Diamond Visionary logo

10/5()

2025

SHARE

    あなたの命も預かる「見えない頭脳」。激変の「モビリティ社会」を支える、デジタル・インフォメーション・テクノロジーの神髄に迫る

    あなたの命も預かる「見えない頭脳」。激変の「モビリティ社会」を支える、デジタル・インフォメーション・テクノロジーの神髄に迫る

    独立系システムインテグレーターであるデジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:市川聡、以下DIT)は、システム開発を基盤に事業を展開するIT企業だ。今回はDITの事業のなかでも、車載機器や通信機器、産業機器やデジタル家電などの「頭脳」にあたる組込みシステムの開発を担う、「エンベデッドソリューションカンパニー(ES)」に注目したい。

    モビリティ社会を支える組込みシステム。その開発において、同カンパニーは高い技術力と豊富な実績を活かし、顧客はもちろん、すべてのユーザーの安心と安全を守るという揺るぎない信念を掲げているという。

    「エンベデッド(組込みシステム)」とは何か?

    そもそも「エンベデッド(Embedded)」とは、日本語で「組込み」と訳される言葉で、電子機器や機械の内部に組み込まれて動作する、特定の役割に特化したコンピュータシステムを指す。エンベデッドシステムは、洗濯機、テレビ、自動車、医療機器、工場の機械などに内蔵され、個々の機能を制御・管理するために使われている。エンベデッドソリューションカンパニーでは、特に自動車に関連する分野を主軸に開発を行っているという。

    「見えない頭脳」で社会を守る。ESの神髄とは

    私たちの身近にある自動車や家電製品、産業機器などには、「エンベデッドシステム(組込みシステム)」が数多く使われている。例えば、自動車のメーターパネルに表示される速度計や警告灯の制御にも、この技術が活用されている。

    「エンベデッドソリューションカンパニー」では、こうした機器の特定の機能を制御する組込みシステムを開発している。「モビリティ社会を変化・対応力で支え、人々を笑顔に」をモットーとし、常に高い専門性を持って開発に取り組むプロフェッショナル集団だ。

    また、同カンパニーが事業の最重要テーマのひとつとして位置づけているのが「セキュリティ」だ。たとえば、現代の自動車は、ナビゲーションや通信機能などを通じて、外部ネットワークと接続されることが一般的となっている。そのため、外部から不正アクセスされる可能性がる。もし攻撃者が速度メーターの表示制御を乗っ取り、どんなに速く走っても針が動かないとしたら――?ドライバーは速度超過に気づけず、大事故につながりかねない。

    こうしたリスクを未然に防ぐため、ESは設計段階から機能安全を意識した設計を取り入れている。具体的には、セキュアなコーディング規約の遵守、強固かつ高度な暗号化技術の採用、厳格なレビューと検証を徹底することでセキュリティの担保を行っている。

    その高い技術力、高品質、そして豊富な実績で、「便利さ」と「安心・安全性」を両立させ、製品価値とブランド信頼を高めるセキュアな組込みシステムを提供しているのだ。

    AIは万能ではない。だからこそ光る、堅実なAI活用術

    エンベデッド(組込み)業界でもAI(人工知能)への関心は高まっているが、IoT製品などと比べると導入はまだ遅れているという。特に自動車や医療機器などの組み込み機器は、リアルタイムでの制御が求められるため、AIの導入には慎重さが求められる。

    現在のAIはまだ万能ではなく、処理に時間がかかったり、誤動作したりする可能性がある。たとえば自動運転を例に考えてみよう。AIが画像認識で障害物を避ける機能を担っている場合、誤作動が起きれば事故につながる危険がある。

    こうした背景のなか、ESでは精密機器の開発にAIを活用している。

    • 設計や製造段階で、AIで生成またはレビューを実施することにより、不具合を早期に検出
    • テストフェーズのテスト設計やテスト実施でAIを活用し、品質検証のスピードを大幅に向上

     
    これにより開発効率の向上だけでなく、品質改善にもつながっているという。さらに、得られた知見を後継案件に横展開することで、持続的な効率化と品質向上を実現している。

    実績が物語る技術力。自動運転バス開発の裏側

    ESは、大手車載メーカーと共同で自動運転に対応した小型コミュニティバスの制御システム開発を手掛けた実績を持つ。対象は特定エリア内を運行する車両で、MaaS(Mobility as a Service)構想にも対応。自動運転と手動運転の切替コントロール、手動運転時の安全機能を中心に開発を担当した。

    具体的には、車両の速度や状態をリアルタイムで監視し、急激な舵角操作の抑制、異常検知時の緊急停止制御など、乗員の安全を第一に設計。さらに、運行管理センターとネットワーク連携し、遠隔からの自動運転モード制御も可能にしている。
    記事内画像 開発では、モデルベース開発を使っている。これは、コンピューター上で現実と同様の動作を再現できる「モデル」を作って、そのモデルでシミュレーションしながら開発を進める方法。このベースモデル開発により、シミュレーションによる動作検証と、ソースコードの自動生成によって効率と品質を両立。自動車業界で求められる厳格な品質基準にも準拠し、設計レビューや不具合解析を徹底して行ったという。

    自動運転や高度な車載システムの開発を検討している企業に対し、要件定義などの上流工程から、実装・検証・評価まで、一貫した開発支援が可能だと同社は語る。ESは、安心・安全、そして高品質なモビリティの実現に向けて、技術力とノウハウの蓄積を着実に進めているのだ。

    今後の展望:未来のサービスを支える中核技術の進化

    エンベデッド技術とは、家電や自動車、スマートフォンなど、私たちの身の回りにある多くの機器の中で「見えない頭脳」のように働いている仕組みだ。今後、スマート社会やモビリティ社会、IoT、AI、自動運転、スマートファクトリーなど、ますます幅広い分野で欠かせない基盤となっていく。

    この技術は単なる電子制御にとどまらず、「製品をサービスとして提供する」「データを活用してビジネスをより便利にする」といった、新しい価値づくりにもつながっている。さらに、AIやセキュリティとの連携によって、安心・安全を守る仕組みとしても重要な役割を果たす。

    また、グローバル市場においては、欧州で採択された「サイバーレジリエンス法(CRA)」に代表されるように、製品ライフサイクル全体にわたるセキュリティ確保が国際的な標準となりつつある。DITは、組み込みセキュリティのノウハウを活かし、こうした規制強化の流れに対応することで、より信頼性の高い製品・サービスの実現を支えていく構えだ。

    エンベデッドは、ただの専門用語ではない。製品の魅力を高め、暮らしや社会をより快適で安全にするための鍵となる技術なのである。表には出ない部分にこそ、次のビジネスチャンスと未来を支える力が隠されているのかもしれない。

    会社概要

    業務系・組込み開発を安定基盤とする独立系IT企業で14期連続増収増益を達成。

    Web改ざんを瞬間検知・瞬間復旧するセキュリティ商品 WebARGUS「ウェブアルゴス」や、働き方改革を支援する業務自動化プラットフォーム商品 xoBlos「ゾブロス」といった独自商品で更なる成長を図る。

    社名:デジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社
    上場市場:東証プライム(証券コード 3916)
    本社所在地:東京都中央区八丁堀 4-5-4 FORECAST桜橋5階
    代表者:代表取締役社長 市川 聡
    設立:2002年1月4日
    資本金:4億5千3百万円(2025年6月末時点)
    売上:241億5千万円(2025年6月期)
    URL:https://www.ditgroup.jp/
    事業内容:ソフトウェア開発事業

    お問い合わせ先

    デジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社
    担当者:IR部 榎本
    TEL:03-6311-6520
    E-mail:ir_info@ditgroup.jp

    あわせて読みたい

    記事サムネイル

    「技術力×信頼」で企業のDXを加速——DIT・e...

    記事サムネイル

    “ミドリムシクッキー”で子どもを笑顔に——「ユー...

    記事サムネイル

    「不具合の洗い出し」をするシステムテストはもう古...

    記事サムネイル

    空港から地方を体感!体験型ショップ&カフェ・和蔵...

    Diamond AI trial

    ピックアップ

    Diamond AI