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252名の応募が突きつけた「夢の格差」。物価高に抗い、アルプロンがジュニアアスリート支援を貫く理由
ビジョナリー編集部 2026/07/23
2026年2月から4月にかけて実施された、第2回「アルプロン ジュニアアスリート支援プロジェクト」。全国から集まった応募数は252名にのぼった。プロテインメーカーであるアルプロン側は、当初この数字の大きさに驚いたという。しかし、彼らが本当に衝撃を受けたのは、その後に目を通した一人ひとりの応募書類に綴られた「言葉」だった。そこには、華やかな競技成績の裏側に隠された、切実な現実が刻まれていた。
「やりたい」と言えない子どもたちの葛藤
スポーツを継続するには、多額の費用がつきまとう。遠征費、用具代、大会参加費、そして体づくりに欠かせない栄養補助食品。いずれも高いレベルで競技を続けるためには不可欠なものばかりだ。
昨今の物価高騰は、その負担をさらに重くしている。応募者の中には、「海外遠征に行きたかったけれどあきらめた」「親にこれ以上負担をかけられないと思った」といった、苦渋の決断を迫られた声が散見されたという。
特に同社が印象的だったと語るのが、 “やりたいと言えなかった” という言葉だ。子どもたちは決してわがままを言っているのではない。むしろ家族の経済状況を鋭敏に察しているからこそ、自らの夢を押し殺し、後回しにしている。そんな現代のジュニアアスリートが置かれた構図が見えてくる。
252という数字に込められた「家族の物語」
アルプロンにとって、252名という応募数は単なるデータの集積ではない。それは252通の挑戦状であり、252通りの夢、そして252の家族が抱える物語そのものだ。
書類を読み進めるたびに、選考委員の間では「この子の挑戦を何とかして応援したい」という思いが何度も沸き上がった。数字の背後にある熱量と切実さが、支援の意義を改めて問い直すきっかけとなったようだ。
企業も苦境、それでも支援を止めない理由
支援を行う側のアルプロンも、決して順風満帆なわけではない。世界的な原材料価格の高騰に直面し、製品の価格改定という苦渋の決断を下さざるを得ない局面もあった。
自社もコスト増に苦しむ中で、なぜプロジェクトを継続するのか。その根底にあるのは、「子どもたちの挑戦の機会が、家庭の経済状況によって左右される社会であってほしくない」という強い信念だ。同社は自らを単にプロテインを販売するだけの存在とは考えていない。それ以上に、挑戦する人を応援する会社でありたい。 そのアイデンティティこそが、支援を続ける最大の原動力となっている。
支援がもたらす「人生の転換点」
プロジェクトの意義は、昨年の第1回ゴールド支援賞受賞者であるテニスの阿部煌大選手の活躍が証明している。支援を機に海外遠征へと踏み出した阿部選手は、全国大会準優勝、国内ランキング1位を獲得。さらに国際大会での初優勝を経て、世界ジュニアランキングを1660位から779位(2026年6月時点)へと一気に跳ね上げた。
しかし、同社が最も価値を感じたのは、数字上の結果だけではない。阿部選手が漏らした 「人生が大きく変わった」 という言葉だ。
支援がもたらすものは、金銭的な補助にとどまらない。「誰かに応援されている」という実感や、「自分の可能性を信じてもらえた」という原体験。それらが子どもたちの心に火を灯し、未知の領域へ踏み出す大きな力に変わるのだ。
挑戦をあきらめない社会の実現へ
今回のプロジェクトを通じて、アルプロンは多くの学びを得た。才能があるだけでは不十分で、それを開花させるための「挑戦できる機会」がいかに不足しているか。その現実を前に、同社はスポーツに真剣に向き合う子どもたちを支え続ける決意を新たにしている。
252名の応募。それは一つの通過点に過ぎない。夢をあきらめなくて済む社会を目指し、アルプロンとジュニアアスリートたちの新たな挑戦が、ここから加速していく。


