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2026

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    「2025年、サステナブルシフトが加速する」——ユーグレナ出雲社長が語る未来世代との共創と「仲間」への思い(後編)

    「2025年、サステナブルシフトが加速する」——ユーグレナ出雲社長が語る未来世代との共創と「仲間」への思い(後編)

     気候変動への危機感が高まる中、企業には本質的なサステナビリティへの取り組みが求められている。ミドリムシ(学名:ユーグレナ)を中心としたバイオテクノロジーで社会課題の解決に挑む株式会社ユーグレナの出雲充社長は、これからの社会の中核を担う「未来世代」に大きな希望を託している。2025年を転換点と捉える独自の視点や、18歳以下のCFO(最高未来責任者)の提言がもたらした組織の変革、そして働くメンバーを「社員」ではなく「仲間」と呼ぶ理由とは。上場前から親交の深いSBIホールディングス北尾吉孝会長兼社長から受け継いだ経営哲学を含め、次世代と共に持続可能な社会を目指す出雲社長の思いを紐解く。

    2025年からがラストチャンス。ミレニアル・Z世代が主導するサステナブルシフト

    サステナブルシフトについて、同じ志を持って活動されている同志のような存在はいますか。

     私にとっての同志、一緒にやっている仲間というのは若い人たち です。理由は単純で、彼らはこの地球に長く住むからです。私より上の世代は、極端に言えば地球がサステナブルでなくても逃げ切れる世代かもしれません。しかし、私がいわゆる1980年生まれのミレニアル世代の先頭にあたるのですが、そこから、その下のZ世代などの若い人たちは、これから長く気候変動や地球温暖化と向き合わざるを得ません。だからこそ彼らは本当に現状に怒りを感じていますし、身銭を切ってでも温暖化対策をやろうと本気で考えてくれています。

     これまで若い世代は、資産の蓄積もなく、何より人数が少ないために無力感を感じていました。団塊の世代は同学年が約270万人いますが、私の同い年の人は約150万人しかいません。多数決が基本の民主主義社会において、サステナブルシフトを進めたくてもなかなか勝てないという難しさがありました。

     しかし、その状況が大きく変わるのが2025年 です。日本の生産年齢人口(15歳から64歳)約7,300万人のうち、過半数が1980年以降に生まれたミレニアル世代とZ世代に切り替わるのが2025年 なのです。社会の中核で働く人たちの多数派がデジタルネイティブ・ソーシャルネイティブとなり、サステナブルシフトを求める人々がマジョリティになります。

     これは日本にとって大変革のラストチャンスです。2026年以降は、あらゆる場所で遅れていたデジタル化やグリーン化が驚くほどのスピードで進むでしょう。将来世代のことを考えた持続可能な社会、日本、そして地球にしていくための大きな転換点に、私たちは今まさに立っているのです。

    女子高生CFOの問いかけが生んだ、日本初の「100%オンライン株主総会」

    2019年に18歳以下を対象とした「CFO(最高未来責任者)」を誕生させるなど、未来世代を経営に加える決断は世間に衝撃を与えました。この取り組みによって社内も変わったのでしょうか。

     社会にPRできた以上に、私たち自身が最も良いインパクトをもらいました 。今の日本社会は、現状がなんとなくうまくいっているため、「ガラガラポン」をしてまで変えようという機運になかなか至りません。当社も例外ではなく、自分たちだけでは変われなかった部分があります。

     その象徴的な出来事が、コロナ禍における株主総会です。当時、日本の上場企業約4,000社は定時株主総会を会場に集まって開催するのが当たり前でした。誰もが「オンラインで参加したい」と思っていたはずですが、「前例がない」という理由だけで、大変な中であるのにわざわざ集まって開催していたのです。

     そこに当時の女子高生CFOだった小澤杏子さんから、 「みんなコロナで困っているのに、なぜ集まって株主総会をやるのですか? オンラインでやればいいじゃないですか」 と真っ当な指摘を受けました。

