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今や2人に1人が利用する奨学金。婚活に不利になる!?
ビジョナリー編集部 2025/08/08
奨学金の返済があると結婚しにくい?
「奨学金があると、結婚は難しいのだろうか」。そんな悩みを抱える若者が少なくないという。
進学率の上昇と授業料の高騰を背景に、奨学金はもはや特別なものではなくなった。日本学生支援機構(JASSO)の調査によれば、1996年度に21.2%だった大学生(昼間部)の奨学金利用率は、2022年度には55.0%にまで達している。今や大学生の2人に1人が利用する制度となったわけだが、その「返済」という現実が、ライフプランを考える上で重くのしかかっているようだ。
若者のホンネ「パートナーが奨学金返済を抱えていると…」
やはり「奨学金=借金」というイメージは根強く、婚活や結婚の場で返済中であることを打ち明けることに抵抗を感じる人は多いという。
結婚相談所「パートナーエージェント」が実施した調査では、25〜29歳の77.8%が「奨学金の返済を相手に伝えることに抵抗がある」と回答した。しかし、興味深いのは相手側の反応だ。「奨学金返済中の人を結婚対象外にする」と答えた人はわずか8.0%に過ぎず、むしろ62.4%が「正直に伝えてくれたら信頼できる」と考えていることがわかった。
当事者が感じるほどの大きな障壁では、必ずしもないのかもしれない。このデータは、奨学金返済という事実が、誠実なコミュニケーションによって乗り越えられる可能性を示唆していると言えるだろう。
一方で、同調査では、「パートナーエージェント」会員のうち奨学金の受給経験者は34.7%にとどまっており、先述の2022年度の大学生(昼間部)受給率より低くなっている。このことから、奨学金の返済を負担に感じ、結婚相談所の利用自体をためらう層が一定数存在することも推察される。
結婚相談所を使うと何が良い?
近年、マッチングアプリの普及など婚活の手法は多様化し、出会いの選択肢は格段に増えた。しかし、結婚相談所のような専門サービスに対しては、「サービスを利用することへの心理的な抵抗」や「費用面での負担感」といったハードルが存在するのも事実だ。こうした心理的・経済的な壁が、婚活を始める上での一つの障壁となっている側面は否定できない。
なぜ専門サービスを利用するのか。そこには、第三者の客観的な視点やサポートがもたらす安心感があるという。プロフィール作成やマッチングといった実務的な支援はもちろん、交際中の悩み相談やアドバイスなど、きめ細やかなサポートが不安を和らげ、婚活に安心して臨める環境を提供する。自分では気づけなかった魅力を引き出され、結果として理想のパートナーとの出会いが早まるケースも少なくないようだ。
これは、学生が奨学金という第三者の支援によって学びの機会を得る構図と似ているのかもしれない。婚活においても、専門的なサポートを活用することが、不安を乗り越え、前向きな一歩を踏み出すきっかけになるのではないか。
結婚したい! と思う人が結婚できる世の中に
奨学金の返済、将来への不安、あるいは「相手に迷惑をかけてしまうかもしれない」という懸念。結婚という選択肢の裏には、様々な「ためらい」が潜んでいる。 しかし、時代は確実に変化しており、多様な生き方や価値観が認められつつある。“誰かの助けを借りること”や“自分の背景をオープンにすること”は、もはや弱さではなく、むしろ新しい関係性を築く上での強みになり得る時代だと言えるだろう。 結婚したいと願う誰もが、その気持ちを素直に追求できる。そんな社会の実現に向けて、個々の事情に寄り添うサポートの重要性は、今後ますます高まっていきそうだ。