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2025

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    「マイル」は貯めやすく、使いやすく。「旅」を軸に次代へ。(前編)

    「マイル」は貯めやすく、使いやすく。「旅」を軸に次代へ。(前編)

    ANA X株式会社は、マイレージサービスと旅行事業を中心に、日用品や生活インフラなど、あらゆる事業・サービスを通じて、人々や社会に寄り添い、お客様の日々を豊かに彩り続ける、ANAグループのプラットフォーム事業会社である。2021年から新生ANA Xとしてスタートし、日常でマイルが貯まる・使えるサービスを生み出し続ける同社の3代目社長として2024年4月に就任した神田真也社長に、現在注力している取り組みや課題について伺った。

    プラットフォーム事業を展開する「新生ANA X」

    「新生ANA X社」について簡単にご説明ください。

    2016年に、当時は汐留のANAホールディングスにおけるマイレージ機能を分社化した形でANA Xが誕生し、2021年の4月に旅行事業を統合して「新生ANA X」として新たにスタートしました。ANAマイレージクラブという顧客基盤(マイル経済圏)を軸としたプラットフォーム事業をデジタルで展開しています。私は新生ANA Xになってから3代目の社長になります。

    社長に就任されてから1年が経ちますが、現在の想いをお聞かせください。

    ANAマイレージクラブがスタートした1997年ごろ、私は宣伝販促部でANAカードやクレジットカードの加盟店契約などの担当をしていました。その後はアドミ(管理業務)系の秘書や総務業務を担当し、社長就任前はアジア・オセアニア室長兼シンガポール支店長を務めていました。そして、マイレージの世界がこんなに大きくなり、そこに旅行会社としての機能もあるANA Xという会社が、「面白いな」と思ってお受けしたのが昨年の4月です。

    ANAマイレージクラブを始めた当時に関わりを持っており、マイレージプログラムの魅力については、自分でも十分理解していたつもりなので、30年弱経ちましたが、意外と基本的な構造が変わっていない部分もあって、久しぶりに帰ってきてまたこれをやれることの喜びを感じました。旅行事業にはこれまであまり関わっていなかったという意味では新鮮で、1から勉強みたいなところがありました。

    マイルを貯めて生活する時代への対応

    新生ANA Xがスタートしてから、ANA Mall、ANA Pocket、ANA Payなど、日常でマイルが貯まる・使えるサービスを生み出されてきました。そうした注力されている取り組みについてお聞かせください。

    まずその前に、以前からある自前の事業の一つに旅行事業があります。普通のポイントサービスはおよそ1ポイント1円換算で、キャンペーン等によりボーナスでたくさんポイントが貯まるところがありますが、出口も1ポイント1円相当です。当社の場合、他社ほどは貯まらないかもしれませんが、特典航空券においては出口が1マイルあたり3円以上、場合によっては、例えば欧州のビジネスクラスの特典航空券は、取れると10倍程度の価値を持っている時があります。混雑時は予約が取れないといった課題もありますが、アプリを使って混雑する前に簡単にご予約いただけますし、この6月24日から片道でも国際線の特典航空券がご利用いただけるようになりました。

    我われが今強化しているのは「貯めやすくて使いやすい」という点です。いまや飛行機に乗らない方も、日常生活の中でマイルが貯まることが増えてきました。そこに着目したのがECサービスのANA Mallです。これはANAのオリジナル商品をはじめ、一般のプラットフォーマーとして場をつくり、そこに契約施設や店舗に入っていただいています。出店店舗はすでに170ショップを超え、取扱品数も230万点以上になっています。この6月3日にはルイ・ヴィトンやグッチ等のラグジュアリーブランドも購入できるようになりました。

    マイルが日常生活の様々な場面で貯まるようになり、お客様のライフスタイルに深く浸透しています。これにより、日々の支払いをマイルで賄ったり、積極的にマイルを貯める活動そのものを楽しまれるお客様が増えてきております。なかなか海外に行くことや飛行機に乗る機会がないという方でも、貯まったマイルで50万円相当のものが買えるとなると、自分へのご褒美のような、経済価値プラスアルファの価値が生まれます。そういったより貯まりやすく貯まる場も増やしたいと思っています。ANA Mallはいま、年商100億円を目標に活動しています。
    記事内画像 また、昨今若い人たちが盛んに行っている「ポイ活」にお応えできるANA Pocketは、すでに250万人を超える方々にご利用いただいています。同様に、コンビニなどで簡単に使える電子マネーのANA Payを1マイル1円相当で展開していますが、こちらはもう少し知名度を上げていきたいと思っています。
    記事内画像 さらには、若い方にマイルを貯めていただく機会を増やすことで、プラスアルファの価値を感じていただきたい想いもあり、2025年1月16日には、ただ持っているだけで毎年3,000マイルが必ずもらえる、年会費が5年間無料のクレジットカード「ANA JCB CARD FIRST」を始めました。こちらは学生を除く18歳~29歳の方が対象になります。 記事内画像

    #ANAX#トップインタビュー

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