
「『正気の沙汰ではない』と言われた」赤字下の拠点...
8/1(金)
2025年
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ビジョナリー編集部 2025/07/31
マイレージサービスと旅行事業を中心に、あらゆる事業・サービスを通じて、人々や社会に寄り添い、お客様の日々を豊かに彩り続けるANA X株式会社。前回「『マイル』は貯めやすく、使いやすく。「旅」を軸に次代へ。(前編)」では、同社代表取締役社長・神田真也氏に新生ANA Xの様子やサービス展開について伺った。後編では、新たにスタートしたサービスや企業とのコラボレーションについてさらに深掘りしていく。
もちろんです。例えば、「せっかく貯まったマイルが期限切れでもったいない」といったときに1マイルから交換できるANA SKYコインが好評です。会員ステータスなどにもよりますが、例えば一般のANAカードをお持ちの会員様は、1万マイルなら1万2千マイルに、2万マイルで2万6千マイルに交換することができます。交換するマイル数が増えれば交換倍率も上がり、最大で1.7倍で交換でき、航空券や燃油サーチャージ、旅行商品代として使えるものです。我われANA X社がやっている旅行のダイナミックパッケージなど用途限定ではありますが、長い歴史があり、ご好評いただいています。
また、「飛行機にあまり乗らない、乗っても年1回ぐらい」という方々には、マイルを貯める・使うというと敷居が高く見えるようですが、マイルはすでにみなさんの手の届くところに来ているということを、もっとアピールしていきたいと思っています。
身近なところで言うと、ANAでんきやANAガスのインフラ系のサービスをやっています。2つセットでご利用いただくと、利用料金に関わらず年間6,000マイル貯まります。セットでなくてもご利用自体は可能です。ANAガスについては、この5月にサービスローンチ(開始)をしたばかりで、8月までにご契約いただくとお得なキャンペーンも実施しています。これらは、消費者の方々の身近なパートナー企業と一緒に事業を展開させていただいています。
こうした事業展開は、社員一人ひとりが、自身の生活の中で「電気やガスでマイルが貯まればいいのに」といった、本当に身近な感覚から生まれてきたものです。
日常生活でこれだけ貯まれば、飛行機に乗るには今や十分なマイル数になります。我われが展開する今週のトクたびマイルでは、片道の国内線特典航空券が3,000マイルから交換可能と、通常より少ないマイル数で航空券が手に入ります。思い立ったとき、おトクにふらっとマイルで旅に行きたい、そんなときにとてもおすすめのサービスです。
サイバーエージェントと業務提携し、お客様の行動に寄り添ったデジタル広告配信サービスANA Moment Adsをリリースしました。例えば東京から沖縄への航空券をANAで購入して行かれる方に、旅行前や旅行中のタイミングに沖縄に関する案内をすることで、広告効果を高めることができます。
お客様にとっては、旅行前・旅行中・旅行後の各シーンで、ANAのオウンドメディア(アプリ、ANAウェブサイト等)や、その他SNS等の幅広いメディアを通じて、食べる・遊ぶ・泊まるなど行動のタイミングに合わせた有益な情報を取得していただくことができます。一方、企業や自治体にとっては、航空券の予約情報という「将来の移動データ」を活用することで、お客様の興味・関心が高まっているタイミングで広告配信を行うため、効率的かつ効果的な認知・集客・購買促進につなげることができます。
まさに、移動情報を捉えられる我われだからこそできるサービスだと思っています。今後、AIの入ったプラットフォーム対プラットフォームの競争も起きてくる。それを見越して、まずは我われのプラットフォームのファンを増やしていくことが大事だと思っています。
おっしゃる通りです。
まず、ANAは航空会社ですから「安全・安心・信頼」は非常に大切にしています。我われANA X社が提供するマイレージの世界も、そこは絶対に崩してはいけないと思っています。また、これからはさらに生活や人生というものを取り込んで、単に景品サービスやおまけのサービスというよりは、旅を軸にしたサービス展開を目指しています。
自分が飛行機に乗って海外旅行に行くとは思わなかったような人がポイ活でマイルをコツコツ貯めて、海外渡航も含めて生活が広がっていく、そんな世界を提供していきたいと考えています。少し大げさに言うと「世界に出ていってほしい」ということになります。
我われが扱っているマイレージ資産は、あくまでも航空会社ANAの資産で、我われはそれを受託しながら、運営している立場です。したがって常にANAと一体となって事業を推進しています。お互いに切磋琢磨しながら、少しでもグループ全体を引っ張っていければ、幸いだと思っています。