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2026

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    試作90本、ネーミング案1,000本……「ヒロインメイク」20周年記念マスカラが、前例のない独自ブラシにこだわった背景

    試作90本、ネーミング案1,000本……「ヒロインメイク」20周年記念マスカラが、前例のない独自ブラシにこだわった背景

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     株式会社伊勢半が展開する「ヒロインメイク」は、2005年に誕生し、2025年に20周年を迎えました 。往年の少女漫画を彷彿とさせる劇画調のキャラクターと、「少女漫画のヒロイン」という鮮烈なコンセプト。その独自の世界観は、誕生当時から業界に大きな衝撃を与えました。

     しかし、ヒロインメイクの本質は、単に奇をてらったビジュアルだけではありません。長年培われた伊勢半の“ものづくりへのこだわり”が結実した高い品質と機能性こそが、今や国内外で多くのファンを惹きつける理由となっています。

     今回は、ブランドの節目に満を持して投入された 完全新作マスカラ「ラッシュハイプ」開発の裏側 について、商品プランナーの若狹汐美氏と商品設計担当の松永美香氏の話から、そのヒットの秘訣を紐解きます。

    ヒロインメイクは20周年を迎えました!

    記事内画像 ▲ヒロインメイク商品プランナー 若狹汐美氏。

    記事内画像 ▲ヒロインメイク設計担当 松永美香氏。

    「ヒロインは涙を流しても美しい」という直感が生んだ、前代未聞の挑戦

     ブランド名にも冠されている「ヒロイン」というキーワードは、立ち上げメンバーのある“ひらめき”から生まれたものだといいます。

     当時、驚異的な耐久力とカールキープ力を持つマスカラが開発されましたが、その凄さを伝えるコンセプトの着想に、担当者は頭を悩ませていました。そんな折、ふと脳裏をよぎったのが、当時話題になっていた 昭和の少女漫画を実写化したドラマでした。

      「少女漫画のヒロインは、涙を流しても、汗をかいても、いつだって美しい目もとを崩さずに描かれている。この耐久力を表現するのに、これ以上の言葉はないのではないか」

     この確信が、「少女漫画のヒロインのような魅力的な目元になれる」という唯一無二のコンセプトに繋がりました。

    姫子が天からファンのみなさんへ 感謝のスペシャルムービー

    記事内画像 ▲ヒロインメイクのオリジナルキャラクター「エリザベート・姫子」。美の王国の王女として、美に悩める人々を導く設定だ。

     ビジュアルの検討段階でも、メンバー間で激しい議論が交わされました。メルヘンなイメージからクールな女性像まで、さまざまなヒロイン像を模索し、ブランドにふさわしい姿を追求したといいます

    こうして誕生した「ヒロインメイク」でしたが、キャラクターを前面に押し出したパッケージは、当時のコスメ業界では前代未聞の挑戦。不安視する声も少なくありませんでした。 しかし、蓋を開けてみれば、機能性を高く評価する口コミが瞬く間に浸透。発売1年目でベストコスメを受賞する快挙を成し遂げました。現在では、 単品アイメイク市場においてシェアNo.1※を誇るモンスターブランドへと成長を遂げています。

    ※ 出典:【データ】インテージSRI+ 【チャネル】DgS,SM,HC 【対象商品】セルフ商品 【カテゴリー】単品マスカラ・単品アイライナー 【期間】2025年 3月~8月 記事内画像 ▲2005年のブランド誕生当時の商品。このパッケージが20年前に与えたインパクトは計り知れない。

    20年目の「禁断の投資」——独自開発ブラシと新処方へのこだわり

    2025年、20周年という節目に登場したのが、独自開発の“ハイパーリフトブラシ”と新処方“グラムラッシュフォーミュラ”を搭載した「ラッシュハイプ」です 。これは、20年かけて盤石な地位を築いた今だからこそ挑めた「攻めの商品」なのだと開発陣は語ります。

    指先超えブラシがまつ毛を根元からリフト&カール!ヒロインメイクから主役級 立体美まつ毛が叶う新マスカラ登場!

