一掃し、合理化を進めるべきだと提言する。

    「知の民主化」が次世代のアスリートを育てる

     また、アスリートが持つ経験や哲学を「知の資産」としてアーカイブし、可視化する「知の民主化」も同氏のビジョンの一つだ。過去の知見をAIで抽出し、次世代が即座に活用できる仕組みを整える。そこに日本人の勤勉性が掛け合わされば、スポーツビジネスの可能性は飛躍的に高まると語る。

    「当たり前」の追求が、業界の常識を書き換える

     岩本氏が次に書き換えたい常識は、意外にも 「当たり前のことを当たり前にやること」 だという。世の中の一般常識が通用しにくいスポーツ業界だからこそ、理念を共有し、誠実に関係性を築くという基本の徹底が、最大のチャンスに繋がると考えているのだ。

    記事内画像 ▲株式会社TSUBASA 代表取締役 岩本義弘氏

     「ボールはともだち」という哲学は、今やサッカーの上達論を超え、国境も世代も超えて人々を繋ぐ社会哲学へと進化している。岩本氏は、 『キャプテン翼』は「現在の10倍、100倍の規模に育つポテンシャルを持つコンテンツ」 であると力を込める。

     葛飾からJリーグ、そしてその先へ。岩本氏が見つめるのは、単なるクラブの昇格ではない。南葛SCという存在を通じて、葛飾が、東京が、そして日本全体が活気を取り戻す未来だ。スポーツという名の社会インフラが、私たちの社会をより豊かに書き換えていく。

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