
「黒ラベル」の“うまさ”を体感する、梅田発・サッ...
6/26(木)
2025年
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ビジョナリー編集部 2025/06/26
スーパーマーケットの一角、買い物帰りのお客様が空のボトルに水を詰めて帰る――そんな光景は今や珍しくない。清潔な印象の自販機から流れ出る水は、多くの店舗では当たり前のように“無料”で提供されており、お客様へのサービスの一環としてすっかり定着している。
そんな中、同じ水の自動販売機でも「1本5リットル=100円」と聞いたら、どう思うだろうか。 「高い」 「無料の水で十分じゃないか?」 そう感じる方も多いかもしれない。しかし、“あえて100円”という価格を掲げる水が、今注目を集めているという。
その名も《清流物語》。
《清流物語》は、単なる自販機とは一線を画す存在だ。
水道水を原水としながらも、独自の自然ろ過方式で塩素やトリハロメタンなどの有害物質をしっかり除去。一方で、身体が必要とするミネラルはしっかり残される。
「RO水」や「アルカリイオン水」と違い、極端な処理や添加は行わないため、飲んだ瞬間、「自然の湧き水のようなナチュラルな味わい」を感じられるのだという。
赤ちゃんのミルクづくり、薬の服用でも安心して使用できる高品質さ。また炊飯に使えばご飯がふっくら、料理に使えば素材の味を引き立ててくれる。その違いは一口食べた瞬間に実感できるという。「水一つで、ここまで日常が豊かになる」――それが《清流物語》の根本にあるようだ。
では、なぜ無料ではなく「100円」なのか。 その理由は明快だという。
無料で提供される水の多くはRO水(純水)で、不純物とともにミネラルまで除去されてしまう傾向がある。清涼感はあっても「おいしさ」に欠ける。一方で《清流物語》は、ミネラル豊富で“身体が自然に欲する味”を追求している。
「おいしい水を届けるには、それなりのコストがかかる」――その品質を支えるのが、100円という価格設定だ。水の価値を可視化することで、生活者に「いいものを選んだ」という満足感をもたらす狙いがある。
また、《清流物語》を導入した店舗では月間売上60万円以上を記録する実績もあるという。消費者自身が価格以上の水の価値を認めていることを、数字が裏付けている。
《清流物語》が目指すのは、単なる飲料水の提供にとどまらない。
水=販促資産として捉え直す、新たな価値観が生まれつつある。
まず、販売店舗のブランドイメージの向上である。 「ここは本当に“いいもの”を扱っている」。お客様がそう感じる瞬間は、野菜売場や精肉売場だけでなく、意外にも“水”にもある。“水”の品質にこだわることで、店舗全体の信頼感につながり、ブランド価値を底上げする効果が見込まれる。
さらに、《清流物語》には専用ペットボトル(販売価格:418円)があり、これが「繰り返し来店する理由」を生み出しているのだ。水の補充は、再来店の動機として非常に自然であり、ロイヤルカスタマーの定着にもつながる。
また店舗にとって、従来の無料の水では、設備費や水道代、メンテナンス費が発生するのみで、収益化は難しい。《清流物語》では、販売数量に応じた収益分配が可能なモデルとなっており店舗がそれ自体での収益化が可能である。また、ウォーターサーバーには広告表示ができる27インチモニターも搭載されており、プロモーション媒体としても活用の幅が広がっている。
《清流物語》を展開するビーエスエス株式会社をグループ会社に持つブルーチップは、2023年に創業60周年を迎えた。 「目指すのは100年企業」。 食品小売を軸に、“生活に寄り添う価値”を絶えず提供し続けるという強い想いが、この《清流物語》にも凝縮されている。
「“おいしい水”が、明日の来店理由になる」。
そう信じて、水の意味そのものを問い直す――その挑戦こそが、《清流物語》の本質である。