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2026年

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    「勤怠」から「人事給与・バックオフィス自動化」へ——ヒューマンテクノロジーズが描く、ワンプライス戦略と人時生産性革新の未来

    「勤怠」から「人事給与・バックオフィス自動化」へ——ヒューマンテクノロジーズが描く、ワンプライス戦略と人時生産性革新の未来

     クラウド勤怠管理システム『KING OF TIME』を展開し、市場シェアNo.1※を獲得してきた株式会社ヒューマンテクノロジーズ。同社はいかにして競合ひしめく市場を勝ち抜き、日本を代表するインフラ企業や大手パートナーから選ばれる存在となったのか。その裏側には、大手通信キャリアの厳格な脆弱性診断に応えるために費やした2年に及ぶ地道な開発と、数千人規模の運用に耐えうる徹底的な品質保証の取り組みがあった。

     連載第5回となる今回は、株式会社ヒューマンテクノロジーズ代表取締役社長の家﨑晃一氏にインタビュー。これまでの実績と技術的土台を振り返りつつ、同社が推進する「ワンプライス戦略」とバックオフィス業務の自動化、顧客やパートナーとともに挑む「人時生産性向上」、そしてASEAN市場へ届ける新たな価値と将来像に迫る。

    【大企業品質の礎】大手通信キャリア様導入で磨かれたセキュリティと、泥臭いまでの品質保証

    大手通信キャリア様との提携をはじめ、大企業や大手パートナーへの導入が進んだ背景にはどのような開発の裏側があったのでしょうか。

    ヒューマンテクノロジーズ 家﨑社長: 約15年前に、大手通信キャリアに採用していただくにあたり、彼らの厳格な脆弱性診断をクリアする必要がありました。当時はまだ組織として大企業とお付き合いできるレベルまでセキュリティ対策が行き届いていなかったため、実質1年半から2年ほどかけて開発を強化し、脆弱性の改善を行いました。

     それまでは目の前の機能を作ることで精一杯でしたが、この経験があったからこそ「セキュリティを本気で考えなければいけない」と組織全体の意識が変わりました。既存のOEM提供と並行しながら高・中・低のリスク順に改善をクリアしていったことで土台が整い、その後に日本を代表するインフラ企業様にも自社ブランドサービスとして採用していただけるようになりました。

    システムを絶対に止めないこと、そして応答速度などの「品質保証」へのこだわりについて教えてください。

    ヒューマンテクノロジーズ 家﨑社長: クラウドサービスにおいて「システムを止めない」ことは大前提ですが、それ以上にお客様が期待する品質、例えば処理速度やエラーを出さないといった負荷対策を泥臭く徹底してきたことが当社の強みになっています。

     特に大きく鍛えられたのは、当時はラルズ様のような数千名規模の従業員を抱える企業様の運用でした。給与計算のためにファイルをダウンロードする際、時間がかかると現場には大きなストレスが生じます。そうしたお客様からのご意見に対して、「いかに早くデータを落とせるか」を愚直に追求し、改善を真摯にやり続けてきました。大規模運用に耐えうるレスポンス速度と安定性を担保できたことが、当社の品質保証の根幹になっています。

    「ワンプライス戦略」でバックオフィスをオペレーションから解放する

    これまでの「勤怠管理」の実績を経て、現在は「勤怠管理・人事給与システム」へと領域を拡張されていますね。

    ヒューマンテクノロジーズ 家﨑社長: 当社は今、単なる勤怠管理ベンダーからのステップアップを図り、勤怠管理から給与計算、給与支払いまでの一連の業務を自動化する統合プラットフォーム へと進化を遂げています。

     そもそも勤怠管理とは、給与計算を行うための労働時間を管理するサービスです。であるならば、お客様が最も手間や工数をかけられている給与計算の業務までを一体で自動化し、追加費用なしの「ワンプライス」で提供するべきだ と判断しました。そのため、サービス名称や位置づけも従来の「勤怠管理 KING OF TIME」から、「勤怠管理・人事給与システム KING OF TIME」へと進化させています。

    バックオフィス業務を「自動化」することの真の目的は何でしょうか。

    ヒューマンテクノロジーズ 家﨑社長: 目的は、現場の方々を複雑なバックオフィス作業(オペレーション)から解放し、本質的で創造的な業務へ注力していただくこと です。

     現場が日々のオペレーションに追われている状態では、どれほど素晴らしいビジョンを掲げても創造的な仕事にリソースを割くことはできません。だからこそ、まずは『KING OF TIME』シリーズで給与計算をはじめとするバックオフィス業務を完全に自動化し、業務の負担を取り除く。これが、企業の変革を後押しする第一歩になると確信しています。

