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卵のプロが挑む「代替卵」。キユーピー「HOBOTAMA」が食品技術賞を受賞した理由
ビジョナリー編集部 2026/06/08
キユーピー株式会社が展開するプラントベースの卵代替食品「HOBOTAMA(ほぼたま)」に関する技術開発(※1)が、公益財団法人 飯島藤十郎記念食品科学振興財団が主催する「2025年度飯島藤十郎食品技術賞」を受賞した。同社グループとして本賞を受賞するのは今回が初めてだという。
「HOBOTAMA」は、植物性原材料をベースにしながら独自の技術で卵の味わいを再現したプラントベースフード(※2)だ。今回の受賞では、同製品の技術開発が食生活や食文化の向上、健康増進、そして食品産業の発展に寄与するものであると高く評価された。2026年4月10日には、山崎製パン総合クリエイションセンターにて授与式が執り行われた。
(※1)2025年度 飯島藤十郎賞業績概要:https://www.iijima-kinenzaidan.or.jp/pdf/2025achievement_6.pdf
(※2)植物由来の原材料を使用し、畜産物や水産物に似せて作られている食品のこと(消費者庁ホームページより)
受賞の概要
- 賞の名称: 2025年度飯島藤十郎食品技術賞
- 授与機関: 公益財団法人 飯島藤十郎記念食品科学振興財団
- 研究課題: プラントベースの卵代替食品「HOBOTAMA」に関する技術開発
世界最多の卵特許を持つ企業が、あえて代替卵に挑んだ背景
キユーピーグループにとって、卵はマヨネーズやさまざまな加工品の核となる主要原料だ。驚くべきことに、同グループが取り扱う卵の量は国内鶏卵生産量の約1割(約25万トン)に相当するという。さらに、卵に関する特許の保有数は世界最多の125件を誇る(※3)。
まさに「卵を知り尽くした」同社が、なぜ卵を使わない製品開発に乗り出したのか。その根底には、アレルギーなどの理由で卵を食べられない方にも「卵のおいしさを楽しんでほしい」という強い思いがあった。長年培ってきた卵の知見があるからこそ、その魅力や可能性を多方面から追究する中で「HOBOTAMA」という革新的な答えにたどり着いたのだ。
(※3)長年の卵研究で培った豊富な学術的知見をはじめ、殻や膜まで余すことなく活用する独自技術など、同一発明に関わる各国特許権を1件としてカウント(2026年3月現在)
開発に2年の歳月をかけた商品。プロのシェフが作る「半熟感」を目指して再現

2021年に業務用として登場した「HOBOTAMA」(※4)は、スクランブルエッグのような見た目と食感、そしてシェフが手作りしたかのような絶妙な半熟感を再現している。ベースとなるのは豆乳加工品だが、そこに卵の加工技術やマヨネーズ作りで磨かれた乳化技術を応用。約2年もの開発期間を経て、特許取得済みの独自配合を完成させた。
そのクオリティは高く、プラントベースメニューを提供するホテルや飲食店、さらには食物アレルギーへの配慮が求められる保育園や幼稚園の給食などでも採用が進んでいる。
さらに、一般消費者からの「購入したい」という声に応え、2022年には市販用として「HOBOTAMA スクランブルエッグ風」と「HOBOTAMA 加熱用液卵風」の2品を発売した。特に「加熱用液卵風」には脱脂アーモンドパウダーを採用。溶き卵を加熱すると固まるという特有の性質を再現し、家庭での加熱調理を可能にした点も、同社の高い技術力を裏付けていると言えるだろう。
(※4)発売当時の商品名。現在の商品名は「GREEN KEWPIE HOBOTAMA(スクランブル)」です
【飯島藤十郎賞とは】
食品科学、特に主要食糧を原料とする食品の素材や加工技術、安全性、機能性などにおいて優れた業績を上げた研究者やグループに贈られる賞。中でも食品技術賞は、食品の技術開発において顕著な功績が認められた場合に授与される。
公益財団法人 飯島藤十郎記念食品科学振興財団HP
https://www.iijima-kinenzaidan.or.jp/
【参考】「GREEN KEWPIE HOBOTAMA」商品サイト