     そこで私たちは、日本で初めて100%オンラインの株主総会 を実施しました。多くの他社はリアルとオンラインの「ハイブリッド」を選択していましたが、実は、ハイブリッド開催は現場のスタッフにとって10倍も手間がかかります。100%オンラインに振り切ることで、急激に効率化が図られ、スタッフの心にも余裕が生まれました。

     結果として、北海道や東北など遠方の株主も、交通費や感染のリスクなく参加することができ、90%以上の方に「出雲社長の顔を初めて見られた」と大変喜んでいただけました。その後、名だたる大企業も次々と100%オンライン株主総会を開催するようになりましたが、これも未来世代の若者に怒られ、素直にやってみた結果 なのです。

    370万分の1の奇跡。ともに働くメンバーを「社員」ではなく「仲間」と呼ぶ理由

    組織のリーダーとして、現場の方々の声を大事にされているのを感じます。日頃、コミュニケーションを取る際に心掛けている言葉選びなどはありますか。

     実は私、2005年に会社を作ってから21年間、意識して一度も「社員」という言葉を使ったことがありません 。新しく入る人も「新入社員」や「中途社員」ではなく、「新入仲間」「中途仲間」と呼んでいます。

     私が創業した当時、日本には約420万社の会社がありました。現在は約370万社に減りましたが、それでも星の数ほどある企業の中から、よりによって「ミドリムシ」を扱うユーグレナを選んで来てくれたのです。370万分の1のご縁で来てくれたことが、私にとってはありがたくて、嬉しくて仕方ありません。

     その感謝や温かい気持ちを表現するのに、「社員」という言葉では私の思いが全く伝わりません。だからこそ、どんな時でも「社員」という言葉が口から出ないように、24時間365日意識して気をつけています。

     私は、喜んでもらおうと思って言っているわけではなく、私自身が嬉しいからこそ「仲間」と呼んでいるのです。その結果として、一緒に働く仲間たちが喜んでくれるのであれば、こんなに運良く幸せなことはありません。

    SBI北尾氏から託された「経世済民」の思いと経営の哲学

    出雲社長を“本物”に導いてくださった存在として、SBIの北尾吉孝さんのお名前を挙げられています。北尾さんからはどのようなことを学ばれたのでしょうか。

     北尾さんには、当社が上場するはるか前から出資していただき、個人的にも折に触れて本当によくしていただいています。私が海外出張に行く際にも、「素晴らしい投資家がいるから、君の講演時間を30分取って、夕食会も隣の席にしておいたよ」とセッティングしてくださるなど、北尾さんご自身には何のメリットもないのに、信じられないほど手厚く応援していただきました。

     あまりにも特別扱いしていただくので、ある時思い切って「なぜこんなによくしてくださるのですか?」と聞いたことがあります。すると、北尾さんは 「君に、僕が選ばなかったことをやってほしいんだ」 とおっしゃったのです。

     実は北尾さんは、学生時代は理系で医者を目指していました。しかし、目の前の患者さんを一人ひとり治す道から、ビジネスや経済を通じて世の中の大勢の人を救う「経世済民」の道 を選ばれました。そしてSBIを日本一の証券会社に育て上げたのです。

     ご自身がサイエンスに詳しいからこそ、バイオテクノロジー「ミドリムシ」で世の中を良くしようと挑戦している私や、アミノ酸の研究に挑む後輩を応援しようと決めてくださっていたのです。

     また、北尾さんからは経営者としての根本的な哲学 も教わりました。「理系のバイオベンチャーの経営者は、論語と接点がないだろう。騙されたと思ってこれを読みなさい」と、漢学者・思想家の安岡正篤(やすおかまさひろ)先生の書籍や『論語』などをたくさんいただき、学ばせていただきました。今の私があるのは、こうした大先輩からの温かい応援と、託された「経世済民」の思いがあるからに他なりません。

    #出雲充#ユーグレナ#サステナビリティ#サステナブルシフト#経営哲学#組織づくり#バイオテクノロジー

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