地域通貨の進化と可能性―成功事例に学ぶ未来のまち...
SHARE
歴史的上昇相場の舞台裏:高市トレードとサナエノミクスを解説
ビジョナリー編集部 2025/11/05
2025年10月、日経平均株価がついに5万円の大台を突破しました。株式投資をされている方や経済ニュースに敏感な方であれば、この歴史的な上昇を目の当たりにして、驚きや期待、または一抹の不安を感じているのではないでしょうか。
この背景に関わっているのが、いわゆる「高市トレード」です。高市早苗氏の自民党総裁や首相の就任などから、政策への期待から株高や円安に影響しています。
本稿では、「高市トレード」や「サナエノミクス」がどのような状況にあり、私たちの生活や投資にどんな影響を与えようとしているのか、最新の動向を交えながら解説いたします。
※ 記事内の情報は2025年10月時点のものです。
高市トレードとは
「高市トレード」とは、高市早苗氏が自民党総裁選などで注目され、買われる現象を指します。市場参加者は、新しい政策への期待感から積極的に株を買い進めることが多い傾向があります。
実際の市場の動き
- 高市総裁誕生前後
首相就任期待が高まり、株価は上昇基調となりました。 - 公明党の連立離脱報道
一時的に下落するも、他党との連携観測が伝わると再び上昇。 - 首相就任確実視→指名当日
事実が確定したことで「高値警戒感」から売りが出て、株価は一時下落。 - 新内閣の高支持率報道
政策実行への機運が高まり、株価は再び上向きに。
サナエノミクスとは
2010年代には「アベノミクス」が注目されましたが、いま注目されているのは「サナエノミクス」です。高市首相が掲げるサナエノミクスは、「日本経済強靭化計画」として、3本の矢を打ち出しています。
- 金融緩和
- 緊急時の機動的な財政出動
- 大胆な危機管理投資・成長投資
アベノミクスの3本目が「民間活力を引き出す成長戦略」だったのに対し、サナエノミクスでは「大胆な危機管理投資・成長投資」と危機対応の視点を盛り込んでいます。
サナエノミクスの特徴
- 財政ルールの柔軟運用
2025年6月に策定された骨太方針で、可能な限り早期に国・地方合計の基礎的財政収支(PB)を黒字化する目標が掲げられていますが、必要な投資のために財政出動を優先すべきと主張。 - ワイズ・スペンディング(賢い支出)
単なるばらまきではなく、成長分野や危機管理投資への集中投下。 - 給付付き税額控除の検討
社会保障や給付政策にも積極的に取り組む姿勢。
アベノミクスとの違い
- アベノミクスは「デフレ脱却と景気刺激」が主眼。
- 現在はインフレ市況であり、「人手不足・供給制約・成長戦略」がより重要に。
日本株はなぜここまで上昇したのか
ハイテク・半導体関連の追い風
日本の半導体製造装置やAI関連企業が世界的な成長トレンドに乗り遅れなかったことが大きな要因です。米国FRBの利下げ観測や米中対立の緩和も、外部環境として株価上昇を後押ししました。
具体的な例
- ソフトバンクグループはAIインフラ投資計画で株価が急伸。
- フジクラはデータセンター需要拡大や核融合炉関連で評価。
- IHIなど防衛・成長投資関連も「高市銘柄」として注目。
海外投資家の資金流入
高市政権の政策に対する期待感は、海外投資家が日本株を積極的に買い進める大きな要素となっています。特に、構造改革や社会保障の見直し、エネルギー政策の転換が進めば、海外勢が長期的な視点で日本市場を評価し直す可能性が高いと考えられます。
サナエノミクスは生活をどう変えるのか
実現までの課題
一部の政策、たとえば「給付付き税額控除」の実現にはシステム改修や制度整合性の調整が必要で、数年単位の時間がかかる見通しです。また、成長分野への投資を「どの分野に」「どの程度」集中的に行うか、政府の見極めが問われます。
「責任ある積極財政」の実現
無駄な支出を省き、効果的な分野に集中投資する「ワイズ・スペンディング」が重視されています。たとえば、AIや半導体、バイオといった成長分野への積極投資や、消費者に直接恩恵が及ぶ税制改革などが検討されています。
今後の日本株市場の見通し
日経平均5万円突破を受け、「高すぎるのでは」「今から買っても大丈夫?」という声も多く聞かれます。しかし、現在の水準だけで「高い」「危ない」と考えるのは早計です。
コロナ禍以後、日本企業は売上拡大・人手不足・賃金上昇・設備投資の拡大といった現象が顕著になっています。財政拡大路線が続けば、一時的な株高や債券市場の金利上昇、信用リスクの高まりもあり得ます。
また、「責任ある財政運営」に舵を切れば、内需拡大・消費牽引の安定成長シナリオが描けます。
政府が日銀の金利引き上げを過度にけん制しなければ、インフレ+賃上げ+成長投資という好循環も期待できます。
まとめ
高市トレード・サナエノミクスで重要な視点視点
- 政策への期待感だけでなく、実行力と持続性を見極めること
- 市場心理は短期的に大きく揺れるが、長期では経済・企業の本質的な成長が評価されること
今後の日本経済や株式市場がどのような局面を迎えるのか、「サナエノミクス」の実行度が大きなカギを握ります。新しい時代の日本が、持続的な成長を手に入れることができるのか、私たち一人ひとりが注目し続ける必要があります。


