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2026

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    王者の「危機感」が生んだブランド刷新。眉マスカラNo.1「ヘビーローテーション」が、絶好調の中で全面リニューアルに踏み切った理由

    王者の「危機感」が生んだブランド刷新。眉マスカラNo.1「ヘビーローテーション」が、絶好調の中で全面リニューアルに踏み切った理由

     株式会社伊勢半が展開する眉メイクブランド「ヘビーローテーション」は、2008年の誕生以来、眉マスカラ市場を牽引してきたパイオニアだ。現在では販売金額・個数ともにNo.1(※1)を誇る王道ブランドとして、多くのユーザーに支持されている。しかし同ブランドは、好調の最中にあった2024年、あえて「発売以来初となる全面リニューアル」という大きな賭けに出た。

     一見すると安泰に見えるNo.1ブランドが、なぜ今、変化を求めたのか。その舞台裏では、研究担当の永井佑果氏と商品開発担当の頼由香氏による、執念とも言える開発劇が繰り広げられていた。

    (※1) カラーリングアイブロウ 出典:インテージSRI+ アイブロウ(形状:リキッド)市場 ※セルフ、通販商品 / 期間2022年9月‐2024年8月 / 販売金額、販売個数

    【News Release】キスミー ヘビーローテーション カラーリングアイブロウEX

    商品数が数年で約2倍に。競争激化の市場で「マンネリ」という敵に立ち向かう

     2008年の発売以来、時代に合わせてパッケージの刷新は行われてきたものの、中身の処方については長年守り続けられてきた。リニューアルの検討自体は過去にもあったが、売上が低迷していない状況下では、そのタイミングを慎重に見極める必要があったという。

     転機が訪れたのは、リニューアル発売の約1年半前のことだ。背景にあるのは、眉マスカラ市場の劇的な変化である。

     かつての眉メイクはペンシルやパウダーが中心だったが、多様性が受容される社会環境となり、髪色やメイクに合わせて眉の色を変える楽しみが一般化した。それに伴い、眉マスカラの利用者は年々増加。市場には競合他社から次々と新商品が投入され、この数年で商品数は約2倍にまで膨れ上がったという。

     「ヘビーローテーション」は好調を維持していたものの、選択肢が増えた市場において、ロングセラーゆえの「マンネリ感」が漂い始める懸念があった。No.1の地位に甘んじることなく、圧倒的な王道ブランドとしてさらなる高みを目指す――。その決断が、今回の全面リニューアルへと繋がったのだ。

    記事内画像 ▲リニューアルした「ヘビーローテーション カラーリングアイブロウEX」

    理想の質感は「ホイップクリーム」。ユーザーの課題に向き合った「完璧な眉マスカラ」への挑戦

     今回、ブランドとして初めて踏み込んだのが、使用感や仕上がりを左右する「中身(処方)」の刷新だ。既存商品への評価は高かったものの、ユーザーからは「乾くと毛がパリパリに固まる」「ブラシが大きくて地肌についてしまう」といった課題も寄せられていた。

     商品開発担当の頼氏は、「今回のリニューアルでは、評価されてきた発色の良さはそのままに、満足度の低かったポイントを徹底的に改良しました」と語る。

     カラー展開も見直された。人気の既存色は維持しつつ、若年層から支持される「うす眉」カラーや、トレンド感のある新色3色を追加。全10色(2026年4月現在:全11色展開)という圧倒的なラインアップを揃えた。

    記事内画像 ▲ヘビーローテーション商品開発担当 頼 由香氏

     改良にあたって特にこだわったのが、眉の質感だ。研究担当の永井氏は、理想の仕上がりを追求するあまり、驚くべき行動に出る。

     「塗って乾いたあとも固くならず、ふんわりとした仕上がりを目指していました。その理想を共有するため、実際にホイップクリームを研究所に持参し、生クリームのようなふんわり感を追求したこともありました」と、永井氏は当時を振り返る。

     長年取り組んできた「ふわふわとした仕上がり」のアイブロウ処方をベースに、眉毛に付着する液量をあえて少なく設定。これにより、乾いても柔らかい質感を維持する「薄膜フィルム処方」を完成させた。

     また、操作性の向上にも着手した。ブラシを従来より3.5mm小型化し、逆に軸を長くすることで、初心者でも地肌に液がつきにくい設計へと進化。一方で毛の長さは維持することで、毛量が多いユーザーでもひと塗りで発色する使い心地を両立させたという。

    記事内画像 ▲ヘビーローテーション研究担当 永井 佑果氏

    総試作数は150本。トレードオフの壁と、量産化への険しい道のり

     15年以上の歴史を持つロングセラーのリニューアルは、一筋縄ではいかなかった。

     「発色の良さとふんわりした仕上がりは、実はトレードオフの関係にあります。柔らかさを追求しすぎると発色が弱くなってしまう。このバランスを見極めるのが極めて困難でした」と永井氏は語る。完成までに費やした試作数は、通常よりも遥かに多い150本。微調整を繰り返す日々が続いた。

    記事内画像 ▲実際に試作で作った眉マスカラの数はなんと150本

     色の再現性も高い壁となった。処方が変われば、同じ色でも発色が変わってしまう。特に苦労したのが、新色の「14:シフォンベージュ」だという。

     「赤みが弱すぎると既存のアッシュブラウンに寄り、強すぎるとダスキーローズに寄ってしまう。その絶妙な中間色を出すため、研究所に通い詰め、何度も色の微調整を行いました」と頼氏は話す。専門知識がない立場として、理想の色味を言葉で伝え、具現化していく作業には多大なエネルギーを要したという。

    記事内画像 ▲絶妙な色調整にもひと苦労…
    左から03:アッシュブラウン、14:シフォンベージュ、15:ダスキーローズ

     ようやく中身が完成しても、難題は続いた。パッケージデザインにおいても、「ヘビーローテーション」らしさを失わずに刷新するという難問が待っていたからだ。頼氏は店頭の競合品をすべて買い集めて商品棚を再現し、「どの程度の変化ならブランドを認識できるか」というテストを徹底。全10種、モデルの目の表情から前髪1本に至るまで、細部へのこだわりを突き詰めた。 記事内画像 ▲ブランドアイデンティティはそのままにパッケージも刷新
    左:リニューアル前、右:リニューアル後

     さらに、研究側では「量産化の壁」が立ちはだかった。研究所での手作業スケールと、工場の機械による大量生産では、同じ配合でも仕上がりが異なる場合がある。「最初はうまくいかず、心が折れそうになった」と永井氏は告白するが、工場のスタッフやチームメンバーと協力し、原因を特定。ようやく発売へと漕ぎ着けたのである。

    変わらないために、変わり続ける。ブランド史上最高傑作の行く末

     開発に携わった二人は、自らも一人のユーザーとしてブランドに強い愛着を持っている。「眉マスカラといえばヘビーローテーション、という認知をさらに広げ、圧倒的なNo.1にしていきたい」と頼氏は意気込む。

     永井氏もまた、「研究員として、まだ市場にない新たなアイテムの開発にも取り組みたい。市場の動きを敏感にキャッチして具現化できるスキルを磨いていきたい」と、未来を見据えている。

     トレンドの移り変わりが激しい化粧品市場において、15年以上もトップを走り続けるのは極めて稀なケースだ。しかし、その「変わらない価値」を守るためには、自らが進化し続けるという姿勢が必要不可欠なのだろう。

     ブランド史上最高傑作と胸を張る、今回の全面リニューアル。生まれ変わった「ヘビーローテーション」が、これからも多くの人々の日常を彩っていくことを期待したい。

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