    データとAIを「人時生産性」向上への力に

    バックオフィス業務の自動化を達成した先で、どのような価値を顧客に提供していくのでしょうか。

    ヒューマンテクノロジーズ 家﨑社長: オペレーションから解放された先にあるのが、「人時生産性」の向上 です。これまでのように単に「労働時間を集計・管理する」だけの領域から一歩踏み出し、限られた時間をどう有効に活用して従業員の生産性を上げ、企業の利益や成長につなげていくか。そうした労務管理・経営管理の領域へ貢献していきたいと考えています。

     当社では「お客様の飛躍的な労働生産性を目指す」というパーパスや、「人時生産性を、お客様と共に考える」というスタンスを掲げています。生産性向上は当社だけで完結できるものではなく、パートナー企業様やお客様と一緒に知恵を絞り、伴走しながら実現していくものです。

    蓄積された勤怠データやAIの活用については、どのような未来像を描いていますか。

    ヒューマンテクノロジーズ 家﨑社長: 当社に蓄積された「人」と「時間」のデータをAIで分析・利活用することで、お客様へ経営上の「気づき」を提供し、人時生産性を向上させる材料にしていきたいと考えています。

     まずは自社内でAIやデータを活用して自分たちの生産性を徹底的に高め、そこで得たノウハウをお客様やパートナーへ還元していきます。単なる管理ツールにとどまらず、お客様の経営や事業成長を後押しするパートナーであり続けたいと思っています。

    日本発SaaSのパイオニアへ。タイから挑む「ASEAN展開」のビジョン

    早期から海外進出を見据え、ASEAN市場へ参入された経緯をお聞かせください。

    ヒューマンテクノロジーズ 家﨑社長: 海外展開の構想は以前からあり、2015年にシンガポール法人を設立しました。欧米とは時間管理に対する文化や習慣が日本と異なる一方で、ASEANは日系企業の進出が盛んであり、日本の労務管理モデルとの親和性が非常に高い地域です。今後のさらなる市場成長や人件費高騰も見据え、最も強みを発揮できるターゲットとしてASEANに注力することを決めました。

     最初はシンガポールをハブ兼開発拠点としてスタートし、本格的な営業拠点としてタイ法人を設立しました。当時、語学もままならない日本人社員1名で、会社設立から現地スタッフの採用までゼロから立ち上げてくれました。現在は現地スタッフも増え、体制のローカライズも進んでいます。

     製品面でも、日本と同じ『KING OF TIME』の機能に加え、ASEAN現地向けの給与計算機能も新たに開発しました。まずはタイの日系企業を中心に実績を積み上げ、今後はベトナムなど周辺国への拡大とともに、現地のローカル企業へもターゲットを広げて本格的な展開を進めていきます。

    そのような展開を進める中で、今後のASEAN市場における狙いや「シェアNo.1」という目標についての想いをお聞かせください。

    ヒューマンテクノロジーズ 家﨑社長: ASEAN諸国でも近年人件費が高騰してきており、近い将来、日本と同じようにバックオフィスの効率化や生産性向上、労務管理の高度化が必要不可欠な時代がやってきます。だからこそ、日本で成功した「バックオフィス自動化と生産性向上のモデル」をASEANへ持っていき、現地の企業や日系企業の生産性向上に貢献したい と考えています。

     「ASEANシェアNo.1」という目標についてですが、単に「No.1というタイトルを取ること」自体が目的なのではありません。私たちの本質的な目的は、ASEANのお客様に高品質なサービスを提供し、バックオフィス業務を自動化して、顧客の生産性と利益向上に貢献すること です。

     お客様や現地の社会に真摯に向き合い、価値を提供し続けた結果として、最終的に「ASEANでのシェアNo.1」という実績がついてくれば最高ですね。日本発のSaaSとして、アジアで働く人々と企業の発展に寄与していきたいと考えています。

    まとめ

     大手企業の厳しい脆弱性診断を乗り越えて築いた「大企業品質」、愚直に顧客に向き合うことでつかみ取った「国内シェアNo.1」。これまでの輝かしい実績は、同社にとって次なる飛躍への通過点に過ぎない。

     「勤怠管理ベンダー」から、給与計算や労務管理までを網羅する「人事労務・給与システム」へ。そして、バックオフィス業務をオペレーションから解放し、顧客やパートナーとともに「人時生産性」を高めていく未来へ——。

     日本で研ぎ澄まされたそのプロダクト思想と高い志は、これから日本のみならず、ASEANで働くすべての人と企業の可能性を力強く解き放っていくはずだ。

     
    ※ シェアNo.1表記について 富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2026年版」勤怠管理ソフトSaaS/PaaS市場 利用ID数 2025年度実績 ベンダーシェア

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