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2026

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    京セラの「世界初」が未来へ語り継がれる——初代「セラミックス遺産」に選ばれた2つの伝説的技術

    京セラの「世界初」が未来へ語り継がれる——初代「セラミックス遺産」に選ばれた2つの伝説的技術

     日本が誇る素材技術の歴史に、新たな光が当てられた。公益社団法人日本セラミックス協会が2025年度より開始した認定制度「セラミックス遺産」。その記念すべき第1回認定において、京セラが過去に手がけた2つのプロダクトが選出された。

     今回認定されたのは、1969年に開発された「大規模集積回路(IC)用セラミック多層パッケージ」と、1981年に公道走行を実現した「無冷却オールセラミック自動車エンジン」だ。これらは単なる過去の遺産ではなく、現代のデジタル社会や次世代のエネルギー効率追求の原点ともいえる技術である。

    記事内画像 ▲東京都内で行われた表彰式の様子

    現代社会の「心臓部」を支える1969年の発明

     今回「セラミックス遺産」に認定された一つ目が、世界初の 「大規模集積回路(IC)用セラミック多層パッケージ」 である。

     1969年当時、京セラはいち早く高精度な積層技術と内部多層配線を実用化した。これによりICの高密度化と高信頼化が飛躍的に進み、今日のスマートフォンやPC、さらには高度な計算能力を必要とするAIサーバーの発展へと繋がっていく。

     特に、独自の同時焼成法によって実現した小型・軽量かつ高い耐久性は、情報通信分野のみならず、過酷な環境下での動作が求められる宇宙や医療の現場でも重宝された。日本のものづくりを象徴するファインセラミックス技術が、いかに世界の産業構造を変えたのか。その技術的価値と高い産業貢献性が、今回の認定理由となっている。

    記事内画像

    エンジンの常識を覆した、桜島での「挑戦」

     もう一つの認定案件は、1981年に誕生した世界初の 「無冷却オールセラミック自動車エンジン」 だ。

     当時の自動車業界を驚かせたのは、鹿児島県・桜島での実証走行である。3気筒・2800ccのディーゼルエンジンの主要高温部品に、耐熱性に優れた窒化ケイ素を採用。これにより、従来のエンジンには不可欠だった「冷却システム」を排除した「無冷却運転」を公道で実現したのである。

     セラミックスの耐熱性を最大限に引き出そうとしたこの試みは、その後の耐熱セラミックス研究に大きな刺激を与えたという。残念ながらオールセラミックエンジンの量産化には至らなかったが、この挑戦から生まれた知見は、現在の各種産業機器用のセラミック部品へと展開され、その技術は進化を遂げながら受け継がれている。先進的な技術開発の足跡として、その技術史的価値は極めて高いと評価された。

    記事内画像

    価値を次世代へつなぐ「セラミックス遺産」

     「セラミックス遺産」は、技術史的・文化的価値に加え、その価値を広く社会へ伝えるための保存継承活動も含めて総合的に評価される。第1回となる2025年度は、12件の候補の中からわずか5件が正式に認定された。

     京セラが歩んできた60年以上にわたる技術開発の軌跡は、まさに日本のファインセラミックス産業そのものの歴史でもある。認定された2つの技術は、私たちが享受している現代の利便性が、いかに先鋭的な挑戦の積み重ねの上に成り立っているかを改めて教えてくれる。

    セラミックス遺産認定制度の詳細はこちら

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