
国が認めた「誰もが働きやすい企業」へ。日本管財が...
10/12(日)
2025年
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ビジョナリー編集部 2025/10/08
私たちが毎日使うエネルギー、口にする食品、肌に塗る化粧品やいざというときに頼る医薬品。その製造過程には産業機械が不可欠だ。月島ホールディングスの産業事業は、まさにそうした「豊かで快適な暮らしを実現する」ための素材を製造する技術や、環境保全に貢献する技術を提供しているモノづくり企業だ。私たちの安心で快適な“当たり前”は、同社グループの技術に支えられているといえるだろう。
創業から120年、同社グループは日本の産業を支える機械を作り続けてきた歴史を持つ。祖業である製糖装置の国産化で培ったノウハウを活かし、晶析*装置、乾燥機、遠心分離機など、時代のニーズに応える多様な機器を提供してきたという。
これらの装置は、顧客企業の製品品質の向上や生産効率の改善に貢献し、競争力の強化を支えてきた。高度な技術力と顧客からの信頼を背景に、長年にわたり産業界で確かな実績を積み上げてきたのだ。
*晶析:液体の溶液から固体の結晶を析出させる操作
近年、同社グループが特に注力している分野のひとつが「環境領域」だという。脱炭素社会や資源循環型社会の実現に向け、廃棄物の再資源化や有価物の回収技術の高度化に取り組んでいるそうだ。
なかでも、アンモニア関連の取り組みを積極的に推進している点は興味深い。半導体分野の設備投資が活発化するなか、製造工程で使用されるアンモニアを含む薬液による洗浄に伴い、アンモニア廃水の処理ニーズが高まっている。同社グループは、廃水からアンモニアを分離し、アンモニア水や肥料の原料となる硫酸アンモニウムとして回収・分解する装置を提供。これにより、顧客のニーズに応えるとともに、環境負荷の低減にも大きく寄与している。
電気自動車(EV)の普及を見込み、同社グループはリチウムイオン二次電池を構成する材料製造プロセス向け装置の開発にも力を入れている。電池性能を左右する重要な物質である正極材の前駆体を製造する工程では、月島機械が長年培ってきた技術を活かし、晶析、洗浄・ろ過、乾燥などの各工程に対応する機器やプラントを納入しているという。これらの設備は精密な製造プロセスを支え、EVのさらなる性能向上とコスト削減に直結する重要な技術だ。
また、同社グループは技術領域の拡大および製品ラインナップの拡充を図るため、M&Aにも積極的だ。2020年には、高速攪拌機の専業メーカーであるプライミクスを買収し、リチウムイオン二次電池の材料製造プロセスにおける技術領域の拡大を実現した。最近では、全固体電池など次世代電池向けの引き合いが増加しており、持続可能なモビリティ社会の実現に向けて、さらなる技術革新と価値提供に力を注いでいる。
同社グループは、長年にわたり産業機械の開発・製造を通じて、産業インフラの基盤を支えてきた。化学やライフサイエンス(食品、化粧品、医薬)、環境など、その活躍の舞台は幅広い。調味料やお菓子、乳液などの化粧品、洗剤や歯磨き粉などの日用品――これらの商品の製造工程では、同社グループの機器が活用されており、私たちの日常生活の質向上と快適さに、目に見えないところで貢献しているという。
月島ホールディングスは、これからも社会に寄り添いながら、豊かで幸せな生活を支える技術を磨き続け、より良い社会の実現に貢献していく構えだ。