    記事内画像 ▲新発売の「ヒロインメイク ラッシュハイプ」。

    若狹氏: 「ラッシュハイプ」で目指したのは、今のヒロインメイクが提供できる“最高のマスカラ”です。新たにブラシをゼロから独自開発することは、莫大な時間とコストを要する、会社としても非常に大きな投資でした。失敗が許されないプレッシャーの中、設計担当と1ミリ以下の寸法まで突き詰め、90本近い試作品を吟味しました。伊勢半の研究所が持つ基礎研究の知見を総動員することで、短期間でこれまでにない品質の処方を完成させることができました。

    記事内画像 ▲特徴的なブラシは、広い面でまつ毛を根元から引き上げ、先端の操作性で細かい部分まで仕上げられる設計だ。

    松永氏: 令和の時代に求められる“上品で美しい盛れ感”という絶妙なバランスを実現するため、処方とブラシの両面から徹底的にアプローチしました。特にこだわったのは、操作性、カール保持力、そしてダマのないなめらかな塗膜の3点。コームの歯の角度や硬さを微調整し続け、ブランド初となる成分を配合することで、つるんとした質感と圧倒的なキープ力を両立させることに成功しました。

    記事内画像 ▲ボリュームを出しながらも、厚塗り感のない洗練された仕上がりを実現している。

     すでに盤石なラインナップを持つ中で、あえて「ラッシュハイプ」を投入する。その意義を巡っては、社内でも熱い議論が交わされたといいます。

    「1,000本ノック」のようなネーミング案、そして4時間の密談

     「ラッシュハイプ」は、最初から **グローバル展開を見据えた戦略的商品 **として開発されました。2006年から始まった海外展開も好調で、今や現地のベストコスメに名を連ねるほどですが、今回は国内外両方の市場で通用するネーミングとデザインに、並々ならぬ苦労があったといいます。

    若狹氏: 海外でもインパクトがあり、かつ商標や規制をクリアする言葉を探し、まるで「1,000本ノック」のように案を出し続けました。そうしてたどり着いたのが、“HYPE(ハイプ)”という言葉。「盛り上がる」「イケてる」といった現代的なニュアンスを持つこの言葉こそが、新しい挑戦にふさわしいと考えたのです。また、あえて売場で目立たないとされる「ブラックベース」のパッケージを採用しました。ピンク基調の什器の中で逆に存在感を際立たせるという、20年築きあげた自信があるからこその逆転の発想でした。

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     一方、設計の松永氏も、初めて採用する「エラストマー」素材のブラシ開発で壁にぶつかっていました。

    松永氏: ゴムのような弾性を持つエラストマーブラシは、形状の自由度が高い一方で、サプライヤーとのイメージ共有が極めて困難でした。理想とは異なるサンプルが届き、担当者全員で頭を抱えたこともありました。しかし、改良依頼を詳細な図解で行い、時には4時間以上にわたるミーティングを重ねるなどの末に、ようやく納得のいく形状を完成させたのです。

    「変わらない信念」と「変わりゆく理想」の狭間で

    ブランドの誇りをかけた挑戦となった「ラッシュハイプ」。最後に、両氏が描くヒロインメイクの未来について話を聞きました。

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    若狹氏: 20年で環境は変わっても、プランナーとして「より良いアイテムを生み出す」という本質は変わりません。「猛暑の滝汗でもヒロインメイクなら大丈夫」という絶大な信頼を裏切ることなく、時代と共に変化する“理想のヒロイン像”を捉え続けたい。それを簡単に、一日中再現できる耐久アイメイクを追求していく決意です。

    松永氏: 学生時代から愛用していたブランドの節目に携われたことに、深い感慨を抱いています。先輩たちが築き上げた情熱と技術というバトンを重んじつつ、今の時代の感性に応えることで、ブランドの魅力をさらに広げていきたいです。

     前代未聞のビジュアルで登場し、20年かけてシェアNo.1※の地位を不動のものにしたヒロインメイク。その成功に安住することなく、顧客の「いちばんほしいを、いちばんに」実現しようとする挑戦は、これからも続いていくに違いありません。

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