「答えは、ベンチにはない。」自立した“個”を創る...
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鹿島学園サッカー部大躍進の裏にあった「鈴木雅人監督AI」の存在――監督の哲学を学習した「DIAMOND AI」を導入
ビジョナリー編集部 2026/01/12
第104回全国高校サッカー選手権大会。国立競技場決勝まで初めて駒を進めた、茨城・鹿島学園。その大躍進の裏に、これまでの高校スポーツの常識を覆す、ある「秘密兵器」の存在があった。
それは、最新鋭のトレーニング機器でも、海外の戦術分析ソフトでもない。監督・鈴木雅人の思考と哲学を学習した対話型AI・「鈴木雅人監督AI」である。
「鈴木雅人監督の哲学を学習し、100人の部員全員に『個別のメンタリング』を提供する」。スポーツ教育における未踏の挑戦が、同部の躍進を呼び寄せた。
「監督、どうすればいいですか?」に、AIは安易に答えない
強豪校が抱える普遍的な悩み。それは「指導者の目が届く範囲の限界」だ。部員が100名を超えれば、監督が一人ひとりと毎日じっくり対話することは物理的に不可能になる。だが、多感な高校生は日々、悩み、迷っている。
「明日の試合が怖い」「どのくらいトレーニングをしたら良いのか」「進路に迷いがある」
そうした心の悩みに答えるために導入されたのが、鈴木監督の指導方針、価値観、過去の発言、そして話し方の特徴までも学習させた「鈴木雅人監督AI」である。
株式会社ダイヤモンド・ビジネス企画が開発する、書籍から著者の考えを学習する「DIAMOND AI」を元に開発された同AI。その特徴は、 「安易に答えを与えない」 ことにある。生徒が悩みを打ち明けても、鈴木監督のAIは「こうしなさい」とは言わない。代わりに、鈴木監督ならこう言うであろうという、本質的な「問い」を投げ返す。
『その不安の正体は、準備不足から来るものか? それとも期待へのプレッシャーか?』
『今、自分でコントロールできることは、何がある?』
まるで監督と一対一で向き合っているかのような問答。生徒たちはスマホを通じて、24時間いつでも「内省」の壁打ち相手を手に入れたのだ。
「思考の体力」が土壇場の勝敗を分ける
なぜ、対話型AIがサッカーの勝敗に直結するのか。鹿島学園が出した答えはシンプルだ。「言語化能力は、判断力に比例する」からだ。
DIAMOND AIとの対話を通じて、選手たちは以下の3つの力を徹底的に鍛え上げられる。
①自己理解: 漠然とした感情を言語化し、客観視する力
②内省と気づき: 問いに対して深く考え、自分なりの解を導き出す習慣
③主体性: 誰かの指示ではなく、納得感を持って自分で決断する姿勢
ピッチ上でハプニングが起きた時、ベンチの指示を待つようでは遅い。日頃からAIとの対話で「自分で考える癖」がついている選手は、極限状態でもパニックにならず、自律的に最適解を選び取ることができる。 決勝戦の拮抗した展開で鹿島学園が競り勝てたのは、この「思考の体力」の差に他ならない。
テクノロジーは、情熱を拡張する
「教育×DX」の文脈において、これは全国の部活動、ひいては企業組織にとっても画期的なモデルケースとなる。
カリスマ指導者の「暗黙知」や「情熱」は、これまで本人の中にしか存在し得なかった。 だが、DIAMOND AIはそれを「形式知」化し、組織の資産としてスケーリングさせることに成功した。
テクノロジーが人間を代替するのではない。 テクノロジーが、人間教育の質を最大化するための「触媒」となる。 鹿島学園の挑戦は、スポーツの枠を超え、次世代の「自立型人材育成」の新たなスタンダードを示している。
参考:DIAMOND AIとは
書籍から著者の考えを学習することで、まるで著者本人と対話しているかのような体験ができるサービス。芸能人や有名人・スポーツ選手、指導者など、普段は会えない方とのコミュニケーション体験を提供する。
株式会社ダイヤモンド・ビジネス企画が、20年以上にわたるAI研究開発の知見に基づき開発し、2025年に特許取得。
『書籍』という信頼性の高い媒体から学習するため『暴走しない・怖くないAI』として注目を集めている。


