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2026

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    「できない理由より、どうしたらできるか」――京王電鉄・都村社長が語る、“江戸時代の大家さん”的街づくりと次世代鉄道への挑戦

    「できない理由より、どうしたらできるか」――京王電鉄・都村社長が語る、“江戸時代の大家さん”的街づくりと次世代鉄道への挑戦

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     コロナ禍を経て人々の移動やライフスタイルが大きく変化する中、鉄道事業は転換期を迎えている。京王電鉄で代表取締役社長を務める都村智史氏は、鉄道事業を「日常を届ける誠実な仕事」と語る一方、オープンイノベーションによる新事業創出やAI活用など、次世代の鉄道のあり方を模索し続けている。これからの鉄道会社に求められる役割とは何か。沿線地域のプレーヤーを巻き込む「現代の大家さん」としての街づくりから、社員の挑戦を後押しする企業文化、さらには次世代に向けた変革への覚悟まで、都村社長の思考に迫った。

    鉄道会社に求められるのは「現代の長屋の大家さん」の役割

    沿線の高齢化や人口動態の変化が進む中、京王グループ様が社会で果たすべき公共的役割をどのように考えていますか。

     交通機関として「安全・安心」を最優先することは、時代や社会環境がどう変化しようと普遍的な使命です。一方で、沿線の状況は地域によって異なります。高齢化が進むエリアがある一方で、調布や稲城などのように生産年齢人口が増加している地域や、コロナ禍によるライフスタイルの変化で、郊外に広さや子育て環境を求めて若い世代が移り住み、復権している地域もあります。

     こうしたまだら模様の状況下において、我々は単なる鉄道会社やデベロッパーではなく、地域に密着し、地域の方々と一緒に暮らしていく立場の人間 です。ステレオタイプの街づくりではなく、地域の特性に合った街づくりを行わなければなりません。

     私たちが目指しているのは、「江戸時代の長屋の大家さん」のような役割 です。昔の大家さんは単なる物件オーナーではなく、地域の顔役として人々の交流を図り、そこで起こる事象を裁いていくような存在でした。現在、聖蹟桜ヶ丘や京王多摩川での開発でも、高架下や共有スペースを活用して地元の方々が自然と集まり、キッチンカーが出店したり、予想不可能な形で新しい活気が生まれたりしています。我々がハブとなり、昔から住む方と新しく移り住んできた方が融合するプラットフォームをつくること こそが、これからの鉄道会社が行うべき街づくりの本来の姿だと考えています。

    落選した社員が通過した社員を自主的にサポート。京王ならではの「誠実さ」

    社長が実感されている、京王ならではの社風を感じるエピソードなどはありますか。

     鉄道会社ですから、間違いのない機能を日常としてお客様にお届けするという文化は根付いています。それに加えて、うちの会社には独特の良さがあると感じています。

     近年、社員のやりたいことをスタートアップとマッチングさせて事業化する「オープンイノベーション」の取り組みを始めました。多数のアイデアから審査を経て絞り込んでいくのですが、その過程で選考から落ちてしまった社員たちが、自分たちは力及ばずでも、選考に残って頑張っている人のサポーターになっている のです。自分の持っているネットワークを紹介したり、プレゼンを手伝ったりと自発的に動いてくれています。

     これには現場の若手社員たち自身も「京王らしさってこういうことですよね」と語っていました。京王プラザホテルでは、ユニバーサルデザイン推進やエコロジー活動など、有志のチームが自発的に立ち上がり、活動を長く続けてきた歴史もあります。こうしたファミリアルな仲間意識や、同じ問題意識を持って「やってみよう」と協力し合えるカルチャー は、我々の誠実さの表れであり、これからも大切にしていきたい社風です。

    AI・デジタル活用で、オペレーションから「ホスピタリティ」へ

    中期経営計画の推進において、社長がこの数年で特に形にしたいプロジェクトや挑戦について教えてください。

     鉄道事業自体がここで変わらなければ、持続可能性を担保できなくなる という強い危機感を持っています。人口減少に加え、採用環境も厳しい中で、質を落とさずに効率性を上げていくには、AIやデジタルの活用が最大のテーマです。

     現在は、保守管理を予測可能なものにするシステムや自動運転、AIアバターを活用した駅オペレーションの実証実験などをスピード感を持って進めています。これからの5年から10年の間にどこまで変革できるかが、次の時代の鉄道事業の将来を決めるでしょう。

     現場には「AIの導入で自分たちの仕事がなくなるのでは」と不安に思う声もあるかもしれません。しかし、そうではありません。日常のオペレーションはAIやデジタルに任せ、人間はよりクリエイティビティーが求められる仕事へシフトしていく のです。例えば、新しい問題を発掘することや、お客様へのホスピタリティの向上、そして地域の人たちと一緒に街づくりを進めることなど、人間にしかできない高度なサービスへと軸足を移していく ことが、京王線の魅力をさらに高めることにつながると信じています。

    「できない理由より、どうしたらできるか」マイナス思考からの転換

    最後に、新入社員や若手ビジネスパーソンに向けてのメッセージをお願いします。

     鉄道会社は「安全・安心」が第一ですから、石橋を叩いて渡る慎重さが絶対に必要な世界です。しかし、新しい価値を創り出そうとする時には、それだけでは通用しません。「できない理由を言うなら、どうしたらできるかを言おう」 というフィロソフィーを大切にしていきましょう。

     できない理由は誰にでも言えます。しかし、どうしたらできるかを考えるのは、頭を使いますし、鋭い観察力が必要です。若い方々には、マイナス思考からプラス思考へと転換してほしい と強く思います。

     そして、その結果としての失敗は恐れないでください。致命傷にならない挑戦であれば、やってみる価値があります。現在スタートアップと共に進めている「奥多摩ヤマメ」の事業なども、失敗のリスクはありますが、やってみなければわかりません。たとえ失敗しても、それは次の糧となり、必ず何かに繋がっていく はずです。

    #京王電鉄#街づくり#オープンイノベーション#次世代鉄道#キャリア#自己啓発